実質GDPと名目GDP

内閣府が17日(月)に公表した4~6月期の国内総生産(GDP:Gross Domestic Product)の1次速報は物価変動の影響を除いた実質で前期より7.8%減り・・・年率換算では27.8%減。と、ある新聞朝刊で報じられていました。

では、そもそもGDPや実質と名目の違いはご存知でしょうか?

まずGDPですがこれは国内総生産(GDP:Gross Domestic Product)と略され、簡単に言えば「1年間に日本の国内で生産された財・サービスの総額」を表したものだと言えます。このGDPの計算には日本国内で行われる全ての生産活動が含まれます。

日本国内であれば、その活動を行っているのが外資企業であっても日本のGDPに含まれます。しかし、日本企業の活動であってもその活動が海外で行われた場合は日本のGDPには含まれないので注意が必要です。

このGDPの動きのなかには、生産量の拡大の部分と物価の上昇の部分の両方が入っています。生産が増大しても価格が上昇してもGDPは増大します。しかし、生産増大と価格上昇のどちらの理由でGDPが増大するのかによってその意味は大きく異なります。極端な話し、全く生産が増大しなくても物価が上がればそれだけでGDPが増大していきます。これでは全く意味がありません。

ここで実質GDPと名目GDPという考え方が必要になります。

名目GDP:それぞれの財の生産量に価格をかけて、それを全ての財について足し合わせることで求めることができます。(通常のGDP)

実質GDP:生産量の動きを見るための指標のため価格の動きに左右されてはいけません。よって、基準となる年を決めて、その年の価格でそれ以外の年の生産量にも利用することで求めることができます。

では上記を踏まえて下のPDFをご覧ください。(基準年は2000年に設定します。)実質と名目では数値の違いがあることがわかります。

以上が実質GDPと名目GDPの説明となります。

新型コロナウィルスが世界経済へ大打撃を与えていることがよくわかります。パンデミックの終息には発展途上国のことも考えるとしばらくかかることが予想されますね。アフターコロナを見据えるのではなく、ウィズコロナをクリアしなければ、経済のV字回復は不可能のように感じます。


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