第2章 れんげきへの入門?
part1 新たな希望インテウーラ
準備が終わり家を飛び出した。
足取りはかなり軽い。
新しいデッキ候補が見つかっただけというのに
もう自分はシティリーグでやれる気になっているのだ!
ミライドンの活躍に絶望していた自分はもういない!
新しいデッキ候補
そのデッキは
「れんげきインテウーラ」
大ダメージは出ないものの緻密なダメカン調整や攻撃を重ねて対戦全体をコントロールする。
そして詰み盤面を作り上げ、気がついたら試合終了!
簡単にいえば
難しいけどちょー強いデッキ(=´∀`)人(´∀`=)
気がついたら詰みなんてもうあれでしかない...
インテウーラの使い手は皆、北斗神拳伝承者と思っても過言ではないのだ!
そう!今から私は伝承者に会いに行くのだ。
自分の知っている限り最高のれんげき使い
ケンパッパ氏のもとへ!!
ケンパッパさんは自分がポケカを始めた頃から仲良くさせてもらってる人だ。
忘れもしない...
初のジムバトルで対戦した時笑顔で自分のアルセウスにウーラオスの百烈ラッシュをぶち込まれ、何もさせてくれなかった事( ・∇・)(注 仲良くさせてもらってます)
忘れもしない...
悔しくて弱点を消すノコッチを入れて対策してまた挑んだ時、デッキはまさかのミュウで何もさせてもらえず笑顔でボコボコにされた事( ・∇・)(注 仲良くさせてもらってます)
そんなケンパッパさんだ(^ ^)
れんげきの使い方を教えて欲しいと頼めば快諾してくれるであろう!(注 むっちゃ仲いいです)
ん?あれ...待てよ?これは偶然か?
そう言えば名前にケンがついている....
けん(しろう)+(ルン)ぱっぱ=ケンパッパ?
もしかすると本当に彼の名前はケンシロウなのかも知れない!!(気になる方はご本人へ)
そうなると自分はリンということになる。
だってインテウーラを握る決意をし、
ケンパッパさんのXを見て家を飛び出した時は
まさに
こうだったのだから!!
さて、話が逸れたので戻そう。
そもそもなんで難しいと言われているインテウーラが新しいデッキ候補なのか...
まず自分はtier1デッキは握らない。
理由はただ1つ!
「人と違うデッキで勝った方がかっこいいから( ´∀`)」
tier1デッキが強いのは知ってる。
でも「それ握って勝ってもねー」という役にも立たないプライドがあるのだ!
だから私はtier1デッキを握らない!!
.....
嘘ですm(_ _)m
いや、正確にはさっき言ったことも嘘ではないが本当の理由があるので握っていない。
本当の理由...それは
ミラーマッチで勝てない(/ _ ; )
自分で言うのもなんだがプレイスキルはそこそこあると思っている。
ただそこそこあるだけなのだ。
急遽組んだtier1デッキでもデッキパワーとある程度のプレイングでぼちぼち結果は出せるかも知れない。
だが、使い続けている強者とミラーマッチになった時は間違いなく練度の差で負けると思っている。
tier1デッキというのはパワーもそうだがやはり使用率も高いのもあってtier1なのだ。
シティリーグ規模の大会なら間違いなくミラーマッチは発生する。
そしてお互いの事故等ない限り、実力で蹴散らされてしまうだろう...
つまりtier1デッキは「握らない」のではなく「握れない」のだ。
ん?サーナイト?あれは別だ(╹◡╹)
かと言って握るデッキ候補がtier1デッキに勝てなかったら何の意味もない!
この時期のtier表だと
•tier1 リザードンex ロストギラティナ
•tier2 ミライドン サーナイト ロスバレ
最低でもこの辺りに勝てるデッキかつ
ミラーマッチが起きにくいデッキを探す必要があった。
そんな中で見つけたのが「インテウーラ」だ。
自分の調べではtier1,2に有利を取れるデッキであり、その当時使用率も低かったのでミラーマッチの可能性も低い....
まさに探し求めていた条件が全て当てはまってデッキなのだ。
「デッキは見つかった!後は使い方を教えてもらうだけ(`・ω・´)」
ケンパッパさんには何も言ってないが、勝手に弟子になる決意をした自分の気持ちは晴れやかだった。
part2 達人たちの見えてる世界
「本当に自分は恵まれるなー(*´ω`*)」
そう思いながらショップの階段を登っていた。
本当に恵まれている...
周囲の人、環境を考えるとそれ以外の言葉が見つからない。
ポケカを通してここまで人との繋がりが出来るとは正直思ってもみなかった。
1人の友人に誘われて始めたポケカ。その友人以外と対戦なんてした事なかったが、ジムバトルの参加をきっかけにケンパッパさんやチームメンバーを含めいろいろな人と交流出来るようになった。
しかも、知り合ったほぼ全ての人、年齢も下は小学生から上は親の世代の方までがむっちゃいい人だったのも本当にありがたい(*´꒳`*)
今ではプライベートでも仲良くさせてもらってる人も多い。
現在もそしてこの先も楽しくポケカをやれてるのは間違いなく周りの人に恵まれたからだろう。
そして環境もすごいと言わざるを得ない。
ポケカをある程度出来ると自負出来るのもその環境あってのことだ。
今回のように「○○を握ってみたい」となった時にその使い手が必ずと言っていいほど周りに居てくれる。
さらによく行くショップで仲良くさせてもらってるメンバーの実力もCLでDAY2に行く猛者、CLシニア部門準優勝の子、シティ優勝者や自主大会等で当たり前のように上位に行く人達ばかりなのだ。
その環境に身を置き、ポケカをさせてもらってるからこそ自分自身もある程度実力がつき、成績が残せるようになってきているのだ。
しかも、何度も言うがみんながみんないい人なのだ(T ^ T)
恵まれているとしか言いようがない。
階段を登り終え、ジムバトルの受付を済ませてデュエルスペースに行く。
ケンパッパさんはもう着いていた。
ジムバトル開始まであまり時間が無かったので軽く挨拶と会話をして一旦バトルの準備をする。
ジムバが終わったら
「れんげきに入門させてください」
と伝えるんだ!
そう改めて決意し、まずはジムバトルに挑む事にした。
この時使ったデッキは
「害悪騒音バクオング」だ。
ん?結果はどうだったのか??
それ以上は何も聞かない方が身のためだぞ!
ちなみにバクオングはこの日初めてジムバで使った。
第1章を読めばわかるだろ?
だから頼む....
惨めになるから聞くな!
優しさがあるなら察してくれ!!(/ _ ; )
自分の事などどうでもいい!
今日の目的はケンパッパさんに弟子入りする事なのだ!
この日は参加人数の兼ね合いで3回戦で優勝者が決まる。
迎えた3回戦目、割と早めに自分の試合は終わったので対戦相手に挨拶をして席を離れる。
そして周りを見渡す。「いた!」
ケンパッパさんは当たり前のように決勝卓に座っていた。
ケンパッパさんはインテウーラで参加していたので試合を見られるチャンスだと思い、決勝卓の側に移動する。
対戦相手のデッキは「リザードンex」
これは嬉しい。
仮想敵筆頭の対リザードンを途中からとはいえみられるのはありがたい!
「有利対面と言われている相手にあのケンパッパさんだ。さぞかしいい盤面を作り上げているだろう(゚∀゚)」
そう思って盤面を見る。
残りサイド数 ケンパッパさん4枚 お相手1枚
盤面
ケンパッパさん
手負いのインテV MAX インテV オクタン
お相手
元気なリザードンex2体 ネオラント ビーダル マナフィ(20被ダメ)
「やばくないか?(´・Д・)」
さすがにこの盤面にサイド差...
いろいろ考えてもケンパッパさんが負けそう。
ちょうどターンがケンパッパさんに返ってきたところみたいだが、後1回お相手は技を打つだけで勝ちの盤面だ。
しかもリザードンは2体とも無傷....
インテウーラの火力では倒される心配もない。
まあこれがポケモンカードだ( ̄▽ ̄)
有利対面といえど必ず勝てるわけではない。
有利な側からすれば悔しいかも知れないが、それもまた面白さとも言える。
「ケンパッパさんは今日は準優勝か...仕方ないよね。
とりあえずこの試合が終わったら話をしよう( ´∀`)」
そう思って振り返り立ち去ろうとした時、信じられない言葉が聞こえてきた。
ケンパッパさんがカード1枚引いた時だった。
「よし!」
と一言発したのである。
すぐさま振り返り盤面を見る👀
ケンパッパさんは少し考えているようだった(そういう風に見えた)
「ん?気のせいだよね?今『よし』って言った?嘘はダメだよ。いい状況なわけがないじゃないか!負けが決まったから悔しくておかしくなったのかい?
絶対に自分の聞き間違いだよね( ´_ゝ`)?」
ケンパッパさんは手札を確認し、頷いている。
その様子を見て閃いた!
「はっはーん!なるほどわかったぞ!ケンパッパさんは嘘や意味の無い事を言う人ではない。つまりあの『よし』には続きがあるはず。間違いない!
そうと決まれば話は早い。誠に勝手ながら弟子の私がその続きを見事に読み解き、答えを気になっている読者の方々にお伝えしようではないか(*゚▽゚*)」
ちなみにだが私にはもう答えはわかっている。なのでわからないであろう読者諸君にはきっちり順を追ってわかりやすく説明してあげよう( ̄▽ ̄)
こんな事で師匠の手を煩わせるわけにはいかない。
というわけで説明するぞ!
まずさっきも言った通りケンパッパさんは意味の無い事を言う人ではない。
ではあの『よし』の続きはなんなのか?
考えられるパターンはこの2つだ!
①「よし!勝ったorいけるぞ」
文脈として自然だがこれはない( ´Д`)y━・~~
自分も素人ではない!さきほど盤面の説明もしたがあの状況をたった1枚引いただけでひっくり返せるものか。否!無理だ。というわけでこの選択肢はない!
②「よし!(頷く)これは無理だor投了しよう」
そうなるとこれしかない!ケンパッパさんはとても紳士なプレイヤーである。そして勝ち負けなどをしっかり認識できるプレイヤーだ!
つまり今の状況は盤面を見て、カードを引いたものの負けを理解し、不毛な事はせず投了するか番を返すかを今から選択するところで間違いない(`・∀・´)
読者諸君もこの完璧な論理で理解してくれたものと思う。
ん?答え合わせをちゃんとしてほしい?
仕方がないな...まあ慌てるな!
どうせすぐ答えを言ってくれるのだから(^-^)
ケンパッパさん、いや師匠!
みんなには伝えましたがやはり直接聞きたいそうです...
欲しがってる読者に言ってやってください!
さあ、答えをどうぞ!!ヽ(´▽`)/
「エネルギー回収!ダブルシューター!ダブルシューター!手張り!マナフィにヨガループ!
(追加ターン)
ダブルシューター!ダブルシューター!メロン!手張り!キョダイレンゲキ!(ネオラント+ビーダル)
ありがとうございました!!♪( ´▽`)」
「えーー!勝っちゃったーΣ(゚д゚lll)」
し、信じられない。
あの『よし』の正解はまさかの勝つ方だったなんて...
あんだけ言っといて全然わかってなかった...
少しは「インテウーラ」の事はわかってるつもりだったのに...
ただただ恥ずかしい...
(注 書いてないだけでネストボールやれんげきサーチでポケモンを持ってくるプレイなどは問題なく行われてます)
試合後、なにを引いて『よし』になったのかを聞いてみると
「エネルギー回収です。山札を見ていくつか勝ちパターンはあったんですけどダイレクトで勝ちに繋がるカード引けたので声が出ましたね(^^)」
驚いた...
確かに今ではあの盤面の勝ちパターンは結果を見て理解はできる。理解はできるが...
エネルギー回収を引くだけでそこまで勝ち盤面を描き切っていたなんて( ゚д゚)
さらに別の勝ちパターンもあったというのも衝撃だった!
そして
「いやー、初手悪くて出遅れたのであんな盤面になっちゃいましたけど全然勝ち筋あったので(^-^)」
と語ってくれた。
「す、凄すぎる。自分には到底わかりもしなかった..
これがれんげきの世界...こ、これが
達人達の見えてる世界なのか((((;゚Д゚)))))))」
ジムバトルの全ての試合が終わり、結果発表も終わった。
自分は何かを悟った気がしてケンパッパさんに
「おめでとうございました。さすがでした!」
と伝え、
れんげき門下生になるために叩こうとしたその手をスッと心の中でポケットにしまい込み、カードショップを後にした。
part3 2歩進んで3歩下がる
家に着いて今日の事見た試合を振り返っていた。
今日感じたのはインテウーラのデッキの奥深さだ。
ネットで調べたり、YouTubeで見ていただけの自分にとってはかなり感動的でそしてその奥深さが楽しそうに思えた。
1つ1つ自分の中で出来事を消化をして、そして決断した。
「インテウーラはやめておこう....」
自分自身のプレイスキルやいろいろな事を天秤にかけての判断だ。
「いやいや、まだ使ってもないのにその結論は早過ぎないか?」
「練習してみてから判断したら?」
と思われるかもしれない。
実際この時点でまだシティリーグ本番までは3週間ほど時間はあった。
しかし、諦めざるを得ない理由があったのだ。
まずはプレイングの部分に関してだ。
今日のケンパッパさんの試合は途中から見ただけなので山札のリソースやトラッシュ確認などはしていない。
なので自分が勝ち筋に気がついていないのは仕方がない。
まして練度もない自分では当たり前とも言える。
練習を重ねればケンパッパさんのようにはいかなくともある程度しっかり勝ち筋が追えるかもしれない...
ただ時期は12月...
ここから3週間となると年末に向かっていく。
自分のスケジュール的にポケカの練習に充てる時間がしっかり取れるとはいえない状況だったのだ。取れてもいいとこ数日だろう。
限られた時間の中でしっかりと勝ち筋を追えるようになるほどプレイスキルが上がるかは疑問に思うところであった。
そして決定的な理由がもう1つある。
それが時間だ!
ポケカの対戦は基本的に25分間で行われる。
これは持ち時間制などではないためお互いのプレイを全て含めて、25分経ったら基本的には試合終了である。
そして時間切れになるとどうなるか...
両者敗北となるのだ。この両者敗北が本当にやばい...
シティリーグでは勝てば3点、負ければ0点で予選が進んでいく。
もちろん価値としては負け<勝ちなのは当たり前だ。
では両者敗北はどうなのか。
得点は引き分けではなく負け扱いなので0点扱いである。
そして価値としては負け=両者敗北ではなく
両者敗北<負け<勝ちの評価なのだ!
なぜこうなってるのかって?聞くな!
それがルールだ!!
とにかく時間切れだけは避けなくてはならない...
ただ今日の試合でケンパッパさんが言っていたように出だしが遅れても勝ち筋があるのがインテウーラというデッキだ。
デッキパワーがあるので慌てずに戦えば勝てる試合が多いだろう。
ただそれはあのレベルで使えてこその話だ!
インテウーラの達人達はダメカンの乗せ方、サイドプランをしっかりと頭の中で描き、淀みなくプレイをしていることだろう。
だが練習時間がまともに取れない自分ではシティ本番までにスムーズにプレイをする事は難しい...
どんな試合であっても勝ち筋は追うべきだ。
自分はそう思うし、そうでなくては勝てるようにはならないだろうとも思っている。
ただ時間切れしてしまうのは違う...
時間切れ両者敗北のルールがある以上本当に勝ちたいのなら、時間切れの可能性があるデッキをプレイすべきではない!
どんなに山に勝ち筋があっても時間内に終わらせられなければ何の意味もなくなる...
「インテウーラはすぱっと諦めて、違うデッキを探そう!」
苦渋の決断だった。
だがいい判断をしたと思う。
しかし状況をよく考えると良くはない...
新しいデッキ候補という希望がなくなった今、むしろ悪くなったと言えるだろう。
目の前は真っ暗だ。
希望の光は無くなり、どう前に進んで行けばいいかわからない....
前には進めない。後ろを振り返る...
彼らが寂しそうにこちらを見ている
「お、お前達(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
「いや、だめだ、だめだ!前を向かなくては( ゚д゚)
今日はもう寝よう。そして明日から気持ちを新たにデッキを探そう!」
そう思って布団に入った。
結果的にこの判断が良かった。
この3日後、運命の出会いを果たし
チームメンバー、周りのポケカ仲間、はたまた自分ですらも予想してなかったデッキを握りシティに挑むことになるのだが....
この時は誰も知る由もなかった。
第2章 終
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