だからきっと、来年も大丈夫。
2021年は、“就職”という形で働きはじめた、初めての年。
高校を卒業して、南の方の大学に入った。
雪国育ちの心と身体にその空気は少しあたたかすぎたのか
1年だけ海の生き物の勉強をして、帰ってきた。
自尊心はぼろぼろで、身体も心もしおしおだったけれど、家族はあたたかく迎え入れてくれた。
本当に、本当に、感謝しかない。
母のパン屋を手伝ったり、
故郷の空気を吸い込んだりして
心が充電されていくうちに
小学校の先生になりたい気持ちが芽生えて、通信制の大学に編入した。
その間、パンを焼いたり、町の診療所の薬局でお手伝いをしたり
教育実習に行った母校で支援員をやらせてもらったりした。
大きな別れもあったけれど
大学でも、診療所でも、小学校でも、それ以外の所でも
その別れに意味を持たせてくれるような出会いが、いくつも散りばめられていた。
いつまでも幼く、もろい私に
寒さに負けない根のはり方を、
雨風の中でも折れることなく、
ゆっくり息をするためのしなやかさを
教えてくれる人たちに囲まれていた。
社会人1年目と呼んで良いのかわからないけれど
そんな1年目。
空回りし続ける自分の不甲斐なさに
そんな自分のことでいっぱいいっぱいになって生まれた、どろどろとした感情に
何度も泣いた
そしてその度に添えられるあたたかなたくさんの手に
心を潤す豊かな時間をくれる人たちの存在に
何度も泣いた。
人との交流が限られる日々の中でも
1日1日を抱きしめたくなるような、
愛おしく、愛に満ちた時間に変えてくれる
ずっと前から知っていたような
そんな友人も与えられた。
渦中にいる時は、何も見えない。
その瞬間がどん底で
自分が1番しんどいという思いで
頭がいっぱいになる
でも、すべて用意されている
ちゃんと、最善の時に
最善のものが
用意されている。
私は身を委ねて、食べて、眠って
その日を
生きるのみ
それでいい。
それがいい。
今はそんな毎日が
たまらなく愛おしい。
だからきっと、
来年も大丈夫。
私も、あなたも、
あの子たちも
ちゃんと、大丈夫。
2021年のおわりに
愛をこめて