見出し画像

チョコレートと東大の彼

今まで丁寧語でしたが、今回は常体で。その方が書きやすくて。

少し遅れてバレンタイン。
クーベルチョコレートはカカオ比率50%〜70%だとカカオのほろ苦さと砂糖の甘みが程よい気がする。そんなことでチョコレート系のお菓子を作る時は必ず妥協せず、成城石井で買うと決めている。

家庭的なココアクッキーとトリュフを口にしながら、ふと昔付き合った彼氏のことを思う。

東大の彼

大学生の時、初めてちゃんとした彼氏ができた。

中学まで公立・共学で、野球部のちょっとした人気者に気まぐれ心で好かれたりはしたけれど、ちゃんとした彼氏、にはならなかった。
そして高校は女子だけの世界で、異性の世界は遠のき、憧れはあっだけれど大学受験の緊迫感の中、男子の友人すらまともに出来なかった。

そして、晴れて大学生。
たまたま友達になった男の扱いが上手いモテ女の彼女に誘われ、彼女と彼が幹事の合コンは、4対4の人生初めての合コンだった。

特徴的に右上唇だけが異様に上がってしまう話し方、人を少し試すような知識クイズを出す、東大4年生だった。
その時、私は18で大学1年生。これから東大の院に進むという彼は、よくわからないけれど、英語と自分の専攻(工学部電子工学科?)に夢中で将来もしっかり見据えてキラキラしていた。

どういうふうに段階を踏んで親しくなったかは曖昧だが、後から知った話だが、彼はモテ女に振られ、モテ女が〇〇ならいいんじゃない?と私をあてがったらしい。
そして、素直な彼は私に連絡してきてデートをした。私は団体戦より個人戦の方が得意なタチなので、彼は私に興味を持ったらしく、徐々にデートを重ねて3回目で告白された。
3回目の告白とはまんざら嘘ではないと思う。

彼は私と結婚したい、と言ってくれた。
でも、私は結局、東大マジックにかかっていただけで、自分を上げるステータスの一部としてしか彼を好いていなかったのだと思う。

ただ付き合ったきっかけはさておき、彼は私を愛しているといい、私は初めて赤の他人にそんなことを言われて震えた。
そんな今の夫と出会う前の彼の話。

今、彼は何をしているのだろう。Facebookなどを検索すればきっと何かしらのことはわかるのだろう。彼は私を思い出すのだろうか。

私は、いつか娘に話すのかな、なんて思う。
家族でも話さない過去、秘密はある。
秘密はあっていいと私は思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?