タイトルは『変わってしまった自分』【2】
まさか自分が。。脳出血で、右手足麻痺と重い失語症になって言葉が一切喋れなくなるとは。
たった一日で、すごい変化をしてしまった自分。
医師は、脳出血の原因は、わからないと言うけれど、私にはわかっていた。
その頃、日常で相当なストレスが掛かっていることは、わかっていたけれど、まさか、それが脳にダメージを与えることになるとは。
『あー、やっちゃったな』
眠りから覚めた次の日、最初に出てきた言葉。
だけと、失語症のせいで、言葉に出しては、言えませんでした。
歌手だったのに、ピアノも弾いて仕事をしていたのに。
最初の緊急入院後の救急病棟にいた2週間は、嫌でも、変わってしまった自分と向き合わなきゃいけない時間。
まずは、
失語症に関して、こんなことがありました。
私の担当らしい若い男の看護師さんに、
『清水さん、右利きですか?左利きですか?』と聞かれ、失語症のせいで、『その言葉は聞いた言葉はあるなー』というレベルで、首を傾げるばかりの私。
『右手』と『左手』は分かるけど、『効き』の部分が全くわからない。
そのうち、はい、いいえがごちゃ混ぜになって、頷き続けていたら、元々は左利きの人と勘違いされて、食事の時にスプーンやフォークが出されず、お箸しか出されなくなって、左手では食べる事がてきずに、とても困りました。
失語症は、『はい』の時には首を縦に動かす事を、わかっていても、理解してから、ようやく首を縦に振る事ができるので、フリーズ状態になってしまうのです。
質問者は、失語症の人は、全く理解が出来ないとみなして、すぐ聞くのを諦める人が大半です。
『はい』の時に首を縦に振ることすら、物事を理解するのに時間がかかって、逆になる事が、多かったです。
特に、『どちらですか?』という質問に対しては、ものすごく労力を使い、考えることをやめてしまって、質問者は、『この人は、知能も劣っているんだろう』と、赤ちゃん言葉で話をしてくる看護師さんも、沢山いました。
失語症の戦いとの他に、頭痛との戦いは、壮絶なものでした。
出血直後は全然感じなかった頭の痛み。
入院2日目には、尋常じゃない頭痛だったので、痛み止めを更に強い物にしてもらったところ、入院3日目に、痛み止めのセイで
私の心臓は、15秒止まったそうです。
その時の感覚は、
痛み止めが効いてきたなという感じて、でも頭の奥底では、ものすごい頭痛だなーと言う事を薄っすら感じていました。
そんなことを感じている時、このままだと、
貧血になって意識が飛ぶのじゃないか、と思っていたら、
次の瞬間、目を開けた時には、病院中の医師と看護師がみんな集まった感じで、みんな慌てているので、『何があったんだんろう?』と思いました。
後で聞こえてきた言葉は、私の心臓が一瞬、止まったということ。
でも、怖さは感じなかったです。
それよりも、医師も看護師も相当若い方達ばかりで、それの方が私の不信感が増していきました。
案の定、点滴をすぐ刺せるようにと、作ったものが、処置された時に痛くなって、でも言葉では言えず、
『この刺し方、違う!』と怒ってウーウーとうなってみました。
でも看護師さんには伝わらず、
怒る私に対してみんなで、『大丈夫、大丈夫』と言いながら、笑っていました。
後で、リハビリ病院に転院した時に、私のあまりに多い、失敗した針の跡を見て、これはひどすぎると、私の傷跡を見る度に言われたので、『そうでしょう。私もおかしいと思ってました』とまだその時も言葉に出しては言えなかったのですが、そう思っていました。