知らない人んち:青色編2話
「知らない人んち」第1話からの続きです。
<あらすじ>
女子部屋を出たきいろに爪でひっかく音が聞こえる。続いて鳥が羽ばたく音。暗室に入ると男性(濱津隆之さん)がゴム手袋をバタバタさせ録音している。この家は「フォーリー」アーティスト集団で男は部屋に籠って作品を作っていると言う。
家の中ではアクに指示されキャンとジェミがきいろを襲う準備を進める。アクは「人が死を感じた時の声」を撮りたいと考えていた。
〇2階廊下
女子部屋から出るきいろとキャン。
きいろ暗室から音が聞こえるが聞こえないふりをする。
〇和室
カメラを回し暗室に向かうきいろ
〇暗室扉前
きいろが扉を撮影している。
きいろ「どー見ても怪しいこの部屋。この奇妙な音はなんでしょう?」
爪のひっかく音に続き、鳥が羽ばたくような音が聞こえる。
きいろ「音が変わりましたね。何か動物がいるのでしょうか?」
(フラッシュ)
× × ×
空の犬小屋
× × ×
きいろ「未知の生物かもしれません。では、さっそくいってみましょう」
扉を開け中に入る。
〇暗室・内
カーテンが閉め切られ、壁には防音材が張られている。
きいろ「なんでしょう?ここは?」
男の声「誰だ!」
きいろがカメラを向ける。
マイク前でゴム手袋を持って立つ男性(濱津隆之さん)
きいろ「何してるんですか?」
男「何って、鳥の音だよ」
男、ゴム手袋をバタバタさせて鳥の羽ばたく音を出す。
きいろ「何してるんですか?」
男「だから」
また、バタバタさせる。
きいろ「いや、それは分かったんですけど」
男「じゃぁなんだ?」
きいろ「何してるんですか?」
男「お前、俺をバカにしてるのか?」
きいろ「あ、じゃあ何のお仕事してるんですか?」
男「俺はフォーリーアーティストだ」
きいろ「ふぉーりー?」
男が事情説明。
この家はフォーリーアーティスト集団の集まり。
男は1人で作成するが他の3人は協力して撮っているらしい。
きいろ「だから変なものが多かったんですね」
男「犬を借りてきて泣かせてみたり、三輪車を回す音だったりな」
きいろ「なんだ、そんなこと」
きいろN「え?でも、それならキャンさんはなんで嘘をついたんだろう?」
〇リビング
アク、ジェミ、キャンが話している。
机には部屋の見取り図。あちこちに赤いバツがついている。
アク「これで最高の音が撮れる」
キャン「まさに本物の音ね」
ジェミ「……」
興奮ぎみの2人。
ジェミだけ静かに考え込む。
〈終〉