見えない電気に目を向ける.講演会@いわむろや ふりかえりレポート
(読了時間:約15分)
当イベントが立ち上がった背景
目に見えて電気代が上がっている今日この頃。ともやも多世帯住宅(?)ということで、東北電力の請求書とにらめっこしております。
でも、そもそも自分の生活に必要不可欠な「電気」について、僕はあまりにも知らなすぎた…。僕はいったい何にお金を払ってて、何にこんなに悩まされているのだろう。節電・省エネ・時短で頭を悩ませるよりも前に、あるいははミニマリストになる努力をする前に、自分が何にお金を払っているのかを明らかにしたかった。これから生きていく上で切っても切り離せない「電気」について、これからを生きようとする学生として、あるいは今、家計に苦しめられている一人の住民として、どうしても納得したかった。
この悩みがイベントのきっかけでした。
もう一つのきっかけ
岩室温泉地域を舞台に活動する団体・企業があります。それが「おらって市民エネルギー協議会」と「自然電力株式会社」です。前者は太陽光パネルを主とする再生可能エネルギーについて、各地で教育・普及を行う市民団体です。一方で後者は、地域の文脈と現状に沿う形でソーラーパネルの事業を地域住民と実現していく企業です。(詳しくは調べてみてネ‼)
そんな岩室温泉地域を舞台に活動する異業種の団体が一堂に会する場があります。それは「にしかん地域循環共生圏協議会(以下、協議会)」です。定期的な情報交換をもとにそれぞれの得意・不得意や、やりたいこと・応援したいことを提供し合い、地域内のさまざまな活動創発の促進を試みる会です。会議は定期的にいわむろやの伝承館で行われています。地域の方の飛び入り参加も大歓迎な場です。(詳しくは調べてみてネ‼)
今回は、そこで出会ったおらってと自然電力(以下、それぞれ敬称略)の若者が名乗りを上げ、実行委員会を結成しました。
その背景は以下のようなもの。協議会のような明確なプロジェクトを持たずに交流を目的とするコミュニティは、住民主体の地域活動が育まれる可能性を持ちえます。しかし一方で、地域という抽象的で中途半端な枠組みに囚われるあまり、肝心な”主体的に動くプレイヤー”が出現しずらい特性もあります。そのため、実質的な活動がなかなか生まれません。なぜなら、その場には何の強制力も、報酬も、展望・見込みも、具体的なプロジェクトもないからです。自身のこれまで通りの生活を削ってまで地域のために何かをしたい!と名乗りを上げる人は果たしてどれほどいるのでしょうか。人はある程度の打算や利得があって、初めて自身の生活を改め、主体的な活動をするのではないでしょうか。
協議会も例外ではなく、多少なりともそのような状況があります。なので、今回の企画はあえて地域、あるいは何かのためではなく、「自分たちのために」という有志の姿勢を貫いて臨みました。
今回の僕らの目的は
①電気についてのリテラシーを高めたい。それも暮らし・生活の視点に沿ったものを知りたい。
②自分本位なイベントを企画することで、協議会が求めるであろう主体的な活動の先駆けとなりたい。そして、次の動きにつなげたい。
というものでした。
前置きが長くなりました😓
ここからは、企画の準備段階と当日のレポートになります。
重ねるzoom会議、意外にも進捗は順調
構想が始まったのは6月のこと。最初は自然電力の新入社員である後藤さんと共に、協議会の現状とあるべき状態、そしてこれからやりたいことについて話していました。そのうちにお互いの問題意識を確かめ合い、イベントを打つことになりました。その後、もう一人の共同主催者であり、おらってインターン生でもある吉川さんが合流しました。
イベントの内容は僕の問題意識・疑問をより生活者一般の視座に沿わせ、それに答えていくような内容にしました。さすがは電力関連のお二人、いち生活者の僕が知らなかい電気の知識をわかりやすく説明できるだけの経験を持っていました。対して、僕は自給自足を通して生活と社会を見つめる者として意見を交わし、生活者の視座を討議に織り込みました。それぞれが持っているモノと持たないモノを共有しあい、素晴らしいものができると期待度を高めました。
ちなみに、どんな講演内容だったの?
ここで講演内容の詳しい説明を。
生活者の視点から電気を見つめ直すこの企画。テーマは、見えない電気がどのように私たちの生活と結びついているのかを、家計に直結する実践的でミクロな視点と、電気を取り巻く社会構造に焦点を当てる理論的でマクロな視点の2つから紐解いていきました。
一つ目のミクロな視点。
自分がお金を払って利用している電気はどのような仕組みなのだろうか。極端に言うと、「電子レンジをつかうとどのくらいお金がかかるの?!」というようなシンプルな疑問に答えていきました。A(アンペア)・W(ワット)などの基礎的な知識や、東北電力の明細書に書いてある再エネ賦課金についてなど、家計に直結するけれど意外に何も知らない電気の仕組みについて話をしました。
そして、もう一つのマクロな視点。
電気に関連する社会的な事象が家計にどのように影響していくのかを深めていきました。高騰していく化石燃料と電気代に始まり、現代社会の電気の欠点、そしてこれからの社会に求められる電気と家計・電気と地域の在り方を講演しました。
また、おらって・自然電力が得意とし、これからの社会を牽引する太陽光発電に一貫してフォーカスを当てました。実は、ウチのシェアハウスにもソーラーパネルがあります。昼間の消費電力がだいぶ削減されています。イベントではルームツアーを生中継して実際にパネルがある現場を見ていただきました。(とも家の紹介もしました。笑)パネルのあるいち家庭の生活を概況することで、リアリティを持ってもらうことに試みました。
しかし、広報は後手後手に…
話は戻り、段階は広報の準備へ。
企画立ち上げ当初は順調でした。しかし、それぞれの仕事・生活がある中でイベントの具体性はなかなか深まりませんでした。そして、いつのまにかあれよあれよと夏休みに…。チラシができないままお盆に突入…。冷や汗と苦笑いを浮かべながら、久々にお盆明けのミーティングで一同が会しました。😇チラシができたのがちょうど一週間前、こっから急いで広報に移りました。
大変だったチラシの全世帯ポストイン
岩室温泉の約250世帯すべてにチラシをポストインして回りました。理由は、協議会があるのが岩室温泉であること、そして今回のイベントが生活者の視点であることから、岩室温泉地域の方々には是非とも来ていただきたかったからです。まだ茹で上がるほどの残暑。時間帯を5時起きの早朝と夕涼みの頃に合わせて、自転車で奔走しました。そして、シェアハウスの寛和も手伝ってくれて、何とか配り終わりました😓
そして、いざ当日!結果は…?
来場者数に心労して臨んだ当日。結果は…
約15人ほど来てくださりました🙆
前日はとも家で実行委員会が集結し、最終確認を何度もしました。行ったプレ発表の出来栄えには思わず感嘆してしまうほどでした。プレゼン担当は後藤さんと吉川さん。自分が抱いた問題意識に対して適当でわかりやすいプレゼンを用意してきてくれました。思い切って信頼し、その期待に応えながらも予想を上回ってきた二人には感謝が尽きません。
さらには、国際情報大学で教鞭を執りながらもおらっての代表でもある佐々木寛先生からも講演いただきました。内容は「西蒲・岩室地域の「電気」の未来-エネルギーの地産地消-」と題して、電気をはじめとする生活に必要不可欠なものを地域内でなるべく自給する社会の在り方について。そんなこんなで、内容も自信満々。講演会はとても充実しました。実際にその後のアンケートでも満足度が非常に高かったです。
まとめ
このように「見えない電気に目を向ける」講演会・勉強会を共同で主催しました。目的として挙げていた二つ。
①電気についてのリテラシーを高めたい。それも暮らし・生活の視点に沿ったものを知りたい。
②自分本位なイベントを企画することで、協議会が求めるであろう主体的な活動の先駆けとなりたい。そして、次の動きにつなげたい。
①はだいぶできたと感じています。もちろんなにからなにまで理解したわけではないですが、協議会で出会えた3人でまた楽しいことを企んだり、電気について深めることはできそうです。
②自分本位なイベントを打つ点では申し分ないのではないでしょうか。その点、逆に言えばこの取り組みは「気分次第」です。何も無理に続けることではないと考えています。次の動きにつながるか、それはこれからの協議会(と後藤さん笑)に依るかなと思います。
今回の振り返りはこのぐらいにしようかな。共同主催の3人とはこれからもなにかやるかもしれません笑