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~初めてのキスの代償~伝染性単核球症

キス病という悲しい名前がついているこの伝染性単核球症について解説していきます。

伝染性単核球症とは


EBウイルスというヘルペス属のウイルスが免疫細胞のうちの1つである「B細胞」に感染し、感染細胞の排除の為に免疫、炎症が起きることで発症する疾患です。
※ちなみに「EB」という名称は、発見者であるEpstein-Barrの名前に因んで付けられています。

感染経路


EBウイルスは人に感染すると「伝染性単核球症」を発症します。
伝染性単核球症は唾液により感染するためkissing disease【キス病】とも言われています。

症状


EBウイルスは3歳までに約80%が初感染を受けるが症状が出ない不顕性感染に終わることが多い一方で、思春期になってから初感染を起こすと伝染性単核球症を発症しやすいと言われています。
感染してから発症するまでかかるいわゆる潜伏期間は4~6週間と長めです。

伝染性単核球症の症状としては
・38℃以上の高熱
・リンパ節腫脹
・咽頭炎、咽頭通
の3つが主な症状として出現します。

検査法・診断法


上記のような症状が認められたらまず血液検査を行い血液中にウイルスに感染したB細胞の増殖を抑制するために出現する「異型リンパ球」や白血球の上昇が認められれば
EBウイルスに関する抗体を測定する(抗VCA-IgM抗体、抗VCA-IgG抗体など)ことにより診断されます。

治療法


EBウイルスには特効薬がなく、自然治癒に任せています。
重篤な場合には抗ウイルス薬を使う場合がありますが、先に述べた通りEBウイルスに対する薬はないのでEBウイルスに近いヘルペスウイルス、サイトメガロウイルスに対する薬がEBウイルスにも使われます。

まとめ


伝染性単核球症は発症すると長い間高熱が続く大変な病気です。
大人で感染すると「まだそういう経験なかったんだ」などと思われてしまう
(当院の研修医も最近これにかかりみんなから言われていました)
悲しい病気でもあります。感染経路が特殊な為その人の最近の行動など詳しく聞けば比較的わかりやすいとも言えます。

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