友人の話をしたい
先日、友人の結婚式に参列した。
大切な友人の結婚式だ。
出会ったのは大学一年の時。同じ寮に住んでいたため、入学前から顔は見たことはあったが私は1階、彼女は4階に住んでいたため、特に話すこともなく本当に顔を知っている程度であった。
ある日、学校から寮に帰宅する道で道路を挟み、向かい側から彼女が歩いてきていた。
何をそんなに面白いことがあったの?と問いかけたくなるほど大きな声で笑っており、一気に興味がわいた。話してみたい!と思った。
初めて話しかけたのは約1ヶ月後。
人見知りである私は、なかなか話しかけられずにいた。
そんな時、寮のイベントで寮生が食堂に集まる機会があり、彼女が私の前に座った。
話しかけるなら今しかない。頑張れ自分。
ただ、何を話せばよいのか全く分からない。こういう時、
素直に「ずっと話してみたかったんだー!話せてうれしい」なんて言えちゃう人は本当に羨ましいし、人生得していると思う。本当にそう思う。
そこまでダイレクトに言わずとも、「話すの初めてだよね?名前なんて言うの?」くらいのありきたりな言葉を言えるあなたも人見知りと名乗るにはまだ不十分だ。
私の場合、話したいがためになんだかそわそわして落ち着きがなくなる。
それが相手にも伝わり、気まずい空気が流れる。そうしてその気まずい空気に耐えられなくなり、私はあなたに1ミリの興味もありませんよ、というような表情と態度を醸し出し、逃げ体制に入る。結果、不愛想で物静かな私が誕生するのが一連の流れである。
仲の良い友達から、第一印象とのギャップがすごいといわれるのはこのためだ。大いに自覚がある。
だがしかし、今回ばかりはそうなってはいけない。
自分からこの人と友達になりたい。そう思うのはかなり珍しいことだった。不愛想な表情になる前に何か話しかけないと…でもどうしよう
「そのティッシュ、いいよね!」
我ながらうまい入り方ができたと思った。手元に置いてあった鼻にやさしいティッシュ。目に見える共通の話題をチョイスした。
「う、うん、いいよね。びっくりしたー。いきなり何かと思ったらそのティッシュいいよねって言われた笑」
そこで改めて認識したのだが、彼女はとにかく声が大きい。これは旦那さんからの第一印象にも書いてあったので、ゆるぎない事実だ。周りのみんなを巻き込むすごい才能ではあるのだが、みんなに注目を浴び、何度も大きい声で話をするのでかなーり恥ずかしい思いをした。それから語尾に「笑」を付けさせていただいたのだが、この「笑」はとんでもなくでかい声だ。爆笑と笑の間くらい大きい。
こんなことなら話しかけなければよかった…その時は本気でそう思った。
しかし、のちに彼女に聞くと、実は彼女も話したいと思っていたが話しかけられずにいたらしい。なんだ、じゃあ私のほうがまだ人見知りではない気がするし、勇気をもって話しかけたのに恥ずかしい思いをして、いいことなかったと思ったが、今の私は話しかけてくれてほんとうにありがとう、と当時の私に伝えたい。
そこからの私達の距離の詰め方はとても速かった思う。
一度勇気を出してしまえば、話をしてしまえば、私達はとても相性がいいことに気が付いた。
#社会人4年目 #エッセイ#日記#久々投稿#続く