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7.石が結んでくれたもの

30歳の冬、ランチしていた
親友の腕に光る石たちがキラキラしていた。
パワーストーンのブレスレット。

「それ、どこで買ったの?」と尋ねると
鎌倉にあるパワーストーンサロンを
教えてくれた。

ずっとパワーストーンには興味があって、
一度ブレスレットを作ってほしいなと
思っていたところだった。

そのお店は占いも一緒にやってくれて、
お代は石代で、というシステムのよう。

次の休み、早速鎌倉へ向かってみた。
たくさんの石に囲まれた部屋で
とても綺麗な空気に満ちていて、落ち着いた。

紙を渡されて誕生日と氏名、
あとは彼氏や友人など気になる人の分も
書いて良いですよと言われた。
九星気学と言う占いのようだ。

占い師さんが来て、
何やら易の本のようなものを見て
開口一番言われたのが

「あなた、婦人科系大丈夫?」

「……???」
婦人科系…生理はちゃんとしすぎるくらい、
毎月ちゃんと来てる。
生理痛もそんな酷くない。
下腹部近辺が痛いとか、そんなのもない。

「大丈夫…だと思うんですけど…」

考えたことがなかった。
言われるならメンタルの病気のことかと
思ってた。

その後占い師さんに何を言われたかとか
もう忘れてしまったのだけど、
とにかくそのことが頭を離れなかった。

翌日出社して、福利厚生について調べると
当時勤めていた会社が30歳から
人間ドックの補助をしてくれることを知った。

早速申し込んで、
初めて婦人科検診を受けた。

結果は、要再検査。
CTやMRIなども撮って、
出た診断は「卵巣のう腫」だった。

「卵巣のう腫」とは
子宮の左右にある卵巣に、液体の入ったしこりができた状態。

Wikipediaより

卵巣が腫れてしまっていて、
2つある卵巣のうち2つとも
卵巣は残しつつ悪い部分の
切除が必要とのことだった。

「今すぐ急いで手術しなきゃいけないほど
ではないけれど、1年放置しておくわけには
いかない」主治医からの言葉。

生まれて初めての手術。
生まれて初めての全身麻酔。
とても緊張したけれど、
麻酔のすごさを知った。

麻酔医「冷たいの来たら、眠くなって
起きたら終わってますから」ほんと?と
思ったけどその通りだった。

結果は成功。
両卵巣にのう腫はあったものの
悪い部分だけを取り除く事ができたため、
きちんと生理も来ている。

術後の経過も良好で、再発する事なく
定期的に検診を受けながら
もう10年以上の日が流れた。

自分の体の大きな不調を知らせてくれた
占い師さんに感謝します。

#あの選択をしたから

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