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書字・読字・計算に困っている子どもたち③※※「丁寧に書いているのに・・・書けない気持ち」※※
一般的な理解能力や生活能力などについては特に困っていないのに、
読み書きや計算に困難さを持つ子どもたちに出会ってきました。
発達性ディスレクシア、学習障害(LD)
境界知能(IQ71~85未満)等、関係機関から診断されている子もいない子もいます。
支援学級か通常学級か、インクルーシブ教育か分離型個別支援か・・
色々な話題は尽きないですが、
学習方法が合わないために、
授業のスピードや教科の理解に困難さを抱えている子どもたちです。
困難さの理解と、学習方法の工夫と配慮で
気持ちよく学び合える道筋を見つけられないのでしょうか
週3日ほど
書字・読字・計算に困難さを持つ小1児童とのオンライン学習を始めました
Qちゃんの困り感とがんばる姿から、支援の在り方を考えていきたいと思います。
1月 がんばりすぎは心配!
① 第2週
(宿題は、算数プリント・漢字ノート・音読・(自学ノート)
〇繰り下がりの計算20問
・さくらんぼ計算ですが、その数字を書くことに苦労しています
〇100までの数
・10ずつ数えて丸で囲むのが大変でした。(まるを書くのが苦手!)
10がいくつ、1がいくつは理解できるのですが、
10の位 1の位と言葉を変えると迷います。
② 第3週
(宿題は、算数プリント・漢字ノート・音読・(自学ノート)
〇かたかなプリント、100までの数が毎日続きました
・時には、プリント直しも宿題に加わります。
・100までの数は先生が赤ペンで教えてくださった3箇所、後は未記入。
未記入ですが、合格スタンプがありました。はてな??
記入してないところは、家でプリント直ししました。
〇漢字の成り立ちの絵と漢字を・点から・点までの2点間を結びました。
・自信があるので「一人でやる!」と言いました。
・勉強の後、楽しかったと母に言いました。
Qちゃんは、毎日、毎日、30~45分ぐらいかけて宿題をします。時には1時間もかかります。書くことと計算に時間がかかるからです。
お友達は、15分ぐらいで終わっていると思います。
週3~4回のmaruko先生との勉強を
「やりたくない」とは言いません。
「maruko先生の勉強は好き! だって、答えを教えてくれるから!」
と、言います。
そんなに、おりこうすぎていいのでしょうか。そんなに頑張り過ぎていいのでしょうか。がんばったから楽しかったは本当だろうか・・
頑張らせ過ぎてはいないだろうか・・maruko先生は心配です。
③ 第4週
火曜日のことです。
「まだ、帰ってきていません」と、ママからの連絡あり。
近くのお友達の家によっているようです。GPSでわかるそうです。
ママには申し訳ないけれど、maruko先生は ほっとしました。
これが、1年生だよね。
オンライン時間に合わせて、さっさと帰ってくるのに疲れる頃です。
この日の 勉強は5時から変更しました。
宿題を5時30分までした後、自学を自力で自学ノートに数字の練習をしている様子をママが送信してくれました。真剣な勉強姿勢でした。
次の火曜日も
「遊びに行くと言ってきかないのですが、時間変更大丈夫ですか?」
と、ママ
火曜日の予定について検討し、3択で幅をもたせることにしました。
①3:15 ②5:00 ③自分でする
・友だちと遊ぶ約束をしたときは「時間をかえてください」と連絡する
・maruko先生と時間が合わないときは、ママと一緒にする
④ ある日の学習の様子
宿題漢字は「うち中、いえに入る、名まえ、夕がた、五百円」
・何度も何度消しては書き消しては書き
「丁寧に書きたいんだ、オレ」
音読「深呼吸して読むね、」と、2,3度・・
初めての言葉・・何かあったのかな・・
まだまだ、母ががそばにいないと母を追って離席します。
母がそばにいないと不安です。計算が不安なのです。
気分転換に椅子の上に立つことは、ありません。
宿題が終わるまで頑張りとおしています。
2月 レジリエンス
① 算数
宿題が終わった後、maruko先生問題を2~3問だす。
問題の数は少ないが継続は力なり!
10+5 20+5ができるようになってきた!
「ぼく、計算が得意になってきた」と声が弾む
35+2はむずかしいんだよね。5+2をして30と合わせるのが難しい
数を順序数としてとらえるのは上手になってきたが、
数を量としてとらえることが難しい。
10とび、5とび、10がいくつ1がいくつ
100玉そろばんで2位数をだす練習
99の次は100と教える
① ある日の かたかな
”かたかな”は漢字より書きやすい!
レ・・よっしゃー、うまく書いたぜ! ホ・・書けたー!
ネ・・書けずに大泣き
5分後・・maruko先生!泣き止みました!
「エネルギーがでてきた」
リ・・6回書き直し カ・・よっしゃあ、うまく書けた
エ・・よく書けた ル・・よっしゃーっ うまく書いた
ミ・・よっしゃ、書いたー!
② ある日の かたかな
”集中しています”と、母
時間前から、かたかなプリント始めている
ス、ツ・・一画一画を「こう・・こう・・といいながら・・
ミ・・こうだ! よっしゃ、また書いたぜ。
よおし、全部できた!
時計プリント 〇じ〇ふん左側に4問 右側に5問
・・数字を5回も書き直して「きれいに書けた!」
③ 漢字(土よう日、糸車、目玉、村へいく、下りる)
縦線が難しい、土の上少しだけ出す縦線が難しい、苦戦なり!
糸車も車に超苦戦!
いつもはなぞりを頑なに拒み、自力にこだわるだが
本日はなぞるをOKとした。よっぽど難しかったんだね
次の日
漢字の途中で、母は弟のお迎え
maruko先生と二人だけで漢字の続き
消すことなく「まあ、いいね」とつぶやいて続けた
土よう日、糸車、目玉、村へいく、下りる
村を書いて「大丈夫!」
下りるに読みがなをつけて「おだけ、これは!」
④ 数字
数字は10に悩む、
0は大きくなりすぎる 1は長くなり過ぎる
書いては消し、書いては消し・・・おかげで6が上手にまるまってきた
⑤ 悔しい気持ち
帰宅直後、時計のテストがうまくできなかったと大泣き
悔しかったねとママに慰められた。
毎日毎日、時計の宿題があった。
B4用紙に時計がいっぱい! 目が回りそうだった
時計を読むより、数字を書き入れるのが大変だった
( )に収まり切れないと何度も書き直した
こんなに頑張ったのに、思い通りいかなかったテスト!!!
そりゃあ、泣けるわ~
ママもmaruko先生も同じ気持ちだよ!
待ってるよ~
気持ちを切り替えられるまで、待ってるよ~
20分後、「泣き止みました!」と、
笑顔を見せて宿題にとりかかった。
これからも出会うであろう「困難を乗り越える力」、
「気持ちを上手に切り替えて、次の一歩を踏み出す力」、
「しなやかに回復できる力」を育てるために、
Qちゃんは頑張っています。学校の勉強を上手に生かして!
3月 できるようになったことは、がんばれる
① 色板は嫌い!
1週目 ㈫~㈮まで学校閉鎖となり、
次週明けたら 毎日毎日、宿題どっさりになりました!
算数の宿題が今までのが2倍になりました。
加えて、算数は
図・線・点を注意深く見なくてはならない
「かたちづくり」の勉強が始まりました。
色板の数を数えるのはOKですが、
方眼紙に描かれている形の影から三角形の数を調べるのは苦手です
ドット・・・の用紙に形を描くなんて 超難しい。
ママは「この・点と この・点を結んで線を引くのよ」というけれど、・・がいっぱいあって見にくいのです。
自分の力でやりたいのに、やれなくて・・・
「色板がいや」と泣き叫びます。
まってるよ~、まってるよ。
だいじょうぶ!待っててあげるから。
やっとです!
不機嫌なれど、気持ちを切り替えて無事終了
maruko先生が「斜めの線は定規を使うのが超便利!」
と、言ったので線は定規で引きました。
maruko先生は、
さりげに、5月教材の「長さ」の勉強を加え
そして、定規で線を引く動作は大丈夫なことを確認しました。
困ったことも、苦手なことも、
工夫次第で次のステップにつながることもあります。
② 得意になったこと、苦手なこと
計算カードの宿題がある日は、きまって
「計算カード忘れてきました!かわりにmaruk先生問題お願いします」
っと、言います。maruko先生は「はい、いいですよ」と応えます。
かたかなプリントは持って帰ってくるのに、
計算カードは学校に忘れてきます。なぜでしょう。
きっと、計算カードはいやなのでしょう。
maruko先生の計算問題は大丈夫のようです。
③ ある日の宿題
![](https://assets.st-note.com/img/1714806376059-vIlkiINjg3.jpg?width=1200)
今日の宿題は 「かたかな」 ア~ンまで51文字、
51文字・・ 多いなあ~ まるこ先生は 心の中でつぶやく
Q「まるこ先生、こんにちは~、きょうはねー、かたかなでーす」!
「しゅくだいは かたかなと けいさんカードだけど、
けいさんカード 学校に わすれてきたからー じがくをしまーす」
※計算カードを忘れてきたから、自学するのね、それも いいかも!
忘れてきたなら 代わりに他のをやればいいものね!
自学は数字書きたいとのこと、
100まで数えることがスムーズになって、書きたい気持ち十分
maruko先生問題も最後に、2問ぐらいなら入れてくれる
B4用紙 かたかな五十音
「あいろんのア ・さらだのサ ・こーひのヒ ・よっとのヨ ・ころっけのコ」 読みながら書いていきます。
今度は2行目だねえ! 「イ・ケ・ト・ラ・ソ」
順調に進みます。
3行目
「ウ・メ・ヘ・チ・マ」
メを1回書き直し・・ノ書いてちょんだよ~母の声
「へは ひらがなのへとおなじ?(そうそう、似てるねえ)
途中で、気になる文字があると何度も消して書くけれど、調子がいいときはこんな感じ!かたかなにも慣れてきたみたい!
④ 音読もすっごく上手!!!
maruko先生がさき、Qちゃんあとで、追い読み練習、
2人で一文交代読み、自信がもてるようになったら
「一人読みする」と言います。
教科書の文章を目で追うことは難しいけれど、そらんじています。
情感たっぷりです。目線がそれないように、ママが行を指さしてくれます。
一人でやるのは、もう少しあと! あわてない、あわてない!
お話の内容は、しっかり捉えています。
![](https://assets.st-note.com/img/1714362852370-cszbGWyQCz.jpg?width=1200)
⑤ 先生、テスト4枚帰ってきた!
3月21日
弾む声!にっこにこ!!
横から、ママが「75点のテストもあったよねえ」
漢字5問小テスト100点(文字・左手・一年生・力・玉入れ)
漢字のまとめテスト78点、 引き算の文章題75点、 色板テスト50点
テストの報告は、初めて!
そういえば、2学期のテストには点数は付いていなかった。
先生は、点数をつけることができなかったんだと思う
いろいろ、いろいろあって、たいへんなこともあったけれど
3学期は、お休みなしで、通学班で学校に行けたのです。
宿題を一緒に気持ちよくやれてよかった!!と心から思いました。
ママは、
「様子をみながら少しずつですね」
「あせらず、ゆっくりですね」
と、自分に言い聞かせながら、確認しながら
Qちゃんに寄り添っています。素晴らしき母!!
でもねえ、新しい学年!
4月のQちゃん、ストレスいっぱい!!
どこの家の お子さまも一緒だよね
みんな~がんばれ~!
がんばりすぎないように、少しずつだよ~!!!