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香港の家庭が明日の旧正月にむけて準備すること

明日2025年1月29日は旧正月になります。私は香港に住む前、旧正月には全く興味がわきませんでした。横浜の中華街でバイトしていた友達に教えてもらうぐらいで。香港に住むようになりびっくりしたのは実はアジア圏では旧正月を祝う国のほうがずっと多いということでした。祝うのは中国、台湾、韓国、シンガポール、ベトナム、マレーシア、インドネシア など。中華圏の影響の強い中国系住民の多い国です。日本は旧正月を祝わない少数派の国だったんですね。

では香港の家庭で旧正月にむけてどんな準備をするのでしょうか。
1 揮春(祝いの言葉)で家を飾る
  日本でも玄関などに正月飾りをしますが、香港では玄関だけでなく
家の中にもいろいろ貼ります。赤い紙に福という字をかいたものや、旧正月にはじめて会った人にあいさつすることばが四字熟語になって赤い紙で貼られていたりします。貼るのは大吉大利(大きなよいことがありますように)万事如意(すべてのことが順調にすすみますように)心想事成(願い事がかないますように)龍馬精神(龍馬のように勢いよく)合家平安(一家が幸せになりますように)金玉満堂(家の中が宝で満ちますように) 身体健康など 心身の健康を祈るものもあります。

縁起のよい四字熟語が並びます

2 縁起のよい花で家を飾る
家を飾るのはハリモノだけでなく花もあります。花を飾ることは、花開富貴(花が開くように金が満ち溢れ金持ちになる)といわれふだん家に花を飾らない人も旧正月に向けて飾ります。日本でもお正月には先日フラワーマーケット(モンコクイースト駅近く)にいきましたが、人が多かったです。
胡蝶蘭、グラジオラス、水仙、ツノナス、桃の花など縁起のよいといわれる花が並んでいました。

ツノナス 実に5つの突起があり家族五世代が一同に集まった様子で縁起がよい
水仙 正月に咲くように調整が大変だとおもう

3 美容院にいく
新年に向けてパリッとするために美容院に行く人が多いです。
年に一度のかきいれ時なのか?美容院も特別料金で高くなっています。
ある意味お金に厳しい香港人がこの時期、値段も高く混んでいる美容院に不思議ではあります。
ちなみに新年の親戚廻りに新しい服でいくと昔はいわれていました。新しい服というか、ヨレヨレの服ではない服という意味と今は解釈しています。

4 利是(お年玉)をポチ袋にいれて準備する
この利是は日本のお年玉と違い、こどもに渡す以外にもふだん世話になっている人、たとえば清掃のおばさんとかマンションのセキュリティーガードさんなどにも渡す用です。だいたいポチ袋一つに20ドル札(今の日本円で400円)ですが、感謝の度合いにより100ドル札になったりもします。
利是をいれるポチ袋が街のあちこちで売られていますし、銀行や会社などが顧客に対してギフトとして用意していることもあります。
ちなみにマンションのセキュリティーガードさんたちはシフト制になっていることが多いのですが、正月にはその人たちが勢ぞろいして入口で待ち構えている、ふだん見ない人もなぜかいる、ということでなかなか趣のある習慣です。ちなみに中国大陸ではいまは現金が全く流通していなくてスマホを介して電子マネーでやりとりということをきいているので、携帯電話をもっていないような子供には利是はどうやって渡すのか興味があります。

私自身は香港に来た時は旧正月に対しては全く興味はなく、そろそろ古いしきたりやめて新暦祝ったらいいのに?とおもっていましたし、実際親戚一同正月に集まるのが苦手でした。しかし香港で30年暮らした今、親戚の子供が大きくなって正月に会うのがなんか楽しみになってきたし、家を大掃除してからいろいろ飾り、ふだん買わない花を楽しむのもよいなあとおもうようになりました。人間ってかわっていくものですね(笑)