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リクライニングシート

シートを倒す時には、
後ろに座っている人に一言お断りください。
快適な車内づくりに
ご協力をお願いいたします。

 でもどうして背もたれを倒すという文化はあるのだろうか。倒して座ったら楽だからか? 背もたれが真っ直ぐの椅子に座るのはそんなに辛いことなのか? ・・・そんな機能は本当はいらないのではないか?

 そもそも世の中に存在する ほとんどの椅子は、背もたれが倒せるようにはなっていない。およそ椅子と呼ばれるもの、駅でも学校でもホールでもレストランでも映画館でも、背もたれは倒れないのである。電車や飛行機の座席のみが後ろに倒せることには何か複雑で歴史的な事情でもあるのだろうか?

 私は自分の前に座る人の背もたれが 私の方に倒れている状態は好きじゃない。もちろん自分のスペースが狭くなるし、トイレなどに行き来する際の出入もしにくくなる。勝手な予想かもしれないが、ほとんどの人は同じだろうと思っている。しかし『背もたれを倒してもいいですか?』と訊かれた際、私には『いや、お断りします』と答える勇気はない。これは少なくとも日本においては私同様 NO とは言わないだろうし、大部分の人は前席が自分の方に倒れるのはイヤなのに、『どうぞ。いいですよ〜』なんて作り笑顔で言うのだ。本心は苦々しく思っているのに不快さを我慢している。

 だから私自身、たとえば新幹線に乗る時でも、ほとんど座席は倒さない(最上部で10㎝以内)。後ろの人に『嫌だな』と思われるのはまっぴらごめんで どうしても避けたいからだ。

 リクライニングシート。結局コイツは人を楽にしているのか? 背もたれをゆったり倒しても心からリラックスできるという人はいいとしても、それが全く心地いいことだと思えない 私のようなタイプにとっては、前の人の背もたれが倒れてくるのもイヤ、自分が後ろに倒すのもイヤという、全くもって八方塞がりの 快適とは程遠い設備といえるのである。こんな機能、無い方が私にとっては楽なのだが、共感は得られるものだろうか?

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