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《CRYMAX ジャオウガ》と【アナカラージャオウガ】に関する考察


はじめに

皆様は《CRYMAX ジャオウガ》というカードはご存知でしょうか?まぁ知ってる前提で話を進めるんですけど…。
このカードをフィニッシャーとしたデッキ【アナカラージャオウガ】は現在のデュエマ環境において最強のデッキとして大暴れしています。
当然《CRYMAX ジャオウガ》は次の殿堂入りの最有力候補として挙げられる訳ですが、このカードの強さはどこにあるのかを改めて確かめてみた上で、果たしてこいつは殿堂入りするカードなのかというのが今回の記事になります。
大した実績のないDMPの駄文ですが、少しでも参考にして頂けたら幸いです。

CRYMAX ジャオウガ(以下クラジャ)の特異性


かっこいい

このカードに書いてあること全てが強いのは言うまでもないのですが、他のカード(特に同コスト帯のカード)との比較を想定しながら、このカードの特異性を紐解いていきたいと思います。

7コストで無条件デメリットなしのSAワールドブレイカーであること

まずそもそも進化でない7コスのTブレイカーの数がまだ少ないです。
そしてスピードアタッカー(以下SA)付きとなると、《メテヲシャワァ・ヲヲロラシアタァ》、《真槍電融 ソウル・ヴァイラックス》、《頂竜連結 バジュエン・ザ・ローラ》ぐらいです。
それに比べてクラジャは実質SAのTブレイカーどころか、登場時効果の盾焼却も併せれば、強化版ワールドブレイカーです。
さらに攻撃時効果もこれまた強烈で、敵獣1体確定除去&2ハンデスです。これだけの攻撃時効果を持ちながらSAでもあるクリーチャーはより高コストのカードでもそうそういないと思います。
クラジャは7コスのクリーチャーとしては破格のスペックを有しており、数多くのデッキのグッドスタッフなフィニッシャーとして採用される理由となっています。

闇文明単色であること

先ほど触れた3枚のカードは火文明を持っています。SAは火文明の特権ですからね。というか火単色の進化でない7コスで無条件の3打点持ちっていないんですね…。
しかしながらクラジャは闇単色で実質SAです。
通常マナを伸ばしながら相手の盤面やリソースを制圧した後に安全に勝負を決めるコントロールデッキは、ビートダウンデッキのような攻撃力には乏しいことが多いです。
でもクラジャを投入すればあら不思議。マナさえあればクラジャ+味方1体というあまりにも低いハードルでリーサルを組むことが可能です。それも火文明なしに。
しかも、強烈すぎる攻撃時能力が出せる制圧力は、盤面とリソースの天秤をいともたやすくぶち壊していきます。
最低限クラジャを着地できるお膳立てさえすれば、最早念入りなコントロールの必要性さえなくなる訳です。クラジャ出した方が強くね?というやつ。
環境の高速化やメタカードの多様化が進み、最終的に現在の【アナカラージャオウガ】は、メタクリ・マナブースト・除去に触れつつも、いかにしてクラジャを着地させるかがデッキの主体となりました。
青黒緑で構成されるデッキにとってクラジャのような即効性のあるフィニッシャーは大変重要な存在になっています。これを無理なく採用できるのは、このカードが闇単色であるが故でしょう。

CRYMAX ジャオウガはグッドスタッフ だからこそ…

クラジャは単体で完結し、多くのデッキに入りうるカードパワーを持つ、所謂グッドスタッフに位置付けられるカードです。
他に例を挙げるなら、《天災 デドダム》、《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》、《飛翔龍 5000VT》などがいます。
ただし、これらのカードと違って、クラジャは高コストかつ自力での踏み倒し手段を持っていません。
そういう高コストのグッドスタッフカードは最もインフレの煽りを受けやすい類のカードになっています。
かつてのプレ殿カードである《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》は高コストファッティのインフレによって使われなくなりました。
一昔前に一時代を築いたであろう《永遠のリュウセイ・カイザー》、《偽りの王 ヴィルヘルム》、《龍素記号Sr スペルサイクリカ》などは殿堂入りを免れつつ、最終的にインフレの波に飲み込まれていきました。
現在7コスのカードとしてはオーバースペックであるクラジャでも、数年先でも同じ地位を保てるかどうかはわかりません。
これまでの殿堂入りの傾向を見るに、そういうカードを殿堂入りさせるとはどうしても思えないんですよね…。
勿論、クラジャには闇単色の即時打点という大きな個性があります。
しかし現在の闇文明にはアビスラッシュがありますし、光文明にはダイヤモンド状態があります。
今後のカードにもそういう火文明でない疑似SAカードが登場する可能性は否定できません。

真犯人は別にいる

しかし現在【アナカラージャオウガ】が環境TOPを走り続けており、よっぽどのことがない限り次の殿堂入りで何らかの規制を受けるのは間違い無いでしょう。
でも今更デドダムが殿堂するとは思えないし、《キユリのASMラジオ》はCSプロモだし、他のカードは初登場から日が浅いし…。(ワンチャン、ボンキゴが逝くかもしれない)
じゃあクラジャが殿堂入りする以外に道はないのか?
いや、もう1つあのデッキには4投必須のカードがあるじゃないですか…。






お前しかいない

《幻緑の双月/母なる聖域》こそが、次の殿堂入りの最有力候補です。
このカードこそが、現在の【アナカラージャオウガ】をぶっ壊していると言えるでしょう。
まず上面は2コスのマナブースト獣であり、3ターン目の《キユリのASMラジオ》に繋がります。
ラジオで捲れるカードとしてはハズレではありますが、エスメルと違って確実にアンタップマナを埋めたい時に出すことがあったり(《Dis メイデン》でいいけどね)、バウンスされたら呪文面を利用できるなど、必ずしも悪いことだけではありません。
そして下の呪文面は、進化元を必要としてないのに何故か進化クリーチャー面してるクラジャとの相性抜群で、事実上の母なる大地、あるいは紋章と化します。
というわけでクラジャをバトルゾーンに出すコストは7ではなく、3あるいは2となっております。いかんでしょ…。
余ったマナで除去、ロック、後詰めなど様々な動きが可能です。キモすぎ。
しかも聖域でクラジャを出すためには6マナあればいいわけですから、4ターン目のクラジャ着地の要求値は非常に低いです。普通にインチキですね。
何より、序盤に手札に来ると困りがちなクラジャをマナに置く行為が正当化されているのは非常に大きなポイントだと思いますね。
今年の新ギミックであるメガ・ラストバーストとの相性の良さも無視できません。
ついでのように呪文を踏み倒せるのは、さらに動きに拡張性を持たせる要素であり、今後のカードプールの拡大によってさらに強化される要素でもあります。

まぁここまで言っても、「別にクラジャ殿堂でもいいじゃん」と思われるかもしれません。
しかしこのカードがクラジャを押し除けて殿堂入りする明確な理由が1つ存在します。
このカードが最後に再録されたのは2021年の11月20日、つまり2年以上再録されていません。
昨今のデュエマが環境カードの再録に力を入れているなかで、これは無視できない状況だと言っていいでしょう。
数多くの環境カードを再録したデュエキングMAX 2023でもこのカードは再録されませんでした。あの《神の試練》さえも再録しているのに。
一方でクラジャは今年11月の構築済みデッキに1枚積みながら再録されています。0か1の差は本当に大きいです。
例外は多々あれど、デュエマってよほどのことがない限り、最近再録したカードを殿堂に入れないと思うんですよね。
世間的には「1枚しか入ってないから殿堂入りだ」という雰囲気でしたが、個人的には逆でして、「これで殿堂入りは無くなったな」と思いましたね。
結局カツキングもネバーも殿堂入りしてないじゃないですか。4投のガルラガンは逝きましたけど。

おわりに

12月に出る新弾のカード次第ではありますが、何やかんや【アナカラージャオウガ】はトップメタを走り続けるんだと思います。
浮き沈みはあれど、1年以上環境デッキとして活躍してきたわけですから、そろそろ何らかの規制を受けてほしいという思いは皆様と一緒です。
ついでにゼニスザークも殿堂入りしてくださいね。

ちなみに次の新弾のトレジャー枠でムーンナイフ/聖域が再録されたら普通に泣きます。やめてくれよ?
仮に殿堂施行直後に再録されたら○します。勘弁してね。


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