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行列のできる蕎麦屋

パン屋でアルバイトをしたのは1996年末のことなので、今から28年前のこと。初めてパンに触れた時にパン屋のキッチンでお世話になった先輩のFさん

7-8年前にFさんの店(ベーカリー)を訪れて以来、インスタグラムでは相互フォローをしているが、最近投稿されているのを見かけなくなっていた。
「見かけないなあ」と思って、検索したのが先週のこと。
確かに、しばらく投稿されていない。
2年ほど前に奥さんをガンで亡くしたことは知っていたが、「また何かあったのか?」 と一瞬心配した。
プロフィールの欄を見ると、「蕎麦屋を営業中」の文字。

「はぁ?まさか!」と「Fさんならやりそう」が頭に衝撃が走ったのはほぼ同時だった。

自分にとってFさんは【凝り性のアイデアマンで行動の人】の印象なので、
パン職人から蕎麦職人への転向は、全く違和感なく受け入れられた。
と同時に、「早く行かなきゃ!」と、行けるタイミングを探した。

で、今朝は早めにパンの仕込みを済ませて、
箕面市内にあるというそば屋「蕎麦 慎」へ向かった。

11時半オープンのところ 5分遅れて店に入ると、空席は2人分。
入口すぐのカウンター席を勧められた。隣の席は空けておいてくれた。
柚子蕎麦というのを注文し、出来上がりを待った。

正午前だったのでその後も自分の後に続いて、2人組と4人組の客があったが、席が空くのを店の外で待っていた。

目の前の鍋で蕎麦を1人前ずつ湯がくので、そのシーンが見えるのが楽しみだった。わずかの時間のうちに先客4人分くらいの湯がく様子が見られた。

日頃は蕎麦を食する習慣が無いので、評価できる身分ではないが、舌触りよくコシがあって美味しかった。添えられた山葵も蕎麦つゆも上品な味だった。

少し遠いが、また来て食べたいと思った。

そば屋の厨房に立つのは綺麗な女性2人だけで、Fさんの姿は見えなかった。
お店の奥で蕎麦を打っているのか?と思ったが、忙しい時間帯なので余計なことは聞かず、再来店を心に誓って、静かにお店を出た。

次は、池田市内にあるFさんのベーカリー「フェルディナンド」へ。
今となってはすっかり老舗ベーカリーの雰囲気を漂わせる。
インスタ映えで事前情報を得ていた「クリチバーガー」。
スタイリッシュな冷蔵庫と冷凍庫が並べてあり、
食べるタイミングの違いで選べるようになっている。
「イートインなら冷蔵庫、持ち帰りなら冷凍庫」かな?

レジの際にFさんの所在を尋ねると、幸いなことにちょうど在席中。
約5年ぶりだと思うが、久しぶりの再会を果たせた。
写真も何も無いが、元気そうな姿を見られて嬉しくなった。

さらに帰り道、冒頭の28年前にアルバイトでお世話になったパン屋、
Fさんとの出会いのきっかけになったパン屋「パンネル」へも立ち寄った。

当時の4店舗、小林店、小林南店、伊孑志店、逆瀬台店はどれも今は無く、場所も雰囲気も変わってしまった。今も変わらず「食パン」は売られている。


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