シッコマン イン ザ パーティを聴いていると誰に言える?
オモコロを見ていることを、あえて人には言わない。言えない。言わなくて良い。
株式会社バーグハンバーグバーグという広告会社が運営しているWebメディア、オモコロ。そこで結成されたラップグループ、シッコマン イン ザ パーティが先日、ニューシングル「NYO SWORD」を発表した。
(お聴きになる方はイヤホン必須のこと。YouTubeで聴けます。)
名前から分かる通り、下ネタのオンパレードである。
こんなものを聴いていると、誰に言えるのか。
すっかりハマってしまって鬼リピしているが、これは顔を隠しているnoteだから言えるのであって……もしかしたら、将来この記事が私の汚点になるかもしれない。
オモコロはYouTubeチャンネルでも活動しており、その活動の場が多方面であるが故に、何をしている人たちなのか説明しにくく、人に勧めにくいという声がある。
彼ら自身もそのことを動画内で言及しており、先日、YouTubeの動画更新頻度を上げ、YouTuberとしてより力を入れると発表した。
その2週間後に更新されたのが「NYO SWORD」である。
人に勧めにくいのは、何をしている人たちなのか説明しにくいからじゃない。むしろ何をしている人たちなのかは明白。馬鹿やってる人たちだ。
オモコロには悪いけど、「オモコロを見ている」と人には言わない、言えない、言いたくない……そう思わせるメディアであることに、ある種の特別な価値がある。
仮に、人には言えない、お勧めできないから価値がないのだとすると、お上品で分かりやすいものにしか価値がないことになってしまう。
勿論、堂々と「見てます!面白い!」と言う人もいるし、それはそれで良い。
でも、人には言わずにこっそり楽しんでいる層が結構いて、その人たちの人生の糧になっていることは、大きな価値だと思う。
それは多分、いにしえのインターネットの価値だ。オモコロは時代に取り残されることなく、しかし、どこか、アンダーグラウンドだった頃のネットを想起させる。
(実際オモコロには、その頃からネットの場で活動してきたライターもいる。)
時に下品かもしれないし、時に分かりにくいかもしれない。しかし間違いなく面白い。
私が中学生ぐらいの頃、ちょうどネットがアンダーグラウンドから脱する瀬戸際だった。私はいにしえのネットの空気を偉そうに語れるほどには知らないのだが、それでも、ネットの話は教室の隅で信頼できる友人としか話さない話題だった。
オモコロは、本当にノリの合う数少ない友人にしか打ち明けられることのないメディアだ。
大人になったら、ノリの合う数少ない友人に日常的に会うことは少なく、たまに会ったとしても、あえてオモコロの話なんかしないのである。
ましてや、シッコマン イン ザ パーティの話なんて。