「ひとりぼっちじゃない」③感想
考察、感想投稿3回目です。
1回目2回目で書いたことはあまり触れていないので合わせて読んでくださると嬉しいです。1.2回合わせて5分ほどで読めます。
今回映画鑑賞4回目なんですが印象とか感想とかすごく変わりました。原作はまだ読んでいません。なるべく時系列に合わせたつもりですが覚えられなくてぐちゃぐちゃだと思います。
それでは興味のあるワードからでもゆっくりどうぞ〜。
【宮子は妖精さん?】
宮子って基本何を聞かれてもすっとぼけた返答しかしない。もしかしてゼラニウムの妖精さんなのでは?
一番最初と最後の口づけだけ、にっこりするのよね。あとはぱちーっと目を開けてススメ観察してるの、怖っ。
初めの交わりのシーン、よく見たらカットが変わるたびに敷物が変わってる。これみんなも言ってたね。
あのシーンって一晩じゃなかったのかも。
来る日も来る日も交わってすっかり宮子に溺れてる様子だったのかな。
ススメの背中についてる髪の毛見えた。髪の毛=怨念みたいに感じてキモいって思ってたけど今考えると宮子の根っこだったのかも。
そう考えるとススメが「何か背中にあたった。」って言ったのも根っこなのかしら。
キリン男を腹立つって言われて宮子なりに自身と重ねてたから落ち込んでいたのかな。最後にススメが宮子さん、綺麗になったよね、明るくなった、って言ってたね。
最後宮子の為に死んだ男性がいてやっと尊厳を取り戻して明るくなったように感じたのか。
蓉子だって劇中劇面白くなさそうだったのに可哀想なススメ。けどあの言い合いが出来たから宮子の部屋から抜け出せるきっかけになったと思える。
【覗き見はススメだけじゃない⁉︎】
蓉子の部屋にピラミッドみたいなものにぽかぁと空いた口や耳や目が張り付いたのがあって、もしや蓉子も物置とか部屋に隠れて宮子の様子を見ていたのかもと感じた。嗅覚、味覚、聴覚とかの話し。そう感じたら鏡に映った男ってあの人もこっそり覗き見している人?覗き見てショックを受けて自死を選んだのか。いや、時系列的には亡くなってるから幽霊?残留思念?
【何人もの人が訪れてる部屋】
おばさん?がレモンありがとう、って意地悪な顔する。前は違う男性と同じようにここを通ったのだろう。
今日はまた違う人なのね、ふふふ、私は知ってるのよって優位に立ったようなやらしい笑顔、少々悪意を感じる。
当の宮子はどうでも良さそうで面白い。
宮子が押す車椅子のシーン、あれってウツボカズラのような宮子の部屋と宮子に溺れていく人たちの様子に見えた。
落ちていく入り口なのかな。
ススメ、宮子、蓉子の3人で寝てるシーン。最後蓉子がギョロッと目を開けて宮子をじっと見る。ゾワゾワした。
ススメがせっかく部屋に鍵をかけて2人きりでいるのに他の誰かが来たら入れてあげるんだね、って悔しそうな、それでいて知らない男性が入ってきたらどうしよう、という刻々と変化する複雑な表情が何とも言えない。
無言電話、お兄さんだけじゃなかったかも。
気になったのがスマホのやり取り。
宮子さんの電話越しの声、一言だけだった気がする。あれほんとに2人で喋ってるのか?ほぼススメの妄想なんじゃ。
宮子とお別れの前日の電話は1人で喋ってると思った。冒頭の中華料理店内でのお母さんとの会話のように。決意を固める為に口にしたかったのかもな。
【別れと旅立ち】
最後の木彫りの宮子、あなたには顔がない、というメッセージに思えた。
感情がない、掴みどころがない、実像がない、というような。
宮子に関わった各人がそれぞれ描いた宮子像をおいて旅立つのかな。
そしたら蓉子が置いて行ったのが男の死体だったり?
前回の感想でも書いたけど牛柄は迷彩らしく肉食動物から見つけられにくいらしい。
すんでのところで蓉子は宮子のことを殺すことをためらい、代わりに別の男を殺して捧げたのか。本来なら蓉子自身の姿だったのかも。大好きな宮子の泣き顔を見れて満足して旅立った、とかちょっと意地悪な見方してみた。
宮子は誰のものにもならない。
自分だけのものにしたくなると離れるか、死を選ぶしか苦しみから解き放たれる術がない。
みんなで共有するか、それができないなら離れるかだ。それも誰かと一緒に生きていきたいと願う一つのカタチだと思う。それでいい人はそれで良い。そうじゃなくて一対一の愛し愛される付き合いを望むならそれを選べば良い。みんなひとりひとり繋がるカタチが違っていい。そんな意味があるタイトルの気がした。
うさぎを置いていった人は自死した人なのでは、と思った。なんとなく前向きに旅立った人は無機質なものを置いていく気がして。宮子がぽんと物置きに入れてるから。
お母さんとともこさんのやり取りを見ながら本来のパートナーとの関係とはこういうものだ、自分の理想だと確信して微笑んだように思う。
最後木彫りを置きに行こうと決心した顔、凛々しくて清々しくて素敵だった。
【ゼラニウムについて】
ゼラニウム、甘い香りがするんだね。
宮子ってゼラニウムの妖精だったのかも。
株を増やす=子どもを残すみたいな。
そしたらススメに株分してる時点で宮子はひとりじゃないのか。宮子はこのカタチの共存が気持ち良いんだね。そしたら最後の寂しそうな顔はもう株を増やしてもらえないかも、のがっかりの顔だったのかも。愛情が湧いたのでは、と思っていたけど見当違いだったのかも。
色別のゼラニウムの花言葉
白のゼラニウムの花言葉は
「あなたの愛を信じない」
赤のゼラニウムの花言葉は
「君がいて幸せ」
ピンクのゼラニウムの花言葉は
「決意」
深紅のゼラニウムの花言葉は
「憂鬱」
黄のゼラニウムの花言葉は
「予期せぬ出会い」
1回目の考察でも触れたけど最後まで花を咲かせることがなかったゼラニウム。
どれも当てはまるようでまたここから妄想が膨らんでくる。
【最後に】
ススメの笑顔が見られて良かった。
これから新たな出会いがたくさん待っていると思う。今度は間違えないよう良い方向に進むと願いたい。
ウツボカズラの甘い匂いに誘われて迷い込んだのか、一見心地良い宮子の部屋。現実に置き換えると少し怖い。
ススメも宮子も蓉子も、それぞれ幸せでありますようにと思った。
ここまで読んでくださりありがとうございました!
また映画鑑賞を重ねて、原作を読んで新たな発見があると思うと楽しみです。