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トイレットペーパーの芯で灯台を作りたくなった話

外出自粛をしていた四月のある日、急に灯台が気になって気になって仕方が無くなった。とにかく灯台を見に行きたくて仕方ない。そんな時、トイレットペーパーの芯で灯台作ったら良いんじゃない?と思った。

その時のお話。

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実は前回書いたnoteに書こうとしていたのですが長くなってしまったので分けることにしました。
少し前回のnoteに書いたことと被っている部分がありますが悪しからず…

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トイレットペーパーの芯で灯台を作りたくなった話

▫️そもそものきっかけ

どうしてトイレットペーパーの芯なのか
発端は約3年前、私が大学1年生の時に遡ります。

「木の角材の上に乗るサイズの、小さなものについて考え、作品をつくり、展示する」という制作課題が出ました。

私が選考しているコース授業の1つで、初めて展示の空間について実践を伴って学んだ時の課題でした。

私はこの時何故かトイレットペーパーの芯に非常にシンパシーを感じていました。

トイレットペーパーの芯は、円柱型で、凸凹しているわけでは無い、綺麗な形をしているし、最後まで紙に包まれていてようやく姿を表したのに、紙が無くなればもうゴミになる他無い。

なんだか可哀想…

トイレットペーパーの芯も何か他の役に立つことが出来るんじゃないか。

そう考えて、トイレットペーパーの芯を使い、螺旋を描くように造形したものを作品として、「ループ」というタイトルとキャプションを付け、課題として提出しました。

ちょっと立派なキャプションも付けて…。

この作品に対し、先生から「大胆」「テキストとマテリアルの整合性は取れている」というコメントと、「形は練れる」という短いアドバイスが付けられました。

「形は練れる」

あんまり形は凝られていないよ、と言われているのだろうか

私もこの時深く考えて作品を作ったわけではなかったので、まだ何か出来る余地があるよ、という意味なんだろうなと理解しました。

しかしこの作品は、自分で書いたキャプションの末尾に「何かを成し遂げたとしてもそこで終わってしまうのでは無い」なんて書いて置きながらも、結局課題としては提出完了したので私は満足してしまい、このあとすぐアドバイスを取り入れ修正したり考え直すことなど無く終わってしまいました。

「形は練れる」という言葉に引っかかったまま…


▫️灯台が気になった

そして約3年が経った今年の4月。

私は灯台に何故かかなり心を奪われていました。

灯台について調べたり、灯台の絵を描いたり、インスタで灯台の写真ばかり載せているアカウントを探したり、これまで見に行ったことのある灯台の写真を見返したり…

元々何故か灯台に惹かれていたのですがこの時は本当に取り憑かれたように毎日灯台に思いを馳せていました。

▫️どうして灯台が気になるのか

灯台の表面(見た目)の部分で良いなと思う理由を挙げるとすれば
・塔型がカッコイイ
・他の建物のない海辺に建っている
・自分の身近に無い
・高い塔の1番上が光る ロウソクみたい

単純に、外出自粛中で何処にも行くことが出来ず、自分の見飽きた地元の風景には絶対に無い「灯台」という不思議な建物を見に行ってみたいという気持ちがあったからなのか、とにかく灯台が気になっていました。

灯台について少しだけネットで調べて分かったことの1つは、現在「世界灯台100選」や「日本灯台50選」などに選ばれているような有名な灯台は、灯台本来の機能である船を誘導するための点灯がされているものばかりでは無い→つまり建造物として価値があるため残されている灯台も多いということ。

灯台は、建てられた当初は景観を損ねるといって近隣住人から建造を反対される例はあったけれども、数十年も立っていると逆に景観に馴染んで、灯台本来の機能が無くなっても建物は「無くなったら寂しい」ものになっている。

この「無くてもいいのに残されている」というところに見知らぬ人の思いや感情が見える気がしてさらに興味を持ちました。

▫️トイレットペーパーの芯と灯台

トイレットペーパーの芯は、ロール紙を剥ぎ取られると必要が無くなってしまうので、なんだか勿体ない気持ちもありつつも普通は捨ててしまいます。

一方の灯台は必要無いけど景観のため、見た目が良いから取り壊されず残される。

トイレットペーパーの芯へのシンパシーと、灯台に感じる魅力に取り憑かれた挙句

トイレットペーパーの芯で灯台作っちゃえば良いんじゃないか

という考えに至りました。

完成したものがこちら

ちなみに土台の部分に、数ヶ月前にガチャガチャで当てたストーブのおもちゃのライトの部分を入れると塔の上の部分もほんのり光ります

ストーブのガチャ回しておいて良かった。

せっかくなのでもっと灯台らしく、色を塗って、模型用の緑のスポンジと人間も飾ってみました。


とても気に入ってしまったので、色々な撮り方を試してみました。


黒い紙に室内プラネタリウムを投影しながら、写真を撮る

天の川をバックにした灯台の風景写真が撮れました。

お気に入りの布を使った灯台の撮影

幻想的な雰囲気を目指しました。

お風呂場に連れて行ったりしました。
バスタブに水が入っていなかったのは少し残念でした。

この日は一日中をかけて自作トイレットペーパー芯の灯台を愛でることが出来たので大変満足しました。


▫️何かを成し遂げたとしてもそこで終わってしまいまうのではない

大学1年生の時になんとなく作ったもの。

当時はこの課題はここで終わりだと考えていたのに、先生からの「形は練れる」という言葉をなんだかんだ引き摺ってしまった結果、1年生の時の作品の「続き」が出来ました。

作品というほど価値もない、私以外の誰も得しないただの置物の部類かもしれないけれど、自分がずっとモヤモヤ引っかかり続けてきたことが解決出来た気がするので今回私は満足しています。

それにしても1年生の時のトイレットペーパーの芯を使った作品に付けたキャプションに「何かを成し遂げたとしてもそこで終わってしまうのでは無い」という大言壮語を書いたのですが、今回まさにこの言葉が体現されることになって少し驚きました。

くだらない発想も、そんなに評価を得られなかった作品も、「誰も面白いと思ってくれなかったから終わり」とか、「賞が貰えなかったから終わり」と決めつけてしまう必要はないんだと思います。

これからも、気になることや心が動くものを追求して、思考し続けるものづくりが出来たらなと思っています。

ここまでお読みいただきありがとうございました!

#灯台 #作品 #アート

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