飲食店経営の私たちがECサイトを始めた理由
こんにちは。株式会社丸一 代表の市瀬です。
当社では2021年5月にECサイトおうち割烹todokuをオープンしました。
今回はそのおうち割烹todokuが生まれた理由についてのお話です。
と言うのも、コロナ禍やECサイトの立ち上げでバタバタしていて
「ECサイトを何故、作ったのかしっかり書けていなかったなと。」
と、ふと思い出したからです。
もう一つの柱をつくりたい
2016年4月に1店舗目となるあそび割烹さん葉かを東神田に開店してから「世の中何が起こるかわからないから、実店舗の飲食店以外でも売り上げの柱となるものを作りたい。」と社内会議で常に話をしていました。
ただ具体的にいつ、何をするかは決まらずという状況のままでした。
しかし、2020年初頭の新型コロナウィルスの流行により事態は大きく変わりました。
今まで飲食店としては当たり前だった、通常の営業が急に出来なくなったのです。テイクアウト営業など試行錯誤をしながら過ごしていましたが、焦燥感は拭えず。
そんな中、社内メンバー全員で半年近く「何をすればいいのか?」「私たちに何が出来るのか?」について話し合った末、決めたことがECサイトの開設でした。
コロナ禍で一番きつかったのは生産者さんなのでは?
何故、ECサイトを開設することにしたのか?
話し合いを重ねる中で色々な案は出ましたが、結局のところ「私たちが大切にしている物を伝えていきたい。」という気持ちが強く、ECサイトで商品を販売することにしました。
それは「飲食店を営む私たち以上に生産者さんの方が今、きつい思いをしているはず。」というのが大きな要因でした。
コロナ禍において飲食店業は、営業時間の短縮や酒提供の禁止など様々な制約を受けましたが、その代わりに時短協力金や雇用助成金など様々な援助を国や都から受けることが出来ました。
それに比べると生産者さんや酒屋・酒蔵さんへの行政からの援助はとても少なかったと聞いています。
コロナ禍でも感染対策や決まりを守りながら営業し続けることを選んだ私たちですが、おそらく休業してしまった方が財政的にも、気持ち的にも楽だなと考えたことはあります。
それでも営業を続けたのは、
「皆が休業して、お世話になってきた生産者さんの注文をストップしてしまったら、とても大きな打撃になってしまうはず。私達だけの注文では雀の涙ほどの売上にしかならないけれど、営業し続けていこう。」
と決めたからでした。
そしてその想いの延長で、
「今までお世話になってきた全国の様々な地域の生産者さんの食材を加工・販売してもっと広く世間にアピールしたい。」
と考え、おうち割烹todokuの準備が始まりました。
ECサイトの壁
2021年5月からECサイトおうち割烹todokuはスタートしましたが、正直こんなに色々問題というか壁があるのかと驚きました。
結構、簡単にオープンできるのかなーと思ったら大間違いで、オープン前は会議・会議の連続。
会議で出てくる単語も初めて聞く単語だらけ。
また実店舗のあそび割烹さん葉か、炭手前鷽ともに安全に関してはかなり口酸っぱく共同経営者の小峰とも言い続けてきたので、今回の商品開発にあたっては、味はもちろんのこと、安全性も担保するために何度も試行錯誤を繰り返すことになりました。
そのため食品検査機関に検査依頼を大量にかけたり、安全性の確保のために炭手前鷽の近所に商品開発&オープン後の商品製造用の小さな工場を構えたりしました。
でも開設するまでで一番大変だったのは今、流行りの言葉を使うと会社のDX化でした。
それまでかなりアナログにやってきていたので、サイト作成のために導入したコミュニケーションアプリ1つとっても四苦八苦(笑)最近、ようやく慣れてきたところです。
そして開設してようやく一連の流れにも慣れてきて「よし!これからがんがん営業していこう!」と皆で話していたら、緊急事態宣言が明けてお店の方がばたばたで人員不足に。
と紆余曲折ありましたが2022年1月現在、ECサイトの運営も店舗の営業もバタバタではありますが、「今まで当たり前だった日常」の光景がお店に徐々に戻ってきて、皆で嬉しく・楽しく営業しています。
人手不足はまだ解消されていませんが、todoku工場長と共にぼちぼちやれる事から1つずつやっていこうと話しています。
ECサイトをやってよかった事
① 新しい挑戦でいろんな経験ができた
うちの社内では失敗してもそこまで叱られることは無いのですが「失敗から学ぶ」ことをしなかったら私を含め皆、かなりしつこく「何故、失敗という経験から学ばなかったのか?」について問いただします。
それは個人のレベルアップが会社のレベルアップに繋がると思っているからです。
今回のECサイトで失敗や壁にぶつかる事も多々ありましたが、実店舗を運営しているだけでは体験出来なかったであろうたくさんの経験を得ることができました。
② 会社がちょっとDX化した
この記事を書いている現在、私以外が全員料理人というちょっと変わった(?!)会社なので、今まで手を出し辛かったDX化に少し踏み出せたのも良いことでした。
現在では、アプリを使ってタスクリストを社内共有したり、SNSにも力を入れて活動しています。
③ 会社の新しい選択肢が見いだせた。
実店舗だけでは、お店を増やすこと以外に選択肢を作ることが出来ません。
しかし、今回の挑戦で商品開発も楽しかったので、自社開発・販売だけでなく、商品開発のみを請け負うなどこれまでにはなかった新しい方向性を見出すことが出来ました。
おうち割烹todokuはこれからこうなりたい
個人的な考えですが、東京ってものすごく沢山の人がいて色んなビジネスチャンスがあると思うのですが、東京だけ良ければOKか?というとそうではないと考えています。
少子化などなど現在、日本が抱える問題を考えると、地方が活性化しないといけないのではないかな?と。
難しいことは分かりませんが都会と田舎、片方のバランスが崩れるのは良くなくて、両方が潤わないと良い状況にはならないのではないかと思います。
私は田舎生まれなので、「地方にたくさんある良い生産品が埋もれていくのはもったいない。」という想いもあります。
なので私たちに出来ることは
「食べる」を通して地方の良いものを東京や全国の人に知ってもらうこと
だと思っていて、そのために今後、おうち割烹todokuでは生産者さんの食材でいろんな商品を開発したり、既存商品でも良いものを紹介できるサイトになっていきます。
将来的には、todokuで人気が出た商品を、生産者さんが現地で製造販売して、少しでも地方活性化の一助になることが目標です。
まだまだスタートして1年も経ってない、新米なサイトですが、これからも頑張っていきますので、一度、見に来てもらえたら嬉しいです。
おうち割烹todokuはコチラ!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?