教育の場での配慮と支援について
息子が発達障がいの疑いがあると診断されてから、「発達障害者支援法」というものの存在を知りました。
以前より、知的障害のある方に対する法律があるということは認識していたものの、2016年に法律が改正され、知的障害を伴わない発達障がいを持つ者も対象とされるようになっていたのです。
当事者にならなければ、そのような法律を知る機会もなく、もし実際近くにそういった方がいらっしゃっても、どのような支援が必要であるか理解できなかったと思います。
息子は、自閉症スペクトラムの疑いがあるということを知らず、都心にある中堅の進学校に進みました。
大学進学にとても熱心な学校で、授業はハイスピード、予習をしなければついて行くのは大変です。
集団行動に重きをおいており、入学直後に新入生は合宿があります。
その合宿の二日目に、息子は腹痛を起こしました。
通常の授業が始まった後にも、保健室滞在可能時間は1時間までというルールがあり、体調が不安定な息子は通学できなくなりました。
もっと早くに体調不良の原因がわかっていれば、どのように対処すればよいか相談できたし、それよりももっと前に発達障がいの疑いがあるとわかっていれば、他の高校を選んでいたと思います。
その進学先の高校でも、集会があるときは、列の一番後ろにしてもらうなどの配慮はしていただき、スクールカウンセラーの先生を紹介してもらったりもしました。
しかし一方で、学年主任や担任の先生と話した内容は、単位不足による留年の話ばかりが印象に残っており、今思えば、発達障がい疑いであると分かった後も、配慮や支援といった内容とは程遠いものしか話さなかったように思います。
通っていた学校に限らず、ほとんどの学校が、入学後に突然発達障がいと分かった生徒に対しては、十分な配慮と支援ができないのが実状なのかもしれません。
そうはいっても、教育の場は人を扱っている場です。
発達障がいの有無に関係なく、一人一人に対して配慮や支援は必要で、そこに通っている人にとって一番よい方法を、一緒になって考えてくれる場所であるべき、またそうあってほしいと感じました。
もちろん、留年してでも在籍するのか、転学するのか、退学するのかを最終的に決めるのは本人ですが。
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