世界の医者へ
著者 藤井百太郎は 昭和3年にこの本を出しているようだ。著者の詳細は不明だが医療にかかわっていたことは著書の内容からわかる。「日本物療研究所長」そして日仏文化功労章を受章している。
全体的に西洋医学がろくに治すことができないという点を非難している内容である。次は小児科と産婦人科の記述のクリップを3つ並べる。
「あたかも貞操蹂躙にも似たるがごとき内診と、また児戯に類するがごとき子宮洗浄と、さらに手術の必要な気場合に於ける手術とは、当然廃止せられるべきなり。しかるに婦人科医といえば必ず内診と子宮洗浄と手術とはいかに」
「人間はこれらの家屋や一個の機会や道具とは全然その撰を異にし打てば痛みを感じ切れば血のでる一個の霊妙なる生命ある有機体なり。ゆえに人の疾病を治療修繕するにあたりては、破損せる瓦のある部をとりかえ、または故障せるエンジンの修繕を為すとは当然その理論と方法の異なるべき筈なり。」
およそ100年前の著作であるが西洋医学がさっぱり変わっていないということをただただ思うのみである。
「婦人科医といえば必ず内診と子宮洗浄と手術とはいかに」私の感覚が自然で妥当なものであること、同じように思う医療者が一人でもいるということだけでもわかってよかった。
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