【アルゼンチン音楽のしらべ】音響派、アンビエント新世代を中心に
私はジャガイモ好きだが、ジャガイモと同程度に好きなものがある。
それが「アルゼンチンの音楽」だ。
アルゼンチンの音楽というと、タンゴとかピアソラとかのイメージが持たれるが、アルゼンチンの音楽はとにかく懐が深い。
少し歴史にふれながら、主に2000年以降のアルゼンチンの音楽のなかで、私が個人的に好きなものを紹介する。懐が深いアルゼンチンの音楽。
ミロンガからタンゴへ
アルゼンチンといえばタンゴ!
タンゴは「生きるために食べ、食べるために働く現実から一時的で手軽な飛躍をする方法」であり、アルゼンチンの文化でもあり、音楽でもあり、ダンスでもあるタンゴ!
もともとは、1880年頃にブエノスアイレス近郊の都会の白人系の”ならず者”が移民の受入れ推奨によって増え続ける移民に数で圧倒され、仕事を奪われること、圧倒的なリズム感を持つ黒人に身体的に敵わないことを恐れ、対抗として「ミロンガ」という音楽、ダンスを生み出したそう。
ミロンガはフルート、バイオリン、ハープにカントンベなどの太鼓のリズム、主にシンコペーションを含む4分の2拍子の音楽。そこにキューバの音楽、スペインのフラメンコの一形式、カントンベなどの影響によって「タンゴ」が誕生した。19世紀末から20世紀初頭には、ブエノスアイレスの中心地でのタンゴを楽しめる場所ができた。
タンゴにジャズ要素も取り入れたピアソラなどは超有名人。
余談だが、私はタンゴの音楽があまり得意ではない、が、Diego Schissi QuintetoのTongosはかっこいいと思う。
ラテンジャズ時代
おそらく、タンゴシーンとは違う流れで70、80年代あたりにジャズも熱くなる。むちゃくちゃかっこいい。ラテンジャズというやつなのか?(詳しくないので雑な説明)
好きなアーティストの一例をあげると…
Jorge Navarro(ピアニストだけどジャズではないかも)
ジャズベーシストJorge López Ruiz(全部詩の朗読!という曲)
ジャズフュージョンバンドのViejas Raices(Jorge López Ruizがバンマスらしい)
2000年代のアルゼンチン音響派
大学生だった2005年頃、日本で渋谷系好きやジャズ界隈で一大ブーム(?)だった「アルゼンチン音響派」(と日本ではカテゴライズされている)の立役者Juana MolinaのSonとUn diaを聴いてアルゼンチンの音楽にはまった。
ジャズは後追い。アルゼンチンボサノバ奏者Agustin Pereyra Lucenaが来日したときにライブを見に行けたりなんだり。
「アルゼンチン音響派」には明確な定義はないが、ロック、ジャズ、電子音楽、現代音楽、フォルクローレなどの手法を総合的に取り入れる実験的音楽とかいわれている。
好きかつ受け入れられそうなところだと…
Juana Molina
大好きJuana Molina。元コメディー女優でとにかく魅力的。
ギタリストFernando Kabusacki
とにかく美しい
Alejandro Franov
朝焼けをバックに聴きたい
ナタリアラフォルカデ
かわいい感じ
Aca Seca Trio
モダンフォルクローレといわれている。ブエノスアイレスはヨーロッパからのイタリア系、スペイン系の移民によりタンゴが発展し、そのほかの地域は、メスティソ、ムラート、サンボなどによりフォルクローレが発展してきたそうだ。
2010年以降の分流
2010年以降は、世界のジャズアーティストに評価される流れや、エレクトロニカ、アンビエント新世代の流れなどいろいろあるようだが、主に後者が好きなので焦点を当てたい。
というか、これまでは前段で、WesteというアルゼンチンのClara TruccoとウルグアイのIgnacio Perezのデュオにむちゃくちゃハマっているので紹介したい!というだけの投稿である。四の五の言わずにこれを見て!
で、最新アルバムもかっこいい!
Clara Truccoもメンバーの女性3名デュオFeminaはクアンティックのプロデュースで、下のアルバムにはイギーポップが参加している。スロウテクノにパンク要素も。
このあたりも好き
Khruangbin
Minicomponente
Gativideo
人種のるつぼだからこそ音楽のるつぼ
アルゼンチンは19世紀半ばに移民を受入れはじめてから、主にイタリアやスペインからの移民を中心に、世界各国から人が集まる国になった。
だからこそ自分のルーツがどこにあるのか、また、どのように他と混ざり合っていくのかを意識して実験的に音楽が作られているように思う。そしてジャンルにとらわれず、さまざまな音楽を受け入れる素地がある国なのだと思う。
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