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「仕事で結果を出せ!」 と言われたので、事務の仕事に異動したいです???
「とにかくね。 “仕事で結果を出せ“
って言うんですよ。
“やり方は任せるから、色々考えてやれよ“
って、職場長がそう言うんですよ。
そうは言われても、難しいですよ。
全然うまくいかないし。
色々と悩んでたら、事務の仕事って
いいな〜 と思って。
だって、決められた事を、決められた通りに
処理すればいいんでしょ。
そっちの仕事の方がやることが決まっていて安心だし、
マニュアル通りにやれば、仕事が完了するし、
生産をストップさせるような プレッシャーも無いし、
そんなに悩まなくてもいいのかなぁ。
なんて思うんですよ。 どうですか?」
製造現場のスタッフから
事務職への異動を希望している方からの相談。
三つの仕事
「仕事は大きく分けて三つあると 私は思いますよ。
1.目的も方法も決められているもの
2.目的は決められているが、方法はお任せのもの
3.目的も方法もお任せのもの
あなたが今、携わっている仕事は 2 ですね。
まず、事務の仕事が全部 1 なんてことはありませんよ。
それでも、あなたは 1 の仕事がしたい。
と理解したけれど、それで合っていますか?」
「そうですね。 だいたい合ってます。」
「確かに、 事務の仕事の中には手続きの方法が決まっていて、
マニュアル通りに、決められたことを進めれば、
完了する仕事もあるでしょう。
だから、 誰でもできるし、安心で、悩まなくてもいい
という側面もあるかもしれない。」
「そうでしょ。」
仕事? 作業?
「でも、誰でもできる。
ということは、ミスが許されない
とも言えませんか?
そうなると、 あなたの言う 安心 から
少し外れるかもしれませんね。」
「誰にでもできるから、ミスが許されない か ・・・
考えたことなかったですね。」
「それに、あなたの考える余地が無い
ということは、“仕事“ というより、
“作業“ に近い状態になりませんか。
また、誰にもできる作業のような仕事は、
将来的に、機械とか、AIとか、RPAとか、に
置き換わる可能性が高い と思いませんか。
まだまだ若いあなたにとっては、
そっちの方が不安材料になりませんか?」
「確かに仕事が無くなるのは困るなぁ。」
「やり方を任されているのは、信頼されている
とも言えませんか?」
「う〜ん。」
「1 の仕事がしたい。
ということが 悪い ということでありませんよ。
あなたに合う仕事は何か
じっくり考えてから、結論を出してもいいのでは
ということですよ。」
「そうですね・・・。」
「いっそのこと 3 の仕事をするとか。」
「3 ですか。
そうそう、さっき聞こうと思ったんですけど、
3 って仕事になるんですか?」
「 会社に所属している以上は、好き勝手やっていいよ
って意味じゃないですよ。
例えば、ポケモンカードが好きだから、
カード大会のイベントを主催する仕事をします。
と言っても、それは退社してからどうぞ。
ってなるよね。」
「そりゃそうでしょ。」
「会社の理念とか方針に、仕事内容が合致していることが大切だよね。」
3 の仕事
「ところで、今、どんな結果を求められているの?」
「製造ラインにいるんですけどね、製品の不良数を減らせ って言われています。」
「なんで減らさないといけないの?」
「はぁ? そりゃ、売り物にならないものができたら、
捨てなきゃいけない。
その分、会社の損になるからでしょ。」
「その不良品は再利用できないの?」
「再利用? 考えたことないです。」
「例えば、“不良品を再利用できる仕組みを作ります。“
を新たな仕事として設定したら、会社の方針からはズレないのでは?」
「まあ、そうかもしれませんね。」
「2 の仕事 他人の設定したゴールを目指す のが嫌なら
3 の仕事 自分で設定したゴールを目指す のも方法だと思いませんか?
ただし、会社からお金をもらっている以上は、
会社の方針には沿ってないとだめですよ。
個人的には 2 の仕事も、方法を自分で考えることができるのなら、
とてもいい仕事だと思うけどな。
方法はたくさんあるはずだから、
もっといろんな人に相談してみたらどうだろう。
1 の仕事は作業になりがちだから、
あなたにとっては、やる気が湧きにくいかもしれない。
それにいずれは淘汰されるかも。
でも、今は 1 も大事で必要とされているのだから、
やりたいのなら、 1 もいい。
1 や 2 が嫌なら 3 を目指すことをお勧めするよ。」
「なんだか、今の仕事もいいような気がしてきました。
もっと色々と考えてみます。」