【人体の神秘】
小学6年生が小学1年生の世話をする、というのは、どこの小学校でも行われていることであろう。
わたしの出身小学校でも、例にもれず、その風習があった。
朝の学級会が始まる前や昼休みに1年生の教室に出向き、一緒に遊んであげる。
6年生は1年生の手本となるべく、優しく真剣に向き合い、6年生としてのプライドを持って日日1年生の小学校生活をサポートしていた。
当時のわたしも、最高学年として、張り切っていたひとりである。
これから入学してくる新入生に対して、純真で素直で可愛らしい少年少女を想像していた。
しかし、彼らは想像以上にませていた。
入学してまもなく、気がつけば、どの子も 男 女 の ペ ア ができており、
さらに、休み時間になると 手 を つ な い で 、
2人で水飲みやほかのクラスなんかに出かけてしまうのである。
(なんという時代・・・・!)
当時のわたしは12歳にして、年下との世代間格差を感じてしまったというわけである。
日日を過ごす中で、担当の1年1組には、「少年A」の、クラスにおけるリーダー格という立場が見えてきた。
少年Aは、とにかく元気で人一倍うるさくてクラス中のメイトと仲が良く、少年Aの行動を周りの少年少女たちが真似するような存在であった。
いつしか1年1組の児童は、少年Aをはじめとして、無邪気に
「浣腸!!!!!!!!」
などという秘技をなんのためらいもなく堂々と繰り広げるようになった。
わたしも何度も犯され、いつしか1年1組に通うことが恐怖になり、
平和で穏やかな「養護学級」ばかりに通うようになったりもした。
ある夏の昼休み、わたしたち6年1組は、1年1組と一緒に校庭で遊んでいた。
たぶん鬼ごっこか何かをやっていたのだと思う。
非常によい雰囲気で、楽しく遊んでいた。
すると、わたしの目の前にいた噂の少年Aが校庭の地面に敷き詰められた砂を手に握りしめたのを目撃した。
次の瞬間、少年Aは、手に握りしめたたくさんの砂を
なんのためらいもなく
わたしの顔面に投げつけてきたのである。
(これが、砂の、味か・・・・!)
わたしは少年Aの仕業で、生まれて初めて校庭の砂を食べることになったのである。
その直後の記憶は無い。
ただ、ハッキリと覚えているのは、
その後1週間ほど、トイレの度に身体から砂が排出されたことである。