オクトオパスの神秘:海の賢者は語る、を観た!
制作:2020
監督:ピッパ・エアリック ジェームズ・リード
撮影:ロジャー・ホロックス
出演:グレイグ・フォスター トム・フォスター
■あらすじと感想
この映画のプロデューサーであり映像作家のグレイグ・フォスターが野生のマダコとの信頼関係を構築しようとする一年間の物語。
■このドキュメンタリーは凄い。人間とマダコの友情物語である。犬とか猫など哺乳類との信頼関係や友情物語は観たこともあるし、体験した気もする。だが、タコとの友情が芽生えるとは…。恐れ入りました。マダコが身を守る姿を目撃し、興味を持ち“毎日会いに行ったらどうなるだろう”と毎日マダコを訪ね、そして本当に(本当のように)信頼関係を築くのだ。最初のコミュニケーションはまさにETである。感動的だ。人間がほかの種と気持ちを交わし合うのは人類の可能性の拡張に大きな一歩になっているのではないだろうか。サメに襲われるシーンなど動物ドキュメンタリーでは良くあるが、人間が襲われているようなレベルの違う気持ちにさせられてしまった。
■フォスターはドキュメンタリストやジャーナリスト、海洋学者などとシー・チェンジ・プロジェクトを立ち上げ活動しているようだが、やはり我々の行きつく先は環境保護なのだろう。日本では東日本大震災での原発「事故」により放射能を海はもちろん世界に放出し、以降も放射能いっぱいの「処理水」を海に捨てている。また、年に一度はタンカーが座礁し原油を海にぶちまける。生活排水は毎日莫大に海に垂れ流しにしている。環境保護は我々が「生きるため」というより、生きる為の必要以上に他の種を「殺さない」「壊さない」「汚染しない」という事だろう。
■感動したカットは、最初のコミュニケーションのシーン。マジですか?って感じの映像。他にも、なんでこんなシーンが!撮影されているのか、全く分からない映像満載のドキュメンタリー。
■Netflixの独自制作ドキュメンタリー映画のようだが、Netflixは映画やドラマ、バラエティーなど全ての映像表現で、既存テレビや興行映画では到達できない領域にいることを証明し続けているように思う。このドキュメンタリーを観て私は確信をした。