タロウのバカ、を観た!
制作:2019
監督:大森立嗣
撮影:辻智彦
出演:YOSHI 菅田将暉 仲野太賀 豊田エリー 植田紗々
■あらすじと感想
3人の少年たちが暴れます。ひたすら叫びます。半グレから拳銃を奪います。障がい者の人も出てくるし、学校では今どき珍しい力任せな先生や先輩、援助交際する女子も出てきます。少しだけラブロマンスもあります。親子関係も崩壊しています。最後はどうなるのか?持て余した若さ!と社会の矛盾!とだけでは表現できないこの物語の決着に乞うご期待!
■いろんな映画やドラマ、ドキュメンタリーを観ますが、監督のテーマを伝える為にだけの役者やストーリーと思うと興ざめてしまう事はよくあります。映画では戦争が起こったり、宇宙人が来たり、たくさんの人が死んだり、やたらに暴れる人がいたり、嘘つきばっかりいたり、信じられない偶然やあり得ないことが起こったり、などしますが、通常の現代劇では、ある程度の常識的な社会との関係性が求められると思ったりします。その世界感における納得感、という事でしょう。任侠映画なら任侠の世界感の納得感、詐欺師の映画なら詐欺師の世界感での納得感、サラリーマンの映画なら…、という感じです。ここまで社会問題を取り込むのであれば現代の社会における納得感が欲しいと思ったのです。
■菅田将暉はすごいね!どんな役をやっても憎めない非常にいい役者だと思います。声も良い!叫んでも良かったですが、演出の責任ですが叫び過ぎで伝わらないことも多かった気もしますね。仲野太賀は性格俳優として成功するのだと思います。YOSHIは良く分からないです、すいません。いずれにしても、良い役者を揃えての映画ですが、映画はその役者さんをどう効果的に配置するか、という監督の腕の見せ所だと思います。つまり役者がその役を演じる理由ですね。そういった意味で豊田エリーはもったいない配役な気がしました。植田紗々も同じかな。なぜこの役?という感じでした。役者さんはその役をどのように演じて自分のものにするか、がその腕ですが、非常に難しかったのではないでしょうか。
■感動したカットは、菅田将暉が柔道場に向かって学校の廊下を歩くシーン。彼が今まで生きてきた人生に決別するシーンに心が動きました。
この手の映画は非常に難しいので、賛否が分かれますが、このような映画を撮れる監督がその立場を掴んだ事に賞賛を送りたいと思ったりします。
ではでは。