相続手続き終了!
先日、ようやく相続の手続きが終わりました。ホッとした気分です。
前回の記事ではいきなり相続に関する「資産・負債等の洗出し」について
記載させていただきましたが、相続の手続きが終わったこともありますの
で、今回の記事では、相続手続きに関する一連の行動を整理してまとめて
おきたいと思います。また、その時に得た教訓なども併せて記しておき
ます。
前回記事と重なるところもありますが、その点はご容赦ください。
1.市役所への届出と保険証等の返却
相続と直接的には関係ないかもしれませんが、父が亡くなってまず行った
のが以下の届出書の市役所への提出などです。
① 死亡届の提出(死亡診断書も持参)
② 国民年金等の受給権者死亡届の提出
③ 介護保険の資格喪失届の提出
④ 国民健康保険証・介護保険証の返却
⑤ 未支給年金の受給申請
未支給年金とは、年金受給者が亡くなった時にまだ受け取って
いない分の年金のことで、遺族が受け取ることができます。
詳しくは、「日本年金機構」のホームページをご覧ください。
これらの届出等を行うにあたり、持参したものは以下のものです。
① 故人の実印、印鑑登録証(カード)、健康保険証、介護保険証
② 故人の配偶者の実印、印鑑登録証(カード)
③ 申請者(自分)の実印、印鑑登録証(カード)、身分証明書
この後、相続の手続きを行うにあたり、印鑑証明書や戸籍謄本などの資料
が必要になりますが、それらを取得するために持って行きました。
2.金融機関への連絡
後述する「相続財産・負債の把握」にも関係しますが、故人が保持して
いた預金通帳などを基に、各金融機関へ父が他界したことを電話連絡
しました。
これによって父が持つ金融資産は凍結されたことになり、入出金ができ
なくなりました。
3.遺言書の確認
遺言書はありませんでした。
※ちなみに、日本でどれくらいの人が遺言書を作成しているかと
いうと、日本財団が調査したところによれば、60歳~79歳で
遺言書を作成している人は3.5%だそうです。
4.相続人の調査
相続人は全部で4人(故人の配偶者と子供3人)。
一応、個人の戸籍謄本において、これ以外の相続人の対象者はいない
ことを確認しました。
※相続人の調査は、弁護士や司法書士などの専門家にお願いすること
もできますので、自己調査が困難な方は相談してみてはいかがで
しょうか。
5.相続資産・負債の把握(洗い出し)
預金通帳や「固定資産・都市計画税納税通知書」を基に、資産の洗い
出しを行いました。
① 現・預金の洗い出し
預貯金の通帳の記帳を行い、現・預金の残高を把握。
父が他界する以前から預貯金の管理を行っていたので、スムースに
実施することができました。
② 共済等の確認
父がJAさんの共済に入っているものがあることを知っていた
ため、JAさんに伺って現況調査をしました。
③ 不動産の確認
「固定資産・都市計画税納税通知書」に記載されている内容と、
登記簿の記載内容を基に、所持している不動産を確認しました。
まれに、「共有不動産」と言って、複数人で所有している不動産
があるという話を聞いたことがありますが、市役所に行って調べ
ていただいたところ、そのようなものは無いことがわかりました。
また、不動産の評価額については「固定資産・都市計画税納税
通知書」に記載されている「課税標準額」や、「相続税評価額」
の算出方法をネットで調べて計算し、算出しました。
※不動産の評価については後述する「相続税」や「遺産分割協議」
にも影響することがあるため、専門家に依頼することも選択肢
の一つかと思います。
④ 負債の確認
いろいろなローンなどについては預金通帳を確認し、月々の支払い
が無いことを確認しました。
そのほかの債務についても、契約書等が存在しないことを確認しま
した。
6.所得税の準確定申告
一般的に故人に2,000万円を超える給与収入や、公的年金などによる収入
が400万円を超えた場合などにおいては所得税の準確定申告が必要になり
ますが、父の場合は該当する要件が無かったため、申告は行いませんで
した。
7.相続税の申告
相続財産などの課税対象財産の総額が、基礎控除額(3,000万円+600万円
×法定相続人の数)を超えた場合、相続税の申告をする必要がありまが、
父の場合はこれに該当しなかったため、相続税の申告は行いませんでし
た。
※この辺は、FP試験の問題にもよく出ますね。
8.遺産分割
前述した「相続人の調査」や「相続資産・負債の把握(洗い出し)」で
得た物を基に以下の資料等を準備し、司法書士の方に依頼し「遺産分割
協議書」の作成と、不動産の名義変更を行っていただきました。
① 相続人全員分の印鑑証明、戸籍謄本
② 不動産の登記簿
③ 固定資産・都市計画税納税通知書
④ 預金通帳や共済の現況調査書
⑤ 遺産分割の内訳(誰にどの遺産を相続するかを決めたもの)
9.預貯金の解約
司法書士の方に預けた諸々の資料が戻ってきたところで各金融機関へ
行き、預金口座の解約手続きを行いました。
金融機関に持参・提出する資料としては
① 遺産分割協議書
② 相続人全員分の印鑑証明、戸籍謄本
③ 預金通帳、キャッシュカード、届出印
などがあります。
金融機関や預金残高に応じて提出する資料が変わることがある、という
ことでしたので、事前に金融機関に確認しておくことが大切になります。
以上で相続の手続きを終えることができました。
【まとめ】
相続の手続きを始めてから約1か月半。もうちょっと言うと父が他界して
から約2か月で 葬儀・七七日忌法要(納骨)・相続手続き をすること
ができました。ホント、駆け足でした。
自分で言うのも何ですが、日ごろの準備が、いかに大切かがわかりまし
た。(自然と準備につながっていた、というのが正しい表現かも)
身近にも相続の経験者が何人かいらっしゃいますが、聞くところによれ
ば、「遺産分割が一番大変だった」と口を揃えます。
原因は様々なようですが、自分の相続ではトラブルもなく、スムースに
行ってよかったと思っています。
FPの記事としてはどうかな?とも思っていますが、相談業務の実務に
おいては、こうした経験が活きるのではないかと考えています。
過去の経験からも、試験勉強と実務にはかなりのギャップがあると思って
いますし、そこに共感してくれる方もいるのではないでしょうか。
そんな思いもあって、「AFP活動記」として記事にさせていただきま
した。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。