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今年発売のマンガ、「キング・オブ・エンブレム」のロゴに込められた想い
弊社で手がける最初のマンガ作品「キング・オブ・エンブレム」。
まだ厳密に言うと正式リリースではないので、詳細は改めて色々と発表するとして、いくつか言えることとしては、今僕らの会社ではこのマンガにまつわるプロジェクトを成功させるためだけに頑張ってると言っても過言ではありません。
役員5名、インターン、アウトソーシングなどなどのメンバーが少ないリソースを割き、あんなところやこんなところの大きい会社さんたちにもご協力してもらいながら作品の制作を進めています。
キングオブエンブレムとは
各所でも話題になっているので隠す必要はないのですが、このマンガはJリーグのグッズとして発売されます。
どういうことかと言うと、すごい簡単に言えばユニフォームやタオルマフラー、Jリーグの公式マークがついたお菓子などと同じような扱いということです。(厳密に言うと違いはあるのですが、ざっくり)
普通のマンガとどう違うかと言うと、Jリーグという名前や、クラブのエンブレム、マスコットキャラクターなどをマンガに登場させることが出来るということが大きな違いになります。
もし我々の企画がオフィシャルライセンスグッズでとして認められなければ、
「横浜マリーンズ」
「浦和レッドデビルズ」
「東京ヴィクトリー1993」
とか、そういうクラブ名を登場させ、
「マリーンズ助」とか「ヴィクトリーくん」とか、そういう名前のマスコットキャラクターが登場するようなマンガを作るつもりでした。
僕らは、株式会社ワンディエゴ丸出版社という昨年8月に設立したベンチャー中のベンチャーです。
実績もない我々が最初に作るマンガがこの「キング・オブ・エンブレム」。それがJリーグに認められた形で発刊できるということが、どれだけ多くの人にリスクを取っていもらっていて、ありがたいことなのか、というのは、これから先何度も確認し直さないといけないなあ、と思ってます。
そのマンガのロゴが王冠
さて、
「マンガなのになぜJリーグにこだわったのか」
「Amazonや書店に並ぶの?」
「誰が描くの?」「どんな話なの?」
と、疑問はたくさん出てくると思います。
その全てが追々明らかになっていくと思うので、今はのんびり構えておいて頂きたいのですが、今日はそのいくつかあるトピックの中でも「キング・オブ・エンブレム」のロゴについて想いをお伝えしたいと思います。
このカラフルな色の王冠のようなデザインが、弊社キング・オブ・エンブレムのモチーフになります。
例えば週刊ジャンプの単行本には
「JC」をモチーフにしたロゴが背表紙の一番上についていますし、
週刊誌ではこの海賊のロゴマークを色んなところで見かけます。
この王冠マークはそんな感じで使うことを予定しています。
ジャンプやサンデーのように雑誌としてのロゴではなく、言ってしまえばナルトやワンピースにロゴがある(タイトルロゴはありますが)のような感じにはなりますが、なぜこれが必要なのでしょうか。
ロゴに込めた想い・その①「キングだからね」
まず、どうして王冠をモチーフにしたのかということです。
そもそも「キング・オブ・エンブレム」というタイトルですから、「キング=王冠」ということで王冠・・・だということはすぐわかると思います。
では、なぜタイトルに「キング」が入ってるのでしょうか?
それは実はうちのマンガはマスコットキャラクターをモチーフにしていますので、Jリーグのマスコットと言えb・・・おっと誰か来たようだ。いや、来てないのか?来るのか?来ないのか?来ないでェ・・・来ないで。
あと、キング・オブ・エンブレムのストーリー内で、メインとなる悪役キャラクターがいまして、その名も「ダークキング」です。彼は“Jリーグのダーク化”を企んでいます。
彼もかなりのメインキャラクターと言うか、色んな意味で社運のかかっている存在です。
そのダークキングも生きとし生けるものとして歩んでいくストーリーのメイン軸が「全国各地を主人公が旅する」ことなのですが、旅が進んでいく中で「キング・オブ・エンブレム=紋章の王」というタイトルに込められた意味も、次第にわかっていくことでしょう。
とにかく、様々な理由でこのマンガとキングというのは切っても切れない存在であり、だからこそロゴも王冠模様なのです👑
ロゴに込めた想い・その②「Jリーグ55クラブ」
キング・オブ・エンブレムとJリーグは密接な関係があり、「エンブレムに込められた想い」というのは、この世界の中ではかなり重要な存在となっています。
エンブレムがストーリーの中でどうやって出てくるのかは発売を楽しみにしてほしいのですが、ひとつ言えるのは「エンブレムというのはサッカーに関わるすべての人にとって大切なもの」だということです。
ゴールを決めた選手が、サポーターに駆け寄り、シャツの左胸にキスをする・・・
そういったシーンは何度も観られてきました。時にそれは移籍してきた選手だったり、復帰した選手だったり、ライバルチームからやってきた選手のセレブレーションであったりします。
サッカーにおけるエンブレムには、所属団体の明示や、ファッション的な要素以上の意味があることは誰もが理解していますが、エンブレムを叩いたり、掴んでみせたり、キスしたり、そのどれもがクラブへの忠誠や愛を表現しているということです。
エンブレムの多くが左胸=心臓の位置にあることもその裏付けです。
Jリーグ55クラブのエンブレムすべてを大切に表現したい。
そのコンセプトのもと、全てのクラブのエンブレムが集合した様子を、キング・オブ・エンブレムの王冠ロゴでは表現しています。
ロゴに込めた思いその③「四角形の大きさ」
それぞれの四角形の大きさにも意味があります。一番大きい四角形は、Jリーグ初年度から参戦しているクラブを。一番小さな四角形は、最近Jリーグの仲間になったクラブを表現しております。
ちなみに、昨年このロゴを作ったときには、54個の四角形で王冠は構成されていましたが、現在は小さな緑色の四角形が増え、55色となっています。
もう、おわかりですよね。
ヴァンラーレ八戸に関わる全ての皆さん、Jリーグ入会おめでとうございます。
FC今治のブルーが入ったデザインも準備していましたが、それはきっとまた近いうちにお見せすることが出来るでしょう。
なぜロゴが必要か?その④「そもそも」
そもそも、なぜロゴを作ろうと思いたったのか。
実は、これは社長である僕のたっての希望です。
従来、マンガ作品にはタイトルロゴこそあるものの、純粋なモチーフロゴは存在しません。
単純にマンガを企画したり、マンガ家さんがストーリーを作り上げる時、ロゴというものは特に存在価値はないでしょう。
グッズ化などで、バリエーション豊かなアイテムを揃えないといけないときには活躍するかもしれませんが、少なくともマンガについてまだ何も発表されてない段階で、作品公開に先駆け、時間を割いてロゴを作る必要性はまったくありません。
でも、それは普通のマンガだからです。
僕たちのキング・オブ・エンブレムには、ロゴが必要なんです。
実は、このマンガは、ひとりのマンガ家さんがストーリーを作り上げるものではありません。回ごとに作者は異なります。
不思議ですよね。
NARUTOといえば岸本先生、ONE PIECEと言えば尾田先生、こち亀といえば秋本先生・・・。
そんな風に、ひとりの作家さんが1人で作り上げるのが従来のマンガですが(編集やアシがいることは一旦置いときます)、僕たちのマンガは違います。みんなで作るんです。
例えば、
東京のマンガ家さんに、八戸の様子は描けるでしょうか?
八戸のマンガ家さんは、大分トリニータのサポーターが嬉しい様子は描くことができるでしょうか?
大分のマンガ家さんは、九州男児だからって九州の全てのクラブや地域を理解しているでしょうか?
Jリーグは百年構想と地域密着を掲げて規模を大きくしてきました。その努力の甲斐あって北海道から沖縄まで津々浦々、週末は地元のクラブを応援するカルチャーがJリーグに根付きました。
クラブがある地域は「ホームタウン」と呼ばれ、サッカーの枠を超えた取り組みに全てのクラブが精を出しています。
そうやって築き上げられた素晴らしいJリーグを表現する時、それぞれの想いや地域性、歴史、特色は、ひとりのマンガ家さんには表現できません。
例えば僕がマンガ家で、FC琉球の話を描くとします。
そうすると、ゴーヤと首里城とサンゴなど、ありきたりな観光地や名物を出して、沖縄を表現した気になります。でもそれはFC琉球を好きな人たちが見て嬉しい表現でしょうか?
コンサドーレなら、雪まつりや札幌タワー、海鮮や白い恋人でしょうか。でも、それら当たり前の名産品は、札幌の名産品であり、コンサドーレの良いところではないのではないでしょうか?また、そういったものが出てくることに札幌の人は飽きてしまっているのではないでしょうか?
同じ観光地を描くとしても、想いでそれは変わります。
「札幌といえばこれでしょ」と、よく見た場所によく見た構図で適当にカットされた札幌の町並みが背景に使われる
のと、
札幌で育ったマンガ家さんが、「札幌を出すならこういった構図で取り上げてくれたほうが札幌市民は嬉しい!」と思って描いた背景と、どちらが札幌の人たちが見て嬉しい背景になるでしょうか。
地域密着を掲げて大きくなったJリーグを描くのであれば、少なくとも55人の作家がいないとJリーグを表現できない。それが社長である僕が最初に考えたことです。
なので、キング・オブ・エンブレムは、どのクラブがメインで登場してくるかによって、作家さんが異なります。
もちろん、マンガ家さんを探すことは簡単ではありません。
・その地域に住んだことがある、もしくはその地域出身
・そのクラブのファン・サポーターである
この2つの要件のどちらかを満たす人に、それぞれのストーリーを描いてもらっています。
が、我々できたてほやほやのベンチャー企業が資本金でやりくりして出せる条件は、こちらにとっては目いっぱいでも作家さんにとってはなかなか厳しい金額であります。
また、逆にそういった条件でも描いてくれてるということは、岸本先生や尾田先生に頼んでいるのではないということも、リアルな問題として認識しておく必要もあります。
加えて、
毎回作家さんが変わるということは
絵が毎度変わりながら、
ストーリーとして一本軸を通し、
かつ不都合がなく、
全ての読者に面白く思ってもらえるような作品
でなければなりません。
これは非常に難しいことです。
ただこれは、僕がマンガ専門の出版社を立ち上げると志し、実際にリスクを取って起業したときから、これが出来る仕組みを考えることがテーマでした。
逆にこのアンソロジーなやり方を成立させることができれば、僕たちはスポーツ界にもマンガ界にも革命を起こすことが出来る!そう信じています。
ただ、そうはいってもあまりにも現実離れしたこの考え方は、マンガのプロの皆様にはいつも鼻で笑われています。
こんな話をぶち上げて「こいつバカだな」って顔で見られたことは一度や二度ではありません。
「良いですね!」なんて言いながらもそれは社交辞令。実は目の奥で冷笑されてることには、「ですよね!」と相槌を打つこちらだって気づいてます。
とはいえ、マンガのプロの皆様に鼻で笑われるのもなぜだか理解しています。ストーリーを揃え、キャラ設定を揃え、つじつまを合わせ、Jクラブのあれこれも表現し、地域性も出すなんてことをひとつの作品でやり切ることが、どれだけのミッションかというのはしっかり理解しているつもりです。
だ
か
ら
こ
そ
ロ
ゴ
が
い
る
ん
で
す
!
様々な人の想いをつなげ、同じ未来に向かってベクトルを合わせるために、
みんなが「ひとつの」作品を作ってると、無意識レベルで気持ちを揃えるために、
様々なクラブや地域性を一つの作品で表現し切るために、
そのために僕はロゴが必要だと思い、作りました。
なぜロゴが必要か?その⑤マンガだけでとどまると思うなよ?
デザインしててくれたのはうちの役員のenemちゃんです。
enemちゃんは社内で唯一マンガ業界から来た人間で、マンガ制作の知識の部分でも、実際に編集作業をする場面でも大活躍してくれてますし、何より本人も絵がとても上手です。(今年の目標は1日1枚絵を描くことだそうです。絵めっちゃ描いて帰宅した1発目のツイートがこれです)
そのenemちゃんは現在執筆の部分でもかなり忙しくしていて、スケジュール的には結構ヤバイのですが、わがままな僕は、あーでもないこーでもないと喚き立て、何度もリテイクを出し、それを反映してもらいこのロゴを作ってもらいました。
時間かけただけあって、僕もenemちゃんもだいぶ満足しております。
なので、このロゴはカッコいいんです。
マンガの販促や告知にももちろん多用しますが、デザイン的にカッコいいので、マンガの枠を越えた活用法があるのではと睨んでます。
マンガのロゴがファッショナブルだといけませんか?
アーティストの楽器にこのロゴが入ってるとダサいですか?
キング・オブ・エンブレムがエンブレムのチームがあることは良くないですか?
このエンブレムがついた車が走ってたら面白くないですか?
マンガのあり方も、スポーツのあり方も日々変わっています。
時代はどんどん移りゆく中で、固定観念に囚われていてはいけないっていうか、固定観念の中で生きるなら普通の大きい企業で働けばよかったです。
Jリーグで生まれたものが、Jリーグだけで留まってる必要はまったくなくないですか?
世界中でヤンキースの帽子が売られています。野球なんてほとんど見たこと無いヨーロッパの人達がオシャレで身にまとうのがヤンキースのロゴマークですが、このロゴはいつかそうなります。
僕たちのキング・オブ・エンブレムはマンガです。
僕らの会社はマンガの会社です。出版社です。
僕たちはたかだか20代なかばで仲良く集まった組織で、僕においては実質は中学校も出たかどうか怪しいレベル。
でもその僕たちが作るマンガで、マンガを意味していたはずのロゴが、スリランカ人のおしゃれになったり、リトアニア人の待受けになったり・・・そういうことを僕たちは目指しています。
え!あのマークって日本のフットボールリーグが出てくるコミックのロゴなのかい?じゃあ読んでみようぜ!と、メキシコ人やカメルーン人がエキサイトしてマンガを手に取るような、そういう事があってもいいはずです。
僕たちは「スポーツマンガに革命を起こす」
「スポーツマンガに革命を起こす」これが弊社の理念です。ちなみに「スポーツマンガ“で”革命を起こす」って言うときもあります。
でも革命は一発のパンチじゃ起こせません。
民衆が立ち上がって、何度も何度も巨大な壁に立ち向かって、幾度となく跳ね返されてもトライした結果、起きることが革命です。
これから僕たちは何発もパンチやキック、弓に槍を繰り出しますが、その最初の一発はこのロゴです。
僕はサッカーもマンガもみんなで盛り上がればいいと思ってます。
だから敵やライバルなんていないので、競合他社なんて言葉クソくらえですが、なんとなく世の中とか世界のぼんやりとして常識や雰囲気が僕らの敵な気がしてます。
そんなよくわからないけど大きなヤツ…に、まず投げ込む石つぶて一発。
それがキング・オブ・エンブレムだと世界が気づくのは、20年後でしょうか?10年後でしょうか?
それとも5年後でしょうか?
いや、きっと今年だぞ?
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![丸山 龍也](https://assets.st-note.com/poc-image/manual/preset_user_image/production/i04f97ff72d86.jpg?width=600&crop=1:1,smart)