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大人になったら友達なんてできない・・・って、言うじゃない?

「幼稚園から大学までの友達で、大人になってからもずっと遊ぶのは、高校の時の友達なんだって!
逆に、小学校の友達とは全然会わなくなるんだって!お母さんが昨日言ってた!」


小学校6年生の頃、親友といっても差し支えないレベルの友人が、突然そんな話を切り出した時…それはなかなかの衝撃だった。


毎日、飽きもせず一緒に遊んでるのにそんなことを言い出すものだから、「俺はいつかコイツと遊べなくなるのか・・・?」という不安に駆られ、非常に怖い気持ちになった。


幸いにもその友人との関係は続き、忙しくて行けないことが多いが、定期的に忘年会だなんだと飲みに誘ってくれる。

故に、真っ青になった15年前の自分に「キミら、大人になってもちゃんと友達のままやで」と伝えてあげたくもなるが、当時、彼が彼のお母さんから聞いた話は、あながち嘘ではないと思う。



まず事実として、その彼とですら、2019年は1回か2回しか会っていない。
友人の結婚式で久しぶりに会ったのと、夏にバーベキューしたのは2年前だったか去年だったか…まあ、それっきりである。


「○○が結婚したら、絶対同じテーブル」っていう、確実マッチングチャンスも、友達の最大公約数を見れば最大であと3回ぐらいになった。
自分らに奥さんだの子どもだのと家族が出来れば、会う機会はさらに少なくなるだろう。
このペースで行けば、下手すると死ぬまでに20~30回ぐらいしか会わないかもしれない。

あんなに仲良かったのにな。


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年イチしか会わなくて友達と言えるのだろうか?
いや、これから10年会わなくても、20年会わなくても、俺たちは絶対に友達。

ハゲて、太って、臭くなって、ヨボヨボになって、目が見えなくなり、ボケて相手のことをわからなくなっても、俺たちは友達だ。会えば無数の思い出を肴に盛り上がれるはずだーーーー。そう信じている。



が、それは俺と彼の仲だからこそ。
小学校時代のその他大勢の仲間とは、これから同じレベルで話すことも難しくなってくるはずだ。


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友達は減るし、増えない。

「近所だった」という運命的なくくりで、同じ幼稚園や小学校からスタートした人生も、幾多の分岐点を経由するうちに全く違うものになっている。


持ち前の社交性で、誰とでも気兼ねなく話せる立ち位置を確立した俺ですら、近年は同窓会の幹事をするのが少々しんどくなってきた。それは、直感的に「生きているゾーンが違う」と感じているからに思う。

誰とでも気兼ねなく話せる俺がそうなら、俺以外の人間は、俺以外の人間同士でコミュニケーションすることが、一層と難儀なものになっているはずだ。


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シンプルに、俺たち1992年生まれの同級生は二度と増えない。

実感はないが、1993年の4月からずっと、どこかで知らない同い年が死んで、減り続けてる。
そういうわけで、昔からの友人もこれから先どんどん会えなくなっていくし、死なないにしろ、地方やら海外に行って連絡が取れなくなったり、現実的に縁が切れることもある。


こんな世の中だから、表になかなか出てこない者も増えるだろうし、反対にエリートサラリーマンになったり、BIGになっちゃったりして、俺たちパンピーとは目線が変わってしまう人も出てくると思う。



なので、放っておくと友達は減るばかりだ。

友達が減ると寂しいし、つまらない。豊かな人生を送るには、友達はどんどん増えたらいいなと思う。

だけど、おじさんたちに聞けば、なかなかこれが難しいらしい。


どうしてですかと切り返すと、三者三様にそれなりの見解が返ってくるが、要は、大人になってから出会う人間はボールと共に公園へほっぽり出されたから無条件で仲良くなりました、みたいなことが不可能だからだ。



誰かと出会うキッカケは、大人になればほとんが仕事だろうし、遊ぶにしたってそれなりにお金がかかる。
なので、どうしたってビジネスというか、経済活動というか、お金の話はまとわりついてくる。これが大人だ。

いつかのように、缶があれば3時間、ボールがあれば5時間、ゲームがあれば丸一日遊べるようなこともない。


俺は飲み会に5000円出せる。
でも、3000円しか出せないやつもいるし、1万円のコースが食いたいやつもいる。


遅くまで遊んでタクシーで帰りたい人。
奥さんに怒られるから21時に帰りたい人。
車で来てる人。
明日は仕事がない人。
そもそも仕事に就けてない人。
給料日前の人。
ボーナス後の人。

みんなが仲良く共存するのはかなり難しい。ていうか、そんなことできるんだろうか。たぶん無理だ。


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それに、大人は人間関係に価値を求める
なんのリターンも考えず、好奇心のみでチャリンコを無限に漕いでるわけにもいかない。だから、何かしらの駆け引きのもと、価値ある人間関係を構築しようとする。


「仕事になるかな」

「あの人紹介してもらえるかな?」

「付き合ってて良いことあるかな?」


みんなみんな、無差別無条件で、出会う人を天秤にかけている。社会人は時間がないのだ。





そんなわけでオジさん達はこういう。



「大人になると友達は減るぞ」

「大人になってから出会う人は友達にならない」



先人の話に素直に耳を傾け「そうっすよねええーーーー」と相槌を打ちながら、なんだか残念な気持ちになる。そんなことが数年続いていた。

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無償の関係。

ところが、最近そうでもない気がしてきた。

というのも、事業大失敗の連続と、このコロナ騒動に加えて、自分自身の波乱万丈さも乗っかり、誰からも見放されたっていいフェーズまで落ちてきた。


なのに、なんだかんだと、あったかくしてくれる人が多くて、そこに利害関係がないように感じることが多い。


先日、 #アスリートSNS本 こと「アスリートのためのソーシャルメディア活用術」を出版した 五勝出くん @gokatsu もそのひとり。



出会う前から、その存在自体は知っていた。

アスリートのセカンドキャリアについて積極的に発信し、継続的に彼のnoteやツイートがバズっていたので、タイムラインで名前を見かけることも多く、勉強のために記事も読ませてもらっていた。


加えてその名前から、
「五に、勝に、拳・・・強そうな名前・・・元々、サッカーも選手としてやってたっぽいし、さぞフィジカルお化けみたいなやつなんだろう・・・筋トレ好きそう・・・殴られたら絶対痛い・・・」と勝手にイメージを膨らませていた。


だが、実際会うと全くの逆。


「ひょろい!」

失礼ながらそう思った俺は、名刺交換をしつつ
「名前見たらイカついと思ってたんですけど、ぜんぜん違いますね!!!!」
と、更に失礼を重ねたが、そんなことから打ち解けて話が弾んでいくと、そうやら同い年だということが判明。


ちなみに余談だが、その日に出会った人は、なぜか今も関係が続いているし、リスペクトできる人が多い。
非常に刺激的で、素晴らしいイベントだった。

俺は、起業直後で熱量もホヤホヤ。
周りにいるキラキラした人達に、自分が描いていることを知ってもらおうと、スポーツマンガ事業の構想について、好き勝手なことを大きな声で話していたと思う。



そんな中でも五勝出くんとは特に意気投合し、アスリートのセカンドキャリアに課題感を持っていること、超大手の会社を辞めようとしてること、色んな話を聞き、非常に刺激を受けたことを覚えている。



「すごい同い年がいるもんだな〜」と感心しながらほろ酔いする俺が、さらに感心したのが帰り道。

FBの友達申請と同時に、弊社の事業プランに対するアイデアを簡潔にまとめて送ってきてくれた。


そんなやつはあんまりいない。
意識の高い彼なので、色んな人に対して時たまやっているのかもしれないけれど、ほろ酔いながらもそうやって次に繋がるステップを踏めることに、シンプルにリスペクトの念を抱いた。

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だからこそ、信用できる。

そこからというものの、非常に仲良くなった。というか、よく会うようになった。

誘われていたストリーミング配信に彼を誘ったり、一緒にイベントに行こうよと誘われたり、モデレーターとスピーカーとして同じ舞台に登壇したり、勉強会に参加したり。

夜な夜な、俺が思いついたビジネスプランの叩き台になってもらうことは本当に頻繁にあるし、そうじゃなくても色んな相談にも乗ってもらったり、くだらない話でゲラゲラしたり。


えとみほさん @etomiho が、本を一緒に書かない?と五勝出くんを誘った瞬間にも立ち会った。 それが #アスリートSNS本 となり、スポーツ界で話題になっていることを大変嬉しく思う。

また、今年潰した焼肉屋とスポーツバーに、一番たくさん顔を出してくれたのも彼である。
忙しい中で町田まで来てくれて、過労で瀕死状態の俺を温泉へと連れ回し、朝までゆっくり話しをしてくれたことは、本当に感謝してる。

ちなみに、彼と一緒にいることで、お金が生まれたことは今の所ない。つまり仕事になっていないのだ。
「お金稼ぐの苦手なんだよね〜」はお互いの口癖であり課題である。


noteに大っぴらに書けない話もある。宇都宮の夜、淡路島の帰り道、どっちかっていうと書けないのは俺のせいで、借りがあるのだが(苦笑)兎にも角にも忘れがたい思い出にはなった。




前述のとおり、結構な数のオジさん達が「大人になると友達できないぞ」

と言ってきたわけだが、まあ、それなりにあっていると思う。でも、アホみたいな顔して俺は言いたい。できたんですけど!と。





そんな彼が、NPOを立ち上げるという。

話自体はなんとなく前からあったのだが、改めてしっかり動き出すということで「丸ちゃんも理事になってよ〜」と誘われ、とりあえず住民票と印鑑を持って会いにいき、設立の届け出にハンコを押した。


書類ができてから、「会社の名前は”izm”と言ってね」と、五勝出くんは設立経緯や理念など、詳しいプランを説明しはじめたのだが、すでに理事になっちゃったあとなので

「ハンコ押してから会社の名前知るとか、ビジネスプラン知るって、普通に考えたら順番逆だよな」

と思った。

でも、そう出来たのは彼がこの1年半で培った信頼が絶大だからだ。
(この軽すぎるフットワークが、今の自分が置かれている状況を招いていることは、本件とは別に猛省すべきと自戒を込めて記しておく)


まず、「アスリートのセカンドキャリア」的なスポーツ業界の課題に対し、彼が非常に真摯に取り組んでいるのは、近くにいてビシビシ感じる紛れもない事実。

それに、黙っていれば高年収で悠々自適に暮らせるはずの大企業を辞め、アスリートマネジメントのド級ベンチャーに転職したことが、彼の心意気や決意を表している。ちなみに今の仕事は、もちろんNPOが出来ても継続し、本気で取り組むという。

なにより、日頃からコツコツと発信を続けていることが、その熱量が一過性のものでないことの証明になっている。
その彼が、広い意味、長い意味でアスリートの人生をサポートするNPOを立ち上げるのは、非常に理にかなっている話だなと思った。
今の仕事との相乗効果もキッチリとあるように思う。




話が逸れたが、会社のことは改めてどこかで話すとして、何よりも「友達」としての信頼を強く感じたことを書き残しておきたい。

役員報酬みたいなものは当分ないだろうし、ゴリゴリのベンチャーで寝る間もなく働いてるのは、彼も俺も同じだ。
幸いなことに、元々やってることとベクトルが近めではあるが、それにしたって本業の足枷になるリスクはそれなりにある。
仕事としてメシの種になりそうな話は、今の段階ではない。



それでも細かいことは気にせず、一緒にやろうぜ!と思えるのは、友達だからこそである。良い意味で、遊びであり部活みたいなものなのかもしれない。いや、まだなんもやってないけど。


ビジネス的な信頼ではなく、友達的な信頼だからこそ、こうやって新しいことをサクッと気持ちよく始められる部分はある。






この記事の冒頭に出てきた小学校の友人に、何か頼み事をされたら。それが俺のできることであれば、たぶん無条件で引き受ける。

結構キツイことでも、できる限り自分の100%協力する。それは小さい頃から積み重ねてきた「友達的な信頼」があるからこそで、同じように引き受けられる友人はそう多くない。




だが、五勝出くんは、俺の中では冒頭の小学校からの友人と同じ枠である。大人になってから出会った彼に対し、そう思える人生を歩めてることは結構幸せなことだよな、と感じると同時に

「大人になったらビジネスライクな関係しかない」

という在り来りな固定観念は、なるべくどこかに置いておきたいなと思う。



利己的な悪い人も、お口が上手な営業マンも、世の中には色んな人が多種多様にいるわけで、あんまり純情に身を振りすぎるのも良くないのかもしれない。


が、腹を割って本音で話すことを重ねていくことで、昔からの友達のような厚い信頼ができる、それは絶対に良いことだ。


人を信じることは、傷つくことと裏腹かもしれない。
が、そうなっても「まあ、いっか」と許せる仲の人を、俺は人生でたくさん作りたいと思う。

ちなみに焼肉屋を一緒にやった同級生も、スポーツバーの店長をやってくれた昔からの仲間にも、「まあ、いっか」の気持ちでいっぱいである。向こうはどう思ってるか知らないが。笑


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コロナもそうだし、オリンピックは延期になるし、自分自身も崖っぷちのぷちっぷち。
それは今に始まったことではなく、世の中はいつも不安定だ。
だが、そういう時だからこそ、大切なものはなにか?と改めて確認したい。












そんなめっちゃイイヤツが書いたこの一冊。ぜひ読んでくださいな。
この本をきっかけに彼は名前が売れて「丸ちゃん五勝出さんと仲良いよね?今度紹介してくれない?」と多方面の人から言われるようになった。
それは自分のことのように誇らしい。


あと、彼が所属する株式会社Reviveもどうぞよろしく。

五勝出くんだけではなく、社長の前田眞郷さんもめちゃめちゃ熱くてかっこいいです。



ではでは。










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丸山 龍也
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