
『モダンエルダー -40代以上が「職場の賢者」を目指すこれからの働き方-』
本noteでは読んだ本の感想や働き方のヒントをお届けしています。
今回ご紹介するのは、チップ・コンリー著『モダンエルダー -40代以上が「職場の賢者」を目指すこれからの働き方-』です。
AIやDXの進展により変化が加速する時代、年齢を重ねても新しいキャリアを切り拓くために必要な考え方や行動とは何か?
著者自身の経験をベースに、モダンエルダー(現代の年長者)としての役割が描かれています。ぜひ最後までお楽しみください!!
こういう方におすすめ!
☑ 新しく再出発したいが、年齢を理由に一歩を踏み出せず悩んでいる
☑ AI/DXのデジタル時代に「自分の存在価値」を見失いそうで不安を感じる
☑ これまで培ってきた知識や経験を、どのように活かして次のキャリアを築くか悩んでいる
タイトル:『モダンエルダー -40代以上が「職場の賢者」を目指すこれからの働き方-』
著者:チップ・コンリー
①この本を読むことになった背景
長年勤めたユニクロを退職して、もうすぐ5年になります。その間、ベンチャー企業やスタートアップ、地方自治体、大学など、これまで縁のなかった多様な方々と一緒に仕事をしてきました。その中で自然と「これからの働き方」について考える機会が増えていきました。
特に最近はスタートアップの多くは若者が中心となって事業を推進するケースが多いが、実は大企業で培った年長者の知識・経験があれば若いチームの不足部分を補い更に革新的なことができるのではないか?と思っています。
私自身は38歳のため、本書が想定している“モダンエルダー世代”より少し若いものの、「若者でもない」という微妙な立場にいます。。。
自社の「データ活用を民主化する」取り組みにおいても、若い世代だけではなく、年齢を重ねた人が持つ知恵や視点をどう活かせるか?が重要だと考え、本書を手に取りました。
②この本のみどころ
1.著者の大胆なキャリアチェンジと様々な挑戦を追体験
本書の著者チップ・コンリーは、かつて自身が創業したブティックホテルグループを世界2位の規模に成長させ、50歳手前にして同社を売却しました。
そこから次の道を探していたところ、Airbnb(エアビーアンドビー)の創業者CEOであるブライアンに誘われ、平均年齢20代のテクノロジー企業へ53歳で飛び込みました。
この実体験から得た「40代以上がこれからのキャリアをどう築くか」が本書の軸となっています。
まるで映画『マイ・インターン』の中で70歳のロバート・デ・ニーロが若手CEOアン・ハサウェイと一緒に試行錯誤してきたようなことが追体験できます(笑)
2.モダンエルダーは現代に欠かせない役割
“モダンエルダー(現代の年長者)”と呼ばれる人の特徴は、「単に年を重ねただけ」の人とは違い、次のような“知恵”を備えていることだと著者は説きます。
①優れた判断力
若者が激流を下るとき、どこに岩があるかを警告できる先導役
②本物の洞察
雑多な情報の中から、本質的な課題やリスクを見極める
③心の知能指数(EQ)
自分や相手の感情に共感し、適切にコントロールできる
④俯瞰的な思考力
点と点をつなげ、大局的な視点で物事を把握する
⑤奉仕の心
過去の経験を未来の世代に還元したいと思う意志
本書では、これらの要素を高めるために「①進化する」「②学習する」「③コラボレーションする」「④相談に乗る」という4つのレッスンが解説されています。
3.不安や恐れは“好奇心”に変えられる
最後の見どころは、不安や恐れを抱えている人に自信を与えてくれる点です。
年齢を重ねると、どうしても未経験の領域や環境へ飛び込むことに対して恐れが出やすくなります。
著書は本書で下記のことを強調しています。
“好奇心を維持することでその恐れを克服し新しい挑戦を続けるべきだ”
実際、著者自身も50代半ばでAirbnb(エアビーアンドビー)に入り、全く異なる世代・企業文化の中でゼロから学び直した経験を持っています。
そこから得られた勇気や気づきは「今からでも遅くない!」という励ましにつながるはずです。
③この本を読んで実践すること
1.異なる世代・業界の“橋渡し役”を意識する
私自身、これまで異なる立場や考え方を持つ人たちをつなげ、プロジェクトを動かす役目を担ってきました。
本書を読んで改めて感じたのは、若い人と年長者が一緒に仕事をする際、それぞれが相手の”弱み”ではなく“強み”に目を向けられるようサポートすることが大切だということです。
そのためこれまで以上に両者の強みが最大限に活かせることを考えて、異なる世代・業界の“橋渡し役”としても取り組んでいきたいと思いました。
2.恐れや不安を好奇心に切り替え、チャレンジし続ける
5年前、私が34歳で転職したときも大きな不安がありました。しかし、そこで動かなかったら得られなかった経験や人脈が今につながっています。
年を重ねるほど保身的になりがちですが、“学ぶ姿勢”と“好奇心”を常に持ち続け、変化を楽しむ心を育てていきたいと思いました。
特にこれからはより年齢のことを気にする機会が増えるかもしれませんが、あの偉大なピーター・ドラッカーも45冊の著書のうち、全体の三分の二は65歳以上に執筆したものです。
そう考えると38歳の自分はこれから新たなことを始めるのは決して遅いことではないと思うので、恐れや不安は好奇心に変えてチャレンジを続けていきたいと思いました。
3.自分が“モダンエルダー”として提供できる価値を整理する
AI研究に携わる今の環境を活かし、Pythonなど新たな技術を習得するだけでなく、これまでのキャリアで培った知識やマネジメント経験を若い世代と交換・融合していきたいと思いました。
またお互いが学び合う関係性を築くことで、より大きな成果を生み出せるとも確信しため自分のこれまでの知見や知識は今後も惜しみなく提供していこうと思いました。
④まとめ
『モダンエルダー』は、年齢を重ねながらキャリアの新しいステージを歩みたい人にとって、大きなヒントが詰まった一冊です。
40代や50代、さらには60代以上でも「今からでは遅い」ということはなく、むしろ豊富な経験や視点を活かして若い世代とコラボレーションできるチャンスがあると感じました。
自分が持っている知恵や知識を惜しみなく提供する一方で、若い人たちから新しい技術や視点をどんどん取り入れる。
そのサイクルが回れば、“職場の賢者(モダンエルダー)”として活躍できる可能性は広がります。
今後も本書の学びを生かして、新しい分野や人との交わりを楽しみながら成長し続けたいと思います。
感謝
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
もしこの記事が参考になりましたら、「スキ」で応援していただけると嬉しいです。
今後の更新をお見逃しないよう、ぜひ「フォロー」もよろしくお願いします!