【緊急帝王切開レポ】①ひたすらつらい産前編

先月第二子である息子を出産しました。
第一子の時に切迫早産で2ヶ月ほど自宅安静となっていたので、今回も一筋縄ではいかないお産になるのではないかとうっすら思ってはいました。しかし想像していたよりも若干ハードな体験となったのでここに書き残して、自分の中の色んな思いを供養したいと思います。


そもそもお産直前まで平和だったかといえばそうではなく、妊娠発覚時から第一子の娘の時にはなかったつわりがあった。寝ても覚めても気持ち悪く、食欲はわかず動くと吐き気が増すのでひたすら横になる日々。
それが妊娠7ヶ月まで続いていざハッピーマタニティライフ!と思った矢先にお腹の張りが気になるように。娘の時も子宮頸管長の短縮+やや頻回なお腹の張りがあり切迫早産と診断されたため、今回もかと落胆…。
無理をしないようにするものの、3歳児のワンオペで完全に無理ない生活は不可能で、8ヶ月のある日夜間の頻回かつ腰が痛くなるくらいの強い張りがあったため緊急入院となっていた。
その後20日近くお産予定のクリニックで張り止めの薬を最大量点滴してひたすら安静にする日々を送っていたが、33週のある日突然の高位破水。クリニックでは手に負えなくなったため近くの大きな病院で転院先を探すが生憎満床だったため、やむなく車で小一時間かかる総合病院へ緊急搬送されたのだった。

33週5日で緊急入院となった総合病院では、救急車で搬入されてから看護師さんが慌ただしく採血・バイタルチェック・入院や手術の同意書の説明等をしてくれた。その後ドクターによる内診と状況の説明。この時点で高位破水が確定したが胎児に異常は見られないため、このまま張り止めを使用して行けるところまで妊娠を継続するという判断がくだった。行けるところまでといっても破水してしまっているため、持って1週間程度だろうとのこと。
クリニックで内診してもらった時点でも胎児は元気と言われていたので搬送されている最中もそこまで落ち込みはしなかったが、きっと正産期までは持たないのだろうとなんとなく感じていた。
クリニックで点滴していたリトドリンの最大容量に加えて新たにマグセントも点滴に追加となった。
マグセントは最初に一度高用量を入れ、その後用量を落として継続する。この最初の高用量の時に血管痛があり辛かった!この後容量を落としてくれることを知らなかったので、もしかして妊娠が継続する限り(=MAX7日程度)この痛みを耐えなければいけないのかと思って気が遠くなりそうだった。
元々採血や内診といった痛みを伴う検査や治療は人より耐性がある方だと思っていたけど、この日まで20日近く差し替え差し替えでずっと点滴して両腕はボロボロ、安静のために体中はバキバキ、薬の副作用でずっと脈拍が110位と既にかなり肉体的にダメージを負っていたのでここに更に痛みが加わるのかと思うと本当にギブアップすることになるかもしれないと思った。というか、聞いた。「これ…血管がなかなか痛いんですけど…頑張りますがダメそうだったらギブアップしていいですか…」って。
看護師さんはちょっとびっくりしていたけど、しばらくしたら落ち着くかもしれないので一旦様子をみましょうね!とうまくなだめてくれた。
その後小一時間して用量を落としてもらうと血管痛はおさまったので助かった。

夕方緊急搬送されて諸々の処置が終わったのが夜。今日は一旦LDRで寝てもらいますとのことだった。色々あって疲れたので眠りたかったが、数時間おきに点滴の確認や調整で看護師さんが出入りして全然眠れなかった。

マグセントのメジャーな副作用で倦怠感があるようで、朝様子を見に来てくれたドクターに「身の置き所のないようなだるさはないですか?」と聞かれた。幸いだるさはあまりなかったが、「身の置き所のないようなだるさ」というフレーズがなんだかすごくツボに入ってしまった。思い返すと昔インフルエンザにかかって40度の熱が出た時に、体に鉛を入れられたか重力が10倍くらいになったのかと思うような凄まじいだるさがあったのだけれど、きっとあれが身の置き所のないようなだるさだったんだろう。
だるさはなかったが、もう一つよく見られる副作用でまぶたが重く感じるというものがあるようだった。こちらはテキメンに現れていた。
あまり想像がつかないかもしれないが、普通に目を開けているのに半目になってしまうのだ。瞼をぐっとあげて目を見開くと、ようやく普通に目を開けている時程度になる。だから通常時は常に半目で、なんだかガチャピンみたいだった。
こんな副作用は初めてで、正直辛さよりも面白さがちょっと勝った。
そして目を開けていると常にまぶたが重いせいで、なぜか脳が眠いと勘違いしているようだった。しかし安静続きで体を動かせないせいで実際に入眠はあまりできない。ただただ体を横たえて、堂々巡りする思考に飽きて、3度の食事と数回のトイレ以外はぼーっとするだけの廃人のような生活だった。スクリーンを注視するとお腹の張りがくるので、スマホはほとんど見られなかった。代わりにAudibleやVoicy等の音声コンテンツや、テレビの音声で気を紛らわせていた。文字にすると楽なようだけど、実際は今までの人生で経験したことがないタイプの地獄だった。自分の感情を言葉にするのは得意なのだが、この時の感情はいまだに整理できなくてなんと表現していいのかわからない。

20日近くまともに動けないせいで身体がとにかく強張る
お腹が大きかったり点滴が刺さったりしているせいで横になるにも体勢が限られて身体が痛い
点滴や度重なる内診などで定期的に感じる痛み
体を動かせないせいでリフレッシュできず病んでいく精神
体を動かせないせいで浅くなる眠り
いつまでこの状態が続くのかがわからず見えないゴール
子は無事に産まれてくるのか、育っていけるのかという不安
ここまで弱ってしまった身体が産後元に戻るのかという不安
本当はもうしばらく幸せな妊婦生活を謳歌できていたかもしれないという切なさ
そういういろんなものがごちゃごちゃになって、本当にひたすら辛かった。
本当に辛かった。

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