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銀貨
2021年3月17日 01:09
「Uって上手に書けないんだよね」そんなことを言う彼女を後目に、僕はペンを走らせる。きっといつまでもそうしていくのだろうと思っていた。偶然のように出会ったのは2年前のことだ。死ぬことばかりを考えていた僕に声をかけてきたのは彼女で、いつまでそんな「日常」で揺蕩っていられるだろうと、想像もしなかった。そんな揺らぎなど存在しなかった。それほどに確固たるものでその日常は繋ぎ止められていた。