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本当はあったかもしれない『ボーはおそれている』 感想

「ボーはおそれている」を見た感想と勝手な憶測


ストレートな感想

面白いシーンと微妙なシーンがありました。
微妙なシーンに関しては「間奏のようなシーン」と監督がどこかのインタビューで言ってたような言ってなかったような?
人を選ぶとは思うけど挑戦的な試みは面白い。
僕の心底嫌いな映画と並べて考えたら嫌いという感情は無かった。
グロ表現とか怖いシーンが来るかもしれない恐怖はめちゃくちゃあったけど、蓋を開けてみたらそんなに多くはなかった、と思う。

家族と観るには向かない映画なのは確か。


でも家族の在り方や付き合い方を考えるには良いのかもしれないので家族と観るのもアリ?


ナシ。


ボーは何をおそれているのか?

というテーマについて考える。

お母さんに閉じ込められること?
自分がしたことについて叱られること?
んー。どうなのか。

大抵の映画の意図について一度の鑑賞で拾い切れない自分はここで一つ自由な発想を元に考察したい。

ボーがおそれていることは何なのか?
この映画について考えていると、要所要所で「あれは本当だったのか?」「嘘だったのか?」と考えさせられる。
何故なら主人公は病気らしく、謎の新薬を注意事項を守らず飲んでおり、謎の娘に謎の葉っぱを吸わされ、それらのどこまでかは知らないが仕組まれていたことだったと言われたからである。
そんなのもう、なんでもアリ?

アリ。

ということなので自分の考察を書く。

説1.全部妄想説

全部屋根裏閉じ込められ老いボーの妄想だった説!!
これはわりとありでは?
これだけ楽しませてくれたなら全部夢とか妄想でも全然あり!!
難しいこと全然わからないし妄想ってことでいいわ!

説2.半分妄想説

いや!
それではあれもこれも関連性が無さ過ぎる!!
許せないよ!!

でしょうね。

それなら半分で手を打ちましょう。

閉じ込められたのは間違いなし!!!
でも森の劇で鎖を断ち切るシーンがあったよね!!スープの看板もあった!!屋根裏にいた老人はスープ用の器を突き出していた!!
伏線回収!!
あとは屋根裏から這い出てきてしばらく動いていなかったから大変だったけどお母さんの首を絞めて大脱出!!!
しかしボートに乗ってなんとか逃げ延びた時見た風景が美し過ぎてなんだか自分のやったことがものすごく悪いことの様に思えてきた...。
そんな時にエンジンが故障!!
ドカンと爆発し船が転覆するまでに自分のこれまでの行いを少し今風に走馬灯として見ることになる!!これがアリーナでの裁判の様なシーンとして描かれた!!

脱出!!→首絞め!!→大爆死!!!

これが『ボーはおそれている』の真実だ!!



ふーん?


説3.起きたことは全部本当、だけど最も恐ろしい説



ひとは一度疑った後に提示された答えは意外と信じてもう疑わないという特性があるとか無いとか?やっぱりあるとか? 

伏線すべて解説するのも野暮だし、
『完全解説』まで公式が用意してくれたのにまだ疑うのもなぁ。
え?じゃあ公式が「こうです!」って言ったら全部信じるんですか?
映画が難解過ぎたが故に鑑賞した人々の思考力まで奪ってしまうなんて...。


なんということでしょう。


ところで野暮っていうのはどういう意味?
粋じゃないとか、カッコ悪いとか?みなまで言うなみたいなこと?ずっとよくわからないからなかなか使えない言葉。

そうして生まれたのがこの第3の説です。

この映画には怖いものが沢山出てきましたね?

屋根裏に閉じ込められる
男性器の化け物(なんで腕カマキリ?)
支配される恐怖
単純に人の死
爆発
銃撃
なんかよくわからない隣人
などなど

単純に考えたら全部怖い。
前の映画と比較するから「なんかべつに」な感じになってるだけです。
現実にあったら全部めちゃくちゃ怖い。

だけど本当に怖いことがこれ以外にあるとしたら?

完全解説でも拾い切れなかった
トンチンカンな考察が今、始まる。

言いたいのはつまり「映画は主人公の生活や行動をドラマチックに切り取ったものと仮定すると、切り取れてない場面もあるのではないか?」

疑いたいのは題名、つまり
あの男は本当にボーだったのか?
ということである。
ポスターもボー。
みんなボーをボーと呼んでいます。
お母さんでさえも。
しかし、お風呂場のシーンについて、一人称視点でわからないことが多く、ボーの幼少期の見た目もわからない(忘れてるだけならごめんなさい)。兄弟が居たなら母親は思い通りにならない方は要らなくて、反抗的じゃないボーだけ超過保護に育てたってこと?
それはそれで怖いし酷い。
本当にずっと屋根裏にいたならもっと早く死んでいてもおかしくないのでは?人間の生命力って意外と強い?

そんな話ではなくて、簡単にいうと、

「双子だったからまだそんなに見た目が変わっていない幼少期に閉じ込められた段階で入れ替わり、そのままになっているのではないか?」

ということだ。
そう思う理由は次の通り。
1.成長した青年ボー外の世界に圧倒され過ぎ。
→発達が云々はわかったけど、そんなにぼんやりしてるものなのか?

2.「自分の行いを責めるな」的なメモ書き
→母親の葬儀にじつは行かない。行きたくないと決めてる自分に対するメモ?うーん。それなら「昔入れ替わったままの兄弟が今も繋がれている」ことに対する罪悪感の表れの方がしっくり来る気がする。

3.頑なに自分の意見を言わないボー
→というかなんか隠してる感がある。
完全解説のしっくり来なさはホアキンの「じつはボーじゃないけど...」の演技の賜物だった!!!

以上のことからあのボーがボーであるということさえも疑ってみた結果、よくわからない考察が出来上がりましたとさ。
じゃあ本物のボーはずっとあの屋根裏で母親に怯えながら暮らしてるってこと!!?!?
なんておそろしい!!!
『ボーはおそれている』!!!!!


広告やその他伏線について

調べれば調べるほど伏線の数がすごい。
目につく風景にこれでもかとメッセージが。
注意深く観ていたつもりが途中から追うことも忘れて映像に没頭している。
とても興味深い作品でした。
一時停止しながら観た?って海外の記事もあった。目を凝らさないとすべての解読は難しい。

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