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【音楽連載】ごめんね。|本日もくらげ日和!vol.2|音楽と文:RaGmy -具志堅舞-@石垣島



東京へ

「カバン一つで旅行へ行ったはずの東京に数年も住むなんて、
あの時の私は考えもしなかったさー。」

と、のうのうと前回の記事で綴ったが
電車の乗り方だったり
働き先を探したり
それはそれは
なかなか大変だったなと

そして

あの頃の私
めちゃくちゃアホじゃん

と・・・
改めて思ふ。

まず電車についてだが
当時住んでいたお家の最寄駅が
中央線の武蔵小金井駅。
東京都だが23区外。
なぜそこだったのかというと
私より2ヶ月早く上京した兄が
住んでいたからである。
兄が住んでいた狭い1Rに
転がり込んだ私。

「東京=新宿」
そう考えていた私は
武蔵小金井駅から
1本で新宿に行けることを知り
新宿に繋がっているということで
中央線は最強の電車と思っていた。

中央線はどこへでも
連れて行ってくれると思っていた。


中央線は魔法の電車

私の上京と共に
一緒に島から旅行に来た後輩。
2泊3日の東京観光を終え、
彼女が島に帰る日に
「東京わかんないしょ?
 羽田まで送ってあげるよ。」
と得意気に言い放ち
新宿で合流。

どこへでも連れて行ってくれる魔法の電車
中央線に彼女の手を引いて飛び乗り
羽田空港へ向かった。

新宿で合流し
シャレオツなカフェで
優雅にお茶していたので
(お茶する?って言葉使いたかっただけ)
飛行機の時間もなかなか迫っていた。

そして島の感覚なので
20分ぐらいで
目的地に着くと思っていた。

「え?調べなかったの?
 携帯電話ってなかったの?」

そう思ってる方も
いることでしょう。

もちろん携帯電話持ってたさー。
もはや携帯電話(ガラケー)に
Wi-Fiが搭載された時代の話でっせ。

そんなものに頼らなくても
中央線は連れて行ってくれると
信じていたのです。

そう、羽田空港に。

でもさすがに
御茶ノ水あたりで
何かがおかしいことに気づき
ドアの上にあるモニターを
ずっと見上げたよ。

一駅一駅進む毎に
羽田空港の駅名が出てくることを信じて。

完全に私に頼り切っている
島の後輩を不安にさせるわけには
いかないので平然を装う私。

しかも私が乗っていたのは
中央線ではなく
中央・総武線の方でした。

ちょっとこれは
いくらなんでもおかしいと
亀戸駅で降り、
やっと携帯電話を取り出す私。
千葉方面に向かっていることを知り
さすがにいくらなんでも
それはありえねぇと

「あ、通り過ぎちゃってる!
 ちょっと戻ろうか!
 ごめんごめん!テヘッ」

と、後輩の目を見ることなく電車を降り
ようやく正式なルートを把握する。

本当にこの時まで私は
中央線は最強と思っていた。

羽田空港へ
ディズニーランドへ
お台場へ

どこへでも連れて行ってくれる
魔法の電車だと・・・

「中央線の嘘つき!
 田舎者だと思って
 私のこと騙したのね!」

と言っても
勝手に思い込んでいたのは私だ。

ちゃんと調べなかったのは私だ。

その後の結論を言うと
後輩は本当にギリギリで
飛行機に間に合った。

あの時ほど
電車を降りて羽田空港内を
全力疾走したことはないだろう。

きっとこの経験は
田舎から東京に上京してきた人
あるあるなのだろうと

私はそう思いたい。


ごめんね。



ちなみに私は
上京後も3ヶ月に1回ほどのペースで
島に帰っていた。

なぜかと言うと
当時付き合っていた彼氏を置いて
東京に移り住んだからだ。
つまり島と東京の遠距離恋愛。

「東京に旅行してくるねー!」
と言って出て行った彼女が帰ってくるのを
今か今かと待ってくれていたであろう彼。

結局私はそのまま住み着くことになり
お別れをしたのだが、
そんな彼を思って書いた曲のタイトルが、

ごめんね。
————————————-

迷っていた気持ちに嘘はつけず
「もう嫌だな」って思ったこともあった
大人になっていく君を見てて
この距離がものすごく遠く感じた
 
君のそばにいたわずかな時間
いつまでも続いていく
そんな気がして
言葉にしなければ伝わらないと
わかっても明日をずっと待ってた
 
でも少し気づいていたよ
君はもう僕から離れていく
 
あなたの大きな手は
たくさんの悲しみを包んでくれたね
いまさら気づいたんだよ
臆病なこの僕を
置いていかないで
 
「お前はどれくらい
俺のことを好きなの?」
だなんて君が聞くから
愛しいだなんて言い慣れなくて
いつもごまかして伝えずにいた
 
「愛してる」その一言で
もしかして君はそばにいたかな
 
ごめんね
近くにいた君の事見てなくて
悲しませてたね
今更愛してると歌っても
もう君に届かないのに

————————————-

フラれた歌詞になっているが、
そりゃフラれるわ。
置いてけぼりにして
島を出たのは私なんだから。

今の私に必要なのは
恋愛じゃなく音楽だあぁ!!

そう言い聞かせて
過ごしていた19歳の東京生活。

今でも私がこうして
歌い続けていられるのは
あの時私を引き止めず
背中を押してくれた
彼のおかげもあるだろう。

次回の記事は
「具志堅、
 面接会場はセーラ服カラオケ?!」
の話でもしようかな。

今月のふろく

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この記事を書いた人


Ragmy -具志堅舞-
石垣島出身。くらげを愛する唄うたい。幼少期よりのど自慢大会や芸能スクールオーディションなどに積極的に参加し、歌やダンス、ギター、楽曲制作を始める。高校卒業後、東京にて音楽活動を行い、その後沖縄本島へ。2020年に石垣島へ帰郷。キッズダンススクール「cafumusica entertainment 」インストラクター。
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