開館2週間、月1000名ペースで小中高生が集まる仕掛け。こどもの居場所施設が開館前にすべき準備。
こんにちは、まるのどひです。
みんなの公民館まるが開館しはじめて約2週間となりました。開館してからのまるはとにかくこども、こども、こども!という感じで、めちゃくちゃ人が集まっています。
多い日だと1日50名くらいの来館で、いまは主に小学生ですが、中高生のなかでも広がりはじめていて閉館時間の21時ギリギリまで滞在してくれる高校生もではじめています。
たったの2週間(開館日は9日間)で小中高生の来館者は264名ということになりました。このペースでいくと月1000名くらいのイメージです。
ちょこちょこ視察や見学の方もいらっしゃっていて、聞かれるのは「どうやってこどもたちに広報してるんですか?」というもの。
実は裏側でいろいろ仕掛けていることがあって、今日はそのことを書いてみたいと思います。
プロセスを開きまくっていた
みんなの公民館まるがオープンしたのは今年の9月中頃のこと。でも、その9ヶ月前になる1月には物件取得も終わっていたので、とりあえず芝生を敷いて開けるということをやっていました。
コミュニティスペースの鉄則は、とにかくプロセスを開くということです。その意味で、オープンしてからよーいドンではなく、オープンする前から勝負ははじまっています。
開館前のまるは無法地帯な感じではありますが、これはこれで楽しそうな場所になっていました。(なぜかライオンが転がっている 笑)
実はこの時から常連のこどもたちがいて、すでに関係づくりをしていました。基本オープン前はこの芝生空間でスタッフが仕事をしていて、小学生たちと遊んでいたりしていました。
オープン前の段階から固有名詞で呼べるレベルのこどもたちがたくさんいて、それが土台となってからのオープンになっています。
こんな風にオープン前から場を開くことによって、通りすがりの近所の人たちから「ここになにができるの?」という声もたくさんいただいていました。
その度に丁寧にまるのコンセプトを説明するようにしていて、近所の中でも「突然、変な施設ができた!」という感じではなく、事前告知の効果を発揮していたように思います。
事前に学校との関係づくりもできていた
また、オープン後のハードルになりそうだと思っていたのは学校です。
公設の施設であればまだしも、僕らは民設民営の施設です。学校から「あそこは怪しいからあそこには行かない方がいい!」って生徒に周知されると終了なので、学校との関係づくりにも努めてきました。
その意味で、僕らは中高生向けのまちづくり参加プログラムを各地でやっているので、これを焼津版にカスタマイズし、開館前のタイミングに合わせて実施してきました。
この広報をするのと同じタイミングで、学校訪問をして、先生方との関係づくりをしました。もちろん、その際はまるの紹介もしておいて、学校側に先に知っておいてもらう工夫をしました。
ちなみにこういった企画をやる時は必ず教育委員会の後援をとることを忘れてはいけません。
事前の関係構築ができた状態でオープンを迎えられているので、学校も「いよいよオープンしたんだ!」と、生徒をあたたかく送り出してくれています。
ちなみに下の記事に詳しく書かれていますが、このプログラムで中高生たちが先に地域をかき混ぜてくれていたので、これも大きな効果があったように思います。
メディア露出は効果的なタイミングかつ複数
そして、いよいよオープンになったところで、メディアです。
メディアは何でもかんでも取材をしてもらえば良いというわけではなく、露出するタイミングが重要です。
もともと地域の中で知られる工夫をしていたとはいえ、知っている人はほんの一部です。その意味で、地元の新聞やテレビに露出するのは非常に重要で、SNSなんかより効果が高いです。
僕が思うに、出ると良いタイミングはオープンして、少し経過してからです。「なんかあそこにできたなー」と思っている人がたくさんいる中で、答え合わせ的に「こういう場所なのか」と認知してもらう方が記憶に残るのではと考えています。
ちなみにオープンの結構前にも1回、静岡新聞に掲載していただきました。
ちなみにメデイア露出はひとつのタイミングでサブリミナル的に複数回出まくるのが大事で、そのほうが人々の認知が一気に広がります。あっちでも見た、こっちでも見たということになります。
昨日は我らがスタッフのみさいちゃんがラジオに出演してまるの話をしてくれたりもしていました。ラジオも聴いている人多いんです。
今月は新聞、テレビ、ラジオなどで、なんだかんだ4回の露出の予定があります。まだまだ増やすべくメディアへのリリースも強化しているところです。
SNSの更新はとにかくこまめに
NPOが意外と苦手なのがSNSの戦略です。とくにFacebookは得意だけど、Instagramが苦手という人も多いんじゃないでしょうか。
僕が開館時からスタッフにお願いしているのは、とにかく毎日開館したときに更新をすることです。
これは飲食店のSNSコンサルをやっている方から教わったことですが、開店した時に必ず更新して、必要に応じてその日のオススメなんかも投稿していきます。
毎日の更新は面倒なんですが、これもメディア露出と同じでサブリミナル的にやり続けることで効果が出ます。最近は開館情報と合わせて、今日のスタッフも載せるようにしていて、これも結構効果的だと感じています。
やはり誰がやっているかわからないと行くのを躊躇いますよね。
前提としての施設の魅力さはある。
また、事前に共有しておかないといけないのは、前提としての施設の魅力ということです。
つまり、施設が魅力的でないとこども・若者が1回来てもリピートしてくれることはないということです。もちろんスタッフがおもしろい!というのも施設の魅力にはなるわけですが、ある程度オシャレで清潔感があるのは大事だと思っています。
僕らはもともとやいぱるという中高生世代向けの施設を同じ商店街のなかでやっていました。このときはこんな感じのスペースで手作り感満載な感じでした。
もちろん、ここはここで好きではあったんですが、そもそもスペースがこの一部屋しかなかったり、3階にあって入りにくかったり、いろいろハードルがありました。結果的に、集まる中高生のなかで常連の色が強くなりすぎてしまう課題もありました。
それからさまざまな施設を見学する中で、やはり一定の空間的な広さが重要であるし、おしゃれで、清潔感があるなど、ハード整備にも着目してきました。
今回は建築設計事務所のウミネコアーキさんにも入ってもらい、こども・若者の声も聴きながら空間づくりをしてきました。
もちろんお金はかかりましたが、家具を含め妥協しない空間づくりが施設の魅力となって、こども・若者で賑わせる要因となっていると強く感じています。
結局、口コミが最強。
また、2週間で実感しているのは、とにかく口コミだということです。
知り合いが来ていた、友達と一緒にくる、友達の紹介で、、、など、口コミ来館が最も強いです。現にいまも口コミ来館が一番多く、特に小中高生は毎日学校で顔を合わせるから、情報のまわりが早いことも体感しています。
自分の本の中でも書いたことですが、中学生・高校生を集めるのが一番難易度が高いです。
ユースセンターつくってみたけど、中高生が全然来ません!っていうケースはめちゃ聞きます。でも、これは事前周知をサボっているからに他なりません。
ちゃんとやれば集まります。でも、結構大変ではあります。笑
僕らのネクストフェーズは、集まりつつあるこども・若者と地域を一緒につくっていく拠点に昇華させていくことです。そして、新しい公民館として大人もこども・若者もごちゃ混ぜにしていくことです。
良いスタートダッシュは切れているように感じています!ここからさらに頑張ります。
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