オプス・クラヴィチェンバリスティクム
ピアノ曲の化け物?
曲名を無理に訳すと「鍵盤楽器のための作品」?
解説を見るに、トンデモない曲の予感であるが、
バッハを敬愛したソラブジが、師からのフーガの技法を駆使して、
宗教的な大曲に仕上げた素晴らしい作品である。
(ものの本には原題を略してOCと書かれるようなので、
ここでもそれに倣うことにする)
YouTubeに、ジョン・オグドンのOC全曲プレイリストがある。
(少し前は楽譜動画があったが消されてしまった…)
ダグラス・マッジ版はCD5枚組を持っていたが、紛失。
今ではオグドンの演奏の方が、温かみがあって好き。
精神と体を病んでボロボロになっていたオグドンが
自らの死の直前に録音&ライブ演奏したといわれる。
技巧の衰えなど何も感じさせない、力強い演奏。
怪曲ではない
確かに巨大な作品ではあるOCだが、
以下のEric Xi Xin Liang氏の動画に沿って
フーガだけつまみ食いして聴くことも可能だ。
バッハの音楽を聴くつもりで気軽に聴くことにしよう。
対位法がすごい!
主に第1~第4フーガを中心に録音しているEric Xi Xin Liang氏。
楽譜への蛍光ペンの書き込みがすごく、本気で研究していることがわかる。
以下は第4フーガの第4曲(Dux Quartus)
楽譜と演奏をちょうどいい塩梅に配置しているのが良いが、
それにしてもこの演奏!
最大5声あるフーガを各声部破綻なく弾きこなしている。
オグドンの演奏を聴いて好きになった第2フーガ。
やや調性が感じられ、エモい一瞬がある。
修羅のように突き進む主題が展開される第3フーガ。
信じられるかい?これ生演奏だよ?
★Eric Xi Xin Liang氏はマルチトラック録音のものはそうだと正直に書いている。
にしても、OCのフーガを弾きこなす、Eric Xi Xin Liang氏とは何者なんだろう?
上の動画のコメントによると
ですって!
もっとも、プロのピアニストにとって当時世界最長・最難曲であるOCを練習・演奏する行為は、リスクが高すぎるからやらないだろう。
プロピアニストの最新録音リリース!
これを書いているとき、驚くべき情報が。
真剣にOCのオグドン版を買おうかと悩んでいた(2万もする!)ところにコレ。安すぎだろ。ポチってしまった。
発売は3月中旬。楽しみ。