フユザクラじいちゃん
私事ながら毎朝、近所の公園を散歩しています。
1周すると30分近くかかる結構大きな公園です。
確か1か月ほど前9月の終わりか10月頃の土曜の朝。
いつものように公園を歩いていると10mくらい先に両腕にステッキ(スキーのステッキみたいな)をつけたおじいちゃんが前方を歩いていた男の人に何か話しかけおりました。
見ると、紙切れを男性に見せて何か言っている様子。
…落とし物か?
男の人が去ってしまうと次に歩いていた私に何やら
スイッチオンしたようで
こちらに紙を見せてきました。
え?何だろうと思いつつ、
レシートの裏に書かれていたのは
”フユザクラさいた”
落とし物か尋ね物かと思ったので一瞬、拍子にとられる。
が、とっさに”え?どこに?”と聞くと
ジェスチャー付であっちと教えてくれました。
おじいちゃんはどうやらあまり滑舌が良くないというか
呂律がまわっていないこともあってなのか
紙に書いて出くわす人に教えていたようです。
”あっちね、わかった”といっていつもの道を進んでいく。
しばらくすると本当に公園の道端に桜が咲いていました。
Googleでとっさに検索すると本当にフユザクラといものが
あるらしく秋は10月~12月頃に咲くとのこと。
わぁ!本当だ!と思うのと同時に
じいちゃんは桜が咲いているよ!というのを誰かと
共有したかったんだろうな。
それで紙に書いて必死に教えてくれたんだろうな、と感じた。
そういう道端の草花、テントウムシや蝶々、匂いなどの
感性を感じられる心の余裕というか余白を持ち合わせていたい
という今日この頃でした。
桜を見た後。その日の散歩コースではそのじいちゃんに再び会うことがなかったのだが今も土日の散歩ではそのじいちゃんとすれ違うことがあります。
彼は覚えていないかもしれないけど、私の中ではフユザクラじいちゃん。