プチ長崎旅行 グラバー園
梅雨の時期に長崎に行くことにした。
今回も格安飛行機を利用しての弾丸旅行だ。朝もはよから自転車で駅に向かう。幸い雨も降っておらず順調な滑り出しだ。途中コンビニで予約しておいたバスチケットを発券しようとしたら、時間外になっていて発券できず一抹の不安が頭をよぎった。
前回の彷徨った経験を思い出し、あらかじめ駅の向かい側に行く道を道すがら注意しながら進む。
無事に到着し、チケット売り場へ急いだ。
売り場の方に確認したところ、予約番号があれば発券できますよと言われ、2重に金額を払わなければならないかもと覚悟を決めていた私はほっとした。
できれば余計な散財は避けたい。
土曜日だったせいかバスはそこそこ人が乗っていた。うつらうつらしながら飛行場につき、搭乗時間まで本を読み過ごす。長崎の観光本もチェックしながら観光ルートを確認した。
今日の長崎の天気予報は100%雨。
雨でも大丈夫なように傘も靴も用意万端だ。
途中の飛行機はめちゃくちゃに揺れた。内臓がひゅっとなる瞬間がかなりあり、お世辞にも乗り心地が良いとは言えない。とはいえ無事に長崎の空港に着陸できた。
到着時間は乗れたら良いなと思っていたバスの時間に間に合うか間に合わないかの瀬戸際だった。すでに飛行機に若干酔っていたので時間を気にする余裕はなく、次のバスに乗ろうと考えていたのだが。
生憎(?)バスの時間にぎりぎり間に合ってしまったため、あまり体調の良くないままバスに乗り込むはめになった。もともとバス酔いする方な上、体調のせいか匂いに酔う。
空港から市内まで苦しいときの神頼みとばかりに祈りながら時間よ早く過ぎてくれとひたすら念じる。
約40分間、なんとか体調はもってくれた。ヘロヘロになりながらバスから降り、ゆっくりゆっくり歩きながら目的地へ向かう。
長崎駅前は工事中だった。だいぶ大きな駅だ。飲み物を買い、路面電車に乗るため駅の前にある乗り場にむかう。
少し待ち時間があったのでようやくほっと一息ついた。揺れない地面に感謝し、体調も徐々に回復してきた。
観光はとりあえず出来そうな体調に戻ってきたようだ
まず初めに向かったのはグラバー園だ。
グラバー園まではバス停からかなり急な坂を登っていく。朝から歩くには結構ハードな坂、しかも非常に蒸し暑い日である。そこそこのスピードで登っていたらあっという間に息切れと汗が滲んできた。
てっぺんまで登ると大浦天主堂がお出迎えしてくれた。真っ白な綺麗な教会で上の方に漢字で書いてある。
ひとまず横のグラバー園を見に行く予定なので、正面からの写真を撮っておくに留めた。
グラバー園ではうごく歩道にお世話になった。まず歩道で行けるとこまで行ってしまい、そこから順に降りていくと全ての館が見学できるようになっている。
一番上に位置する旧三菱第2ドックハウスに到着した。室内の様子はよくわからないが、昔の洋館でよくみるタイプの窓だ。庭では鯉がたくさんいて餌やりのマネごとをしながらしばし休憩する。
海からの風が心地いい。
その後、道なりに進み工事中の旧長崎地方裁判所長官所を横目に旧ウォーカー住宅を過ぎるとプッチーニと三浦環の銅像が見える。そのあとは旧リンガー邸宅、旧オルト住宅と続く。
それにしても暑い。今日は雨だと聞いていたのに強めの陽が差してきた。近くの池の亀がこれ幸いという風に甲羅干しをしている。全然動かないので一瞬銅像かと思ったが小さく首が動いたので生き物だとわかった。子供の亀もいてとてもかわいい。
旧オルト邸宅は玄関の柱といい内装といいかなり立派だった。
調度品も日本の工芸品がたくさんあり、漆のものも多くあった。当時は漆芸品も数多く輸出されていたのだろうな。
途中グラバーの息子である倉場富三郎の絵が展示されている部屋を通った。いくつかの水彩画がかざってあり、どれも驚くほど繊細なタッチで描かれている。標本の図鑑に載っていそうな上手さだ。
グラバー園の中の邸宅は不思議でちょっと面白かった。屋根は完全に瓦ぶきの日本風なのに、その下に鎮座する壁窓内装はまったくの洋風なのだ。天井もシャンデリアのためかとても高く、狭い部屋でも窮屈な印象はなかった。
昔の家の独特な香りがする。埃っぽい、かび臭い、古書のような、人によって色々な表現が出てきそうな香りだが、私はこういった類の香りが結構好きだ。
最後に旧グラバー住宅に着いた。ここだけ人が多く集まっていると思ったら長崎テレビの撮影がはじまるそうだ。
中に入って感じたのは懐かしさと面白さだった。内側の外見は漆喰の壁に屋根瓦の和風ながら、ドアがついている。ドアの前には可愛いお花のタイル。
変なの。違和感はあるけれど、でも面白い。
内装は他の邸宅とそれほど変わっているところは見られなかった。壁や天井にも綺麗な装飾紙が貼ってある。邸宅からの見晴らしもよいし、さぞここに住んでいた人々は心地いい暮らしをしていたのだろうと思いを馳せる。
ぐるりと邸内を周り、外観を見たあとテレビ収録に巻き込まれては敵わないとそうそうに退散することにした。
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