知らないと損する!理学療法の基礎知識【変形性股関節症からの脱出 第7回】
「診察ですか、理学ですか?」
整形外科の受付で聞かれて、何を言っているか分からなかった。
そこで「股関節の保存療法に来たのですが」と、告げると……
「あぁ、理学ですね」という、答えが返ってきた。「理学」とは、理学療法のことらしい。
ぼくは、医師に変形性股関節症と診断された。とりあえず、手術をしない「保存療法」を選択したのだ。
でも実際に「保存療法」が始まって、整形外科のクリニックに行くと「保存療法」とは言わないで「理学療法」と言う。
「理学療法」とは、要するに「リハビリテーション」。つまり、マッサージ(施術)と運動療法(リハビリ指導)。そして、電気刺激などの「物理療法」。中心は、理学療法士が担当するマッサージと運動療法だ。
「理学療法」は、保存療法・手術療法の双方で行われる。つまり、手術を受けても受けなくても行われる治療を言う。だから医師以外は「保存療法」とは言わないで「理学(理学療法)」と呼ぶのだろう。
(1)「単位」を知らないと会話にならない
病院用語として「保存療法」ではなく、「理学療法」を使うのは分かった。しかし患者が、「単位」を理解しないと困ることには、なかなか気づかなかった。
「単位」を知らないと、予約を取るときに「会話にならない」し、会計時にトラブルも起きる。そんなに重要な「病院用語」なのに、どこにも説明はない。忙しい現場で、スタッフに聞いてもよく分からなかった。
調べてみて、やっと分かった……
理学療法士の「理学療法」は、保険の点数計算では「リハビリ」となる。リハビリは、1単位20分の「単位」ごとに実施される。たとえば、40分のリハビリを実施した場合は、2単位分のリハビリテーション料が算定される。
整形外科のリハビリは、たいてい混んでいる。というか、ヒマなところは不安だ。1単位の20分間しか予約が取れないときもある。しかし1単位の20分間だと、施術(マッサージ)だけで終わってしまう。最低でも2単位とりたい。
理学療法の中心は、理学療法士の施術と運動療法(リハビリ指導)。運動療法(リハビリ指導)は、施術と同じかそれ以上に大切だからだ。
(2)「どのボール」を使うか、悩ましい……
理学療法士の施術(マッサージ)は、気持ちいい。手術を行わない治療(保存療法)では、とにかく痛みを和らげることが第一。マッサージはありがたい。とはいえ、保存療法の段階で毎日のマッサージは現実的じゃない。
「マッサージはとてもありがたいのですが、自宅でもできる方法はありますか?」
理学療法士のKさんに、聞いてみた。
「ゴルフボールか、テニスボールを使ったマッサージがオススメですよ」と言うので、さっそくスポーツ店に行ってみた。
結論から言えば、ぼくは「セーフティボール」を買った。小学生低学年用。野球のキャッチボールやティ打撃で使う。
ゴルフボールより柔らかく、テニスボールより硬い。ほどよい硬さと弾力で、じんわりとした刺激が気持ちいい。調べてみると「ストレッチボール」という、マッサージ専用ボールもあるらしい。
ちなみに、ボールを使った股関節周りのマッサージ方法は「テニスボール マッサージ」で検索すると、すぐに見つかる。
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