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「基礎」と「基本」の違いが、わかりますか?
「大切なのは基礎・基本」と言われたら、反論できない。なぜなら、ぼくは「基礎」と「基本」の違いが、よく分からないから。
ところが、スポーツではハッキリしている。基本は、さまざまな技術の土台となる動き。基礎は、基本に必要な身体能力。そして、基礎の習得には、それだけで「素晴らしい効果」がある。
最初に「基礎」と「基本」の違いについて、ぼくがネットで「いちばん分かりやすいと思った説明」は、コレ。
・基礎は知識・技能
・基本は認識・価値観
基礎は認識や価値観を培う土台にあたり、基本は基礎の上に立つ応用である。つまり、基礎は身につけるもの、基本は確認していくもの。
AIに聞いてみた「結果」は、次の通り。
・基礎は、物事を学ぶための土台となる知識や技術
・基本は、基礎的な知識や技術の使い方
小学生に分かるように言えば……
・基礎は、九九を覚えること
・基本は、九九を使って、買い物でいくらお釣りをもらうのか計算すること
「なるほど、基礎と基本は違うんだな、同じと考えちゃダメなんだな」と、思った。
ところが「いちばん分かりやすいと思った説明」は、意外な言葉を続けて混乱させるのです。
基礎は認識や価値観を培う土台にあたり、基本は基礎の上に立つ応用。よって獲得した基礎は、次の学習の基本になるので、基礎と基本は入れ子の関係にあると言える。
「え!? 入れ子って、いうことは、“本質的に同じ”じゃないか!」
そう思って「AIの説明」の説明を読み返すと……“基本は、基礎的な○○”と、言ってます!
「うーん、基礎と基本は違うんだけど、同じようなものなのか?」と、最初の疑問にもどって凹んでいたら……
「救い」がありました。スキー指導者の、渡辺 宏さんのブログです。
スポーツでは、基礎と基本はハッキリ違う。
【基礎体力】というが【基本体力】とはいわない。
【基本ポジション】とはいうが【基礎ポジション】とはいわない。
スポーツにおける基礎と基本の違いは、次のようになる。
・【基楚】すべて種目に繋がる元となるもの
・【基本】そのスポーツにおける軸となる動作
【基楚】体力は、どのスポーツおいてもある程度同じ。
しかし【基本】ポジションや【基本】フォームは、種目によって違う。
各種目ごとの基本フォームや基本ポジションを軸にして、そこからさまざまな動きが派生する。
・野球の基本動作は、素振りやキャッチボール
・水泳の基本動作は、バタ足やストリームライン(蹴伸び姿勢)
・サッカーの基本動作は、トラップやインステップでのキック
・スキーの基本動作は、プルークボーゲン
この様な【基本】動作ができるから
・素振り→流し打ち
・バタ足→クロール
・トラップ→ダイレクトパス
・プルーク→パラレル
……といった具合に、色々な技術に派生(応用)できる。
【基礎】とは【基本】を行うにあたって必要な、身体の状態。
例えばスキーの【基本】をプルークボーゲンとした場合、プルークボーゲンをするにあたって必要な……
・筋力
・股関節や足首といった 各関節の可動性と操作性
つまり、一般に言うところの「身体能力」。
「身体能力」があればあるほど【基本】動作の質は高いし、習得も早い。
逆にいくら基本練習をしても【基礎】である身体能力変わらないと、どこかの段階で技術の向上が頭打ちになってしまう。
「滑走量を増やしてもスキーが上達しない」と悩んでいるスキーヤーの多くは、【基本】ではなく【基礎】が足りていないケースがほとんど。
もちろん【基礎】ばかりやっても、【基本】ができていなければ、その競技で上達はしない。【基礎】と【基本】のバランスが、重要になる。
しかし【基礎】と【基本】の違いイメージできても、技術の上達には繋がらないのが現実。それほど【基礎】の習得は、難しい。
実際、立つ、しゃがむ、歩く、といった基礎動作は、多くの人が「出来ている」と思っている。だから、自分に必要な基礎にも気づいていない。
「立つ、しゃがむ、歩く」の基礎動作が、キチンと「出来ている」人は意外と少ない。「出来ている」と「キチンと出来ている」は、違うのだ。
とはいえ……
もしスキー上達の為にレッスンを申し込んだのに、立ち方や歩き方、身体の仕組みからくる普段の身体の使い方など延々と説明されていても正直つまらない。
しかし、基礎は一つの競技だけでなく全てに繋げられるので何にでも応用が効くというすばらしい効果がある!
・スキー上達の為に通い出したのに、長年悩んでいた腰痛や肩こりがいつの間にかなくなっていました!
・おなじ距離歩いても、疲れなくなりました
・楽に走れるようになって、タイムが上がって驚きです
・ゴルフのスイングが良くなって、飛距離やスコアが改善されました
・水泳のフォームがいつの間にか綺麗になっていました
この様な事が起こるのは、【基礎】をトレーニングして各目的の【基本】に繋げる事が出来ているから。
大切なのは【基礎】トレーニングと、【基礎】を【基本】に繋げる練習。
基礎が重要だからと言って立ち方や歩き方を練習しても、基礎から基本へ繋げる練習がなければスポーツのパフォーマンスは上がらない。