子どもを威嚇する5W1Hの「話し方」
5W1Hを押さえたコミュニケーションによって、過不足のない情報伝達を実現できます……これは「5W1H」で検索したときに、トップに表示されたサイトの「説明」だ。
だけど、説明を信じてバカ正直に実行したら、家庭で居場所がなくなるのは間違いない。
そもそもコミュニケーションは、「猿の毛づくろい」に似ている。実際のスキンシップがなくても、心がふれあった「実感」があればいい。
コミュニケーションに「過不足のない情報伝達」など、関係ないのだ。
ところが、子どもや配偶者に「5W1Hの質問」をする人は、けっこう多い。「これ買ったの、いつ?」
「なんで、ここに置くの?」
「これ誰の?」
なんて、言った経験ないだろうか?
「5W1Hの質問」をする人は、原因を明らかにする「理性的な質問」のふりをして、相手を攻撃する。ところが批判している「自覚」もないし、「自分には非がない」前提で質問している。
いわば安心して相手を攻撃できるから、始末が悪いのだ。
そうかもしれないけど……「相手を攻撃する気持ち」なんか、ないときだって、あるんじゃないの?
たしかに、そうかもしれない。
だけど「5W1Hの質問」が、相手を緊張させる可能性が高いのは間違いない。コミュニケーションに、緊張は禁物だ。
帰宅した夫が、いきなり「今日、何してたの?」「メシ、できた?」なんて言ったらカチンとくるだろう。母親から「学校どう?」「宿題やった?」と聞かれる子どもでも、同じなのだ。