がんの痛みは我慢しなくていい
がんになった場合に痛みが発生する人の割合は全ての治療期を合わせて8割以上と言われています。がんになった人の8割に何らかの痛みが生じるということです。(全然痛みがない方もいます。)
緩和ケアではこの痛みを取り除くことが大きな役割になりますが、痛みを取り除くために大切なことは、現実的で段階的な目標を設定することにあります。
第一の目標は、
痛みに妨げられずに夜に眠ることができること。
第二の目標は、
日中の安静時=動いていない時に(座っている時や横になっている時)
痛みがない状態で過ごせること。
第三の目標は、
立った時や動いた時に痛みがないこと。
痛みをギリギリまで我慢している人も5人に1人と言われています。
「今までは大丈夫だった。」
「あとちょっと待っていればおさまるかも。」
「薬に頼るのは抵抗がある。」
でもね、この痛みを適切な鎮痛剤を使って取り除くことで
生活の質が格段に上がります。
けわしい顔が穏やかになり、夜ぐっすり眠れるようになります。
できなくなっていたことができるようになるかもしれません。
私の家族は痛みのコントロールがうまくいかない時期がありました。本人がこれくらいの痛みはあって当たり前と我慢していた部分もあったと思います。
痛みがあることによって幼馴染の結婚式に一瞬だけ出席して帰ってきたことがありました。
痛くて痛くて眠れない、ずっと腰をさすっていた朝が待ち遠しい夜がありました。
たまに出る痛みを少し座っていれば治るからとうずくまっていたことがありました。
あの痛みを我慢する必要あったの?
今でも時々思い出します。
痛みを取り除いて、
夜はしっかり寝て、
自分のエネルギーを痛みの我慢じゃなくて
もっと大切なことに使いましょうよ。
まずしっかり夜に寝て
エネルギーを復活させて
何がやりたいのか考える時間を持って
好きな人と過ごし
美味しいものを食べて
晴れの日の空気を感じて。
自分の大切な人だったら
絶対に痛みを我慢してほしくないはずなのに
何で自分だと我慢しちゃうんだろう。
我慢しないでほしい。
全ての痛みがある人に思います。
どんな痛みも我慢する必要なんてない。