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タッチング 触れるケア

私は今、終末期の緩和ケア病棟で看護師として働いています。
2年前に働き始めた時に感じたことがありました。

患者さんにはマッサージが強すぎる。

痛みや呼吸の苦しさは
痛み止めや医療用麻薬を使います。

それでも取り除けない
だるさや
身の置きどころのなさ
辛さや
痛みがあります。

気を紛らわせるというか気分転換に
足のマッサージをしたことがありました。

いつもどの患者さんにも
マッサージよりも最後に温めたタオルで
足を包んだ使ったオイルをぬぐう時に
一番「気持ちいい」と言われる。

マッサージは患者さんには強すぎて
負担になるんだ、と気づきました。
いつも温タオルを用意できる訳ではないし
何か良い方法はないかなと思っていました。

そんな時に出会ったタッチング。
マッサージより優しく触れることがメインの施術。

私の家族は癌でしたが
腰に取りきれない痛みがありました。
今思えば医療用麻薬の量が足りてなかったの
ではないかと思います。
本人はこれ以上の鎮痛剤は飲みたくない。増やしたくない。
そんな疼痛コントロールがうまくいっていない時期のこと。

私が腰に手を当てていると
痛みがやわらぐと言うのです。
私はずっと頓服の痛み止めが
効いてくるまで、腰に手を当てていました。
手を当てると痛みがやわらぐことに気づいた時、
2人で大喜びしました。
「これが手当の語源だ!!!」
「すごいすごいだから手当って言うんだね。」

メディカルタッチに出会った時、
「タッチング、触れるケアで
痛みが軽減するというエビデンスはない。
でもリラックス効果や
セロトニンなどの分泌など
痛みの閾値を上げる効果がある。
だから痛みを感じにくくなる。」
と学んだのです。

あの時の「手当」にエビデンスがあった!!
衝撃!!

そして短時間で効果のある触れ方がある
ことを学びました。

終末期の患者さんに
長時間触れることも
強く触れることも
逆に辛さを増やしてしまうことになる。

昨年は腕のタッチングを学んだのですが
先月とうとう足のタッチングを学びました。

人生の最後は
寝ている姿勢が多くなります。
そんな患者さんにできたらいいなと思っていました。

1年ぶりにお会いする先生に指導していただきながら
私が施術をすると
「気持ちいいですよ。1年で本当に触れ方が
上手になりましたね。」
と言っていただけました。

これから患者さんに少しずつ実践していきたいと思います。

メディカルタッチ
https://www.medical-touch.org


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