人に頼るということ

私たちは夫ががんと診断された時、
28歳でした。

そして彼の体調が悪化した頃
私は新卒で入社した会社で9年目、
ちょうど会社で色々なことを
任され始めていました。
それに部下が7人いるチームの
管理職となっていました。

会社を休めない、休みたくない。
でも彼のそばにいたい。
会社を辞めた方がいいかも。と
思い悩んでいたとき、

別の部署の後輩から
こんな言葉をかけてもらいました。

「彼が○○さんに甘えて
○○さんが会社に甘える。
そうしたら彼も○○さんも
一緒にいられるし、
会社も○○さんを失わなくて済む。
WinWinじゃないですか。
だから会社に甘えて
休めばいいんですよ。
甘えたおせばいいじゃないですか。」

初めて私にヨガを教えてくれた
不思議な男性の後輩でした。
(彼はその後会社を辞めて
インドへ行く。)
この言葉のおかげで私は
会社を辞めるという選択をせずに
会社に甘えて、休むという選択を
することができました。

甘えるというと
あまり良い言葉ではないと
私たちは教わってきているかも
しれませんが、
甘える、頼るということで
お互いを失わずにすむ。
そのおかげで
私は本当に
良い時間を過ごすことが
できました。

人に頼ること、甘えることは
悪いことじゃないと
実感することができました。

20代後半の私は
誰にも相談せず一人で悩んで
誰にも頼らず大切な判断を
しようとしてしまっていました。

「私が人に頼ることで
他の人も私に頼ることができる。」
そのことも身をもって
理解することができました。

それって本当に
素晴らしい世界だと思います。

「本当に自立している人は
依存先がたくさんある人だ。」
脳性麻痺の障害を持つ小児科医の
熊谷晋一郎さんの言葉です。


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