「私の世界は…」
夢をみていた。
ある時、私はインディジョーンズになって、ジャングルの草が鬱蒼と生い茂った、道なき道を探検していた。
ズンズン、進むと、砂漠に出た。
暑さに耐えて、ヨロヨロ進むと、切り立った崖に出た。
ここを登るの?
大丈夫、できるよ。
夢の中の私に声をかける。
これは夢なんだ。
とわかってる。
夢の中で夢を見てる。
何処へ行くの?
わからない。
何を目指しているの?
わからない。
楽しい?
うん、楽しい。
ただただ進むだけ?
そう、こうやって全身を使って動いていると生きてる❗️って感じる。
そんな、やりとりをしながら、崖を登り切ってしまっていた。
360度見渡せる。いい景色だ。
コレが見たかったの?
いや、そうでもない。
達成感はある?
達成感…あるよ。充実してる。
でも、なんか疲れたな…。
そう言うと、私。は、ウトウトした。
目覚めた時、今度は、中世ヨーロッパの石畳の上にいた。
焦っている。
何かから逃げている感覚。
路地から路地へ身をひそめて移動している。
まるでルパン3世だわ。ふふふ。
そう思った瞬間、足首を掴まれて吊り下げられた。
逆さまになって、ぼんやり見えてくるのは大広間のような場所。
たくさんの人に見られている。
侍従の1人が、捕らえた理由を大声で述べている。
一段と高い所に女王の姿。
向日葵を手に座っている。
おだやかな表情。
こんな状況なのに、安心感があるのが不思議。
この、逆さまの世界が、面白い。
視点が変わるとは、こういうことか。
女王は立ち上がり、凛とした声を響かせる。
あなたは、何を求めているのですか?
本当に表現したいものは何ですか?
大地のエネルギーを感じてごらんなさい。
頭の中を女王の声がグルグル巡っている。
気づくと、私は深い森の中に横たわっていた。
大地の暖かさ。
落ち葉の柔らかさ。
木漏れ日の優しさ。
“守られている“
そう感じる。
前に前に進んできて、それも楽しかったけれど、動き続けないと不安。と、どこかで感じていた。
私は立ち上がり、大地を踏みしめる。
足の裏から頭のてっぺんまで
一気に、ググッと湧き上がるものがある。
私の体が大木になって、グングン枝葉を伸ばしていく。
開放感。
私は、大地と共にある。
感じたことの全てがパワーになる。
生きている。
最高だ。
私の世界は、私が創る。
おしまい。