黒い影
黒い影
黒い手
黒い顔
黒い瞳
何故そこに居座る
傷んだ胸に映るものなのか
部屋に籠って叫べば散るものなのか
布団を被って泣けば引いていくものなのか
おなじ言葉を繰り返しつぶやく
届くわけなんかないのに
いっそ呪い殺してしまおうか
顔を覗かせる黒い腹
伝染する忌まわしい性質
縦の繋がりが思考の邪魔をする
素晴らしい思いつきを嗤う
やはり、血が騒ぐ
ますます濃さを増す腹の黒さよ
黒い影よ、いい加減去ってくれないか
わたしを解放してくれないか
黒い腹がわたしを押し潰す
黒い手がわたしの喉を絞める
黒い瞳がわたしをじろりと見下ろす
もう、無いものへの執着か
黒い、黒い、その手の陰影
暗い、暗い、眼差しの行方
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