執着
ああ、そうさ。
君に執着してるよ。
だって君は僕の可愛い長男だからさ。
どこに泳いで行けばいいかって?
ぼくのしるよしもないさ。
だって、僕はいつまでも君に傍にいて欲しいもの。
それは執着で愛情ではないって?
どうちがうんだい?
教えてくれよ。
愛情と執着の境を。
端からみたらどちらも同じさ。
一人でやってるチェスみたいなもんさ。
白勝て、黒攻め入れろ。どっちも僕だ。
なにが不満なんだい?
どちらも僕の子だ。可愛いよ。
そう、どちらも僕の愛しい子供だ。
他人の好きにさせやしない。
君が僕の始まりでもあり、終わりなんだ。
え? 訳がわからないって?
それはまだ僕の本気が足りないようだね。
じゃあ、僕の本気を見せるから。
待ってて。
君を、越えるものを。
そうしたら、執着とはいえないだろう?