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犯人は······
正月料理に口が疲れ、ジャンクなものを食べようということになり、ピザを頼んで白ワインでパーティーをした数日前のこと。
ピザーラのチキンナゲットはやっぱマックに負けるな、などと愚痴りながらも美味しく楽しく飲んで食べました。
白ワインを一本空けると酔いもかなり回り、ハイテンションなまま、後片付けは明日だ明日、とその夜は食器を出しっぱなしにして眠ってしまったのです。
朝起きると、宴のあとがそのままテーブルに残されていて、やっちまったな、やれやれ、と片付けにかかろうとした、その時!
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皿の上のケチャップソースにただならぬ痕跡が?
わたしが眠る前にみみっちく指でこそげとり舐めたのだろうか?
いやいや、そんな覚えはない!
それなら、この痕はいったいなんなのだ!?
まるで筆でなぞったような筋。
こ、これは······!?
さては······!?
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犯人は、貴様だな!?
普段、人間の食べ物には興味はありません。
とクールに振る舞っておるコヤツ。
しかし! 過去にも前科があるのだ!
娘の誕生日だったかクリスマスだったかでホールケーキを買ってきて食した時のこと。
やはり酔いつぶれて、あとは明日だ明日、と眠ってしまったのだ。
翌日発見されたのは、丁寧に舐めとられていたケーキの皿。
ヤツがはじめて味わった人間の食べ物。生クリーム。さぞかし美味かっただろう。
夜中に豹変する化け猫か?
いや、だらしなく皿を出しっぱなしにして眠った飼い主が圧倒的に悪い。
そりゃ、舐めてみたくなりますわな。
しかし、猫の体には良くない。
腎臓を悪くして死なれては困る。
まだ四歳なのだ。
もう、同じ過ちは繰り返すまい、と心に誓う飼い主であった。