CO2とカネ
ゲスなタイトルですいません。
グリーン経済とかクライメートテックとか、キラキラした記事を書けば良いのでしょうが、これからしばらくCO2とカネの直接的な関係をご案内していこうと思います。
カーボンプライシング概要
カーボンプライシングという言葉をご存じでしょうか。
その名の通り、CO2に価格を付けることを指します。
CO2に価格が付くというのはどういうことか。
需給バランスによって決まるんだろう。普通はそう考えると思います。
2023年10月11日に正式に東京証券取引所にカーボン・クレジット市場が開設されたところから、きっとそのような仕組みで価格が決まっているんだろうと想像します。
ですがそれだけではない。ここは要注意です。
そもそもこのカーボンプライシングという言葉、どういう意味かと調べると
だそうです。
いいですか。排出者の行動を変化させるために導入する政策手法なんです。
せ い さ く し ゅ ほ う…。
はて?
とどのつまりなんぞやと資源エネルギー庁のページを読み進めると以下のようにありました。
ほうほう。主に三つの価格決定要素があるのね…。
あれ?
初っぱなに物騒な言葉がありますね…。
「炭 素 税」
…(汗
おそらくそういった動きがあるんだろうと思っていましたが、まさかここまでストレートな表現ででてくるとは…。
とにかくご案内を進めていきます。
炭素税
CO2排出者の行動を変化させるために導入する政策手法として特に有効なものです。
だってCO2排出者に罰金を科すようなものですから。
とにかくCO2は悪。悪を生み出すものはお仕置き。そう考えればこの炭素税という考え方はいたってシンプルです。
税金ですからここに市場原理は存在しません。一定の基準に沿って税額は決定します。なので長期的な視点に立った計画を立て安いと言う利点があります。
ですがこれはあくまでも税金。税金が上がって経済的に得する人は誰も居ません。そこのところを忘れないようにしましょう。
排出量取引制度
企業ごとに排出量の上限を決め、排出量が上限を超過する企業と下回る企業との間で排出量を売買する仕組みです。
この場合市場原理が働き、炭素の価格は排出量の需要と供給によって決まります。
この排出権取引制度は2023年度からGXリーグ内で試行的に導入され、26 年度から本格運用の見通しです。
Jクレジット制度
CO2の削減を「価値」と見なして証書化し、売買取引をおこなう制度です。
このクレジットの種類は以下のようなものがあります。
再生可能エネルギー(電力)由来
再生可能エネルギー(熱)由来
省エネルギー由来
森林吸収由来
工業プロセス、農業、廃棄物由来
因みに弊社はこの中の森林吸収系クレジットを購入し、カーボンニュートラルへささやかながら協力をしています。
再エネ賦課金
電気料金の支払い明細に記載されているので、この存在をご存じの方はたくさんいらっしゃるでしょう。
これはFIT(固定価格買い取り制度)とかFIP(フィードインプレミアム)で生じる費用負担の一部を消費者に転嫁するものです。
簡単に言うと、再生可能エネルギーの割合を増やすために、利用者も応分の負担をしてくださいというものです。
これは電気を使う人全員が負担しています。その点では実質的な炭素税とも言えるのではないでしょうか。
ただ炭素税よりもわけが悪いのは、節税などの措置が取れないことです。
私はせめて削減に取り組んでいる事業者にはこの負担を軽減するとか、免除するというのがあってもいいんじゃないかと思います。
炭素国境調整メカニズム
気候変動対策をとる国が、不十分な国からの輸入品に対して課金することです。
ガチガチに気候変動対策を義務化している国の企業が、それを逃れるために、ガバガバな国に工場を移転したとします。
そこから製品を輸出すれば脱税ならぬ脱炭素(おっとこの表現はまずい。混同する…脱法行為という意味合いでの脱炭素と捉えてください)できちゃうわけです。
これは世界規模で見ればちっとも二酸化炭素の削減になっていません。それを防ぐための炭素国境調整メカニズムというわけです。
インターナル・カーボンプライシング
企業が自社の排出するCO2に価格付けを行うことです。企業が独自に炭素価格を設定し、投資判断や組織の戦略や意思決定に活用する仕組みです。
以上、これらが行動変容を促す政策手法の数々です。
どうですか?
やはりカネが絡むと一段と身に迫る危機を感じますね。
ですが正直経済負担が増えるのは勘弁です。
なのでみなさん。お上にあれこれ言われる前に気候変動問題に取り組みましょう。
そして炭素税で増税だと言ってきたら、こう言ってやれば良いんです。
「気候変動問題対策やってますけど何か?」
長文最後までお読みいただきありがとうございました。