ワールドコインの登録に必要な目の虹彩のスキャンとは?
ChatGPTを開発したOpenAIのCEOサム・アルトマンが手掛ける巨大プロジェクト、「Worldcoin」ですが、登録するには虹彩を専用の装置(Orb)でスキャンする必要があります。虹彩のスキャンをしたことがないのでどういったものなのか調べてみました。
そもそもワールドコインってなんなの?
このプロジェクトの最終目的のひとつは、AIが人間のする必要のある仕事の大部分を担ったときにベーシックインカムとして全人類に仮想通貨を配布することです。
公式のホワイトペーパーを読んで、以下のnoteに簡単にポイントをまとめました。
ここで重要なのが、配布対象者の本人確認を行うための「虹彩認識」という技術です。これはiPhoneの指紋認証や顔認識と同様、生体認証による本人確認の手段として使用されます。そして、ワールドコインでは特に「AIではなく人間であることの確認」に焦点を当てています。
実際の登録方法については誰かが書くと思うので、ここでは省略します。
虹彩認識とは
虹彩とは目の瞳孔の周囲の色のついた部分で、この一部をスキャンして本人を認識します。虹彩認識の基礎は、ケンブリッジ大学のJohn G. Daugmanにより開発されました。
透明なコンタクトレンズや眼鏡、ミラーなしのサングラスを通してでも機能します。(ただ、ワールドコインのスキャンではコンタクトレンズを外したほうがいいと言われるかもしれません)。市販の虹彩スキャナでは、虹彩スキャナでは高画質の顔写真の画像で認識されることがあるため、Worldcoinのスキャナは高額な装置を使用していると考えられます。
虹彩認識の活用例: Apple Vision Proも
虹彩認識はすでにさまざまな場所で活用されています。アラブ首長国連邦(UAE)では外国人であっても入国時に虹彩スキャンが必要とされているようです。
インドはAadhaarという国民識別番号(日本のマイナンバーのようなもの)に虹彩の情報を組み込んでいます。これはインド独自の巨大なシステムで、最近はアフリカ諸国にこのシステムを輸出しています。
これらはそれぞれの国の国民用の識別番号ですが、ワールドコインの識別番号はWorld IDと呼ばれ、これは全人類の識別番号を意味するとも言えるでしょう。
また、Appleの新しいヘッドセットVison Proには「Optic ID」という虹彩認識機能が搭載される予定です。ヘッドセットを装着しているときには顔認証や指紋認証が難しいため、虹彩認識が活用されるのでしょう。
ということは、ワールドコインの虹彩認証がApple Vision Proでできるようになるという展開が可能性としてはあるかもしれません。もしそうなったらユーザー数が一気に増えるきっかけになることもありえます。
ワールドコインでは虹彩の画像は保存されるの?
Orbでの虹彩の認証が完了したら、ユーザーが同意しない限り虹彩の画像は保存されないと公式のホワイトペーパーには記載されています。おそらく画像そのものはOrb本体で処理されて、外部に送信されるのは数学的に変換したデータということでしょうか。
その場合、その外部に送信されるデータからは虹彩のある部分の特徴を復元できるということはあるかもと思いましたが、ハッシュ関数という仕組みを使うようで復元は困難(実質無理)ということです。(このあたりの処理の仕組みもホワイトペーパーを読み込めばわかりそう)
まとめ
サム・アルトマンの新プロジェクト「Worldcoin」では、登録のために専用の装置「Orb」で虹彩をスキャンする必要がある。
Worldcoinの最終的な目的の一つは、AIが人間の仕事の大部分を担った際に全人類にベーシックインカムとして仮想通貨を配布すること。
虹彩認証は配布対象者の本人確認を行うために使用され、Worldcoinでは人間であることの確認に焦点を当てている。
虹彩認証は既に世界各地で利用されており、UAEでは入国時に虹彩スキャンが必要とされ、インドでは国民識別番号に虹彩の情報を組み込んでいる。Appleの新しいヘッドセットVison Proでも使用される見込み。
Orbでの虹彩認証が完了したら、ユーザーが同意しない限り虹彩の画像は保存されない。
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